アポロのタロット占い

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Tarot FILES #58

ヘキサグラム・スプレッドの実例
CKKