[ 第３８回 ]
占星学とタロット(3) - 小アルカナ
占星学とタロットの関係で、前回はコートカードまでを説明しました。今回は、残りの小アルカナにおける数字カードについてです。（完成した表へのショートカット）
数字カードの中でも、各スート(組)のエースは占星学の四元素(または、四素子、エレメント、Elements)の根源として解釈しておきます。それぞれの対応は以下の表のようになります。
| 小アルカナのスート | 占星学のエレメント |
|---|---|
| 棒（ワンド、Wands） | 火（Fire） |
| 聖杯（カップ、Cups） | 水（Water） |
| 剣（ソード、Swords） | 風（Air） |
| 五芒星形（ペンタクルス、Pentacles） | 土（Earth） |
では、残りの2〜10までの数字カードについて説明してゆきましょう。
各スートにはエースを除くと、2〜10までの9枚のカードがあるわけですが、これを、それぞれのエレメントの変化（進化）の過程として３つの段階（三要素）に分けます。
| 小アルカナの数字 | 占星学の三要素 |
|---|---|
| ２，３，４ | 活動性（C、カーディナル） |
| ５，６，７ | 安定性（F、フィクスト） |
| ８，９，１０ | 融通性（M、ミュータブル） |
すると、先ほどの四元素と三要素を組み合わせることで、12のパターンができることがわかると思います。占星学をご存知の方ならすぐにわかると思いますが、この組み合わせによって、それぞれに対応する黄道十二宮が決まります。同時に小アルカナも、4つのスートと三要素に対応する数字の組み合わせで12のパターンに当てはめることができます。
表にすると以下のようになります。
| 星座宮（星座） | 四元素と三要素 | 小アルカナのスートと数字 |
|---|---|---|
| 白羊宮（牡羊座） | 火とＣ | 棒の２，３，４ |
| 金牛宮（牡牛座） | 土とＦ | ペンタクルスの５，６，７ |
| 双子宮（双子座） | 風とＭ | 剣の８，９，１０ |
| 巨蟹宮（蟹座） | 水とＣ | カップの２，３，４ |
| 獅子宮（獅子座） | 火とＦ | 棒の５，６，７ |
| 処女宮（乙女座） | 土とＭ | ペンタクルスの８，９，１０ |
| 天秤宮（天秤座） | 風とＣ | 剣の２，３，４ |
| 天蝎宮（蠍座） | 水とＦ | カップの５，６，７ |
| 人馬宮（射手座） | 火とＭ | 棒の８，９，１０ |
| 磨羯宮（山羊座） | 土とＣ | ペンタクルスの２，３，４ |
| 宝瓶宮（水瓶座） | 風とＦ | 剣の５，６，７ |
| 双魚宮（魚座） | 水とＭ | カップの８，９，１０ |
これで、各星座宮に対する小アルカナの割り当てが判明したわけですが、占星学では更にそれぞれの星座宮を3等分して「デーカン」という区分を用います。ちょうど小アルカナも、それぞれの星座宮に3枚ずつ割り当てられているので、数字の若い物から順番に、第1デーカンから第3デーカンまで割り当てます。すると、以下のような表が出来上がります。
| 星座宮 | 第１デーカン | 第２デーカン | 第３デーカン |
|---|---|---|---|
| 白羊宮 | 棒の２ | 棒の３ | 棒の４ |
| 金牛宮 | ペンタクルスの５ | ペンタクルスの６ | ペンタクルスの７ |
| 双子宮 | 剣の８ | 剣の９ | 剣の10 |
| 巨蟹宮 | カップの２ | カップの３ | カップの４ |
| 獅子宮 | 棒の５ | 棒の６ | 棒の７ |
| 処女宮 | ペンタクルスの８ | ペンタクルスの９ | ペンタクルスの10 |
| 天秤宮 | 剣の２ | 剣の３ | 剣の４ |
| 天蝎宮 | カップの５ | カップの６ | カップの７ |
| 人馬宮 | 棒の８ | 棒の９ | 棒の10 |
| 磨羯宮 | ペンタクルスの２ | ペンタクルスの３ | ペンタクルスの４ |
| 宝瓶宮 | 剣の５ | 剣の６ | 剣の７ |
| 双魚宮 | カップの８ | カップの９ | カップの10 |
まだ、これだけでは終わりませんよ。これに占星学上の7つの天体を支配星として割り当てます。上の表に天体を当てはめると下の表のようになります。
| 星座宮 | 第１デーカン | 第２デーカン | 第３デーカン | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 白羊宮 | 棒の２ | 火星 | 棒の３ | 太陽 | 棒の４ | 金星 |
| 金牛宮 | ペンタクルスの５ | 水星 | ペンタクルスの６ | 月 | ペンタクルスの７ | 土星 |
| 双子宮 | 剣の８ | 木星 | 剣の９ | 火星 | 剣の10 | 太陽 |
| 巨蟹宮 | カップの２ | 金星 | カップの３ | 水星 | カップの４ | 月 |
| 獅子宮 | 棒の５ | 土星 | 棒の６ | 木星 | 棒の７ | 火星 |
| 処女宮 | ペンタクルスの８ | 太陽 | ペンタクルスの９ | 金星 | ペンタクルスの10 | 水星 |
| 天秤宮 | 剣の２ | 月 | 剣の３ | 土星 | 剣の４ | 木星 |
| 天蝎宮 | カップの５ | 火星 | カップの６ | 太陽 | カップの７ | 金星 |
| 人馬宮 | 棒の８ | 水星 | 棒の９ | 月 | 棒の10 | 土星 |
| 磨羯宮 | ペンタクルスの２ | 木星 | ペンタクルスの３ | 火星 | ペンタクルスの４ | 太陽 |
| 宝瓶宮 | 剣の５ | 金星 | 剣の６ | 水星 | 剣の７ | 月 |
| 双魚宮 | カップの８ | 土星 | カップの９ | 木星 | カップの10 | 火星 |
この表を見ると気が付くと思うのですが、天体の順番を表の列にそって縦に見てゆくと、1週間の曜日の順番と同じになりますね。つまり、
日（太陽）→月→火→水→木→金→土┐ |
という順番です。これは、太陽暦の歴史と占星学、タロットの小アルカナとが密接に関係していたことを示す証拠のひとつだと思います。
さらにホロスコープ上を太陽が通過する時期などを書き加えて表を完成させます。(日付はおよその期間です。)
| 星座宮 | 第１デーカン ( 0度〜9度 ) |
第２デーカン (10度〜19度) |
第３デーカン (20度〜29度) |
|||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 白羊宮 火とＣ |
棒の２ 3/21〜3/30 |
火星 | 棒の３ 3/31〜4/9 |
太陽 | 棒の４ 4/10〜4/19 |
金星 |
| 金牛宮 土とＦ |
ペンタクルスの５ 4/21〜4/30 |
水星 | ペンタクルスの６ 5/1〜5/10 |
月 | ペンタクルスの７ 5/11〜5/20 |
土星 |
| 双子宮 風とＭ |
剣の８ 5/21〜5/31 |
木星 | 剣の９ 6/1〜6/10 |
火星 | 剣の10 6/11〜6/21 |
太陽 |
| 巨蟹宮 水とＣ |
カップの２ 6/22〜7/1 |
金星 | カップの３ 7/2〜7/12 |
水星 | カップの４ 7/13〜7/22 |
月 |
| 獅子宮 火とＦ |
棒の５ 7/23〜8/2 |
土星 | 棒の６ 8/3〜8/12 |
木星 | 棒の７ 8/13〜8/23 |
火星 |
| 処女宮 土とＭ |
ペンタクルスの８ 8/24〜9/2 |
太陽 | ペンタクルスの９ 9/3〜9/12 |
金星 | ペンタクルスの10 9/13〜9/22 |
水星 |
| 天秤宮 風とＣ |
剣の２ 9/23〜10/3 |
月 | 剣の３ 10/4〜10/13 |
土星 | 剣の４ 10/14〜10/23 |
木星 |
| 天蝎宮 水とＦ |
カップの５ 10/24〜11/2 |
火星 | カップの６ 11/3〜11/12 |
太陽 | カップの７ 11/13〜11/22 |
金星 |
| 人馬宮 火とＭ |
棒の８ 11/23〜12/2 |
水星 | 棒の９ 12/3〜12/11 |
月 | 棒の10 12/12〜12/21 |
土星 |
| 磨羯宮 土とＣ |
ペンタクルスの２ 12/22〜12/31 |
木星 | ペンタクルスの３ 1/1〜1/10 |
火星 | ペンタクルスの４ 1/11〜1/20 |
太陽 |
| 宝瓶宮 風とＦ |
剣の５ 1/21〜1/29 |
金星 | 剣の６ 1/30〜2/8 |
水星 | 剣の７ 2/9〜2/18 |
月 |
| 双魚宮 水とＭ |
カップの８ 2/19〜2/28 |
土星 | カップの９ 3/1〜3/10 |
木星 | カップの10 3/11〜3/20 |
火星 |
この表を見れば、自分の誕生日に対応する小アルカナがどれか一目でわかります。例えば、8月31日生まれなら、処女宮の第1デーカンなので、「ペンタクルスの8」が自分のカードということになります。これには「ディスティニー カード」という名称が与えられています。
以上で占星学と小アルカナの数字カードとの対応の説明は終わりますが、これを見れば、大アルカナよりも小アルカナのほうが、かなり深く占星学と関わっていることがうかがえますね。
興味のある人はこれをヒントに自分で研究してみてください。じっくり眺めていれば、だんだん意味がわかってきますよ。
オカルトなのでわかりにくいのはしかたないと思いますが……。
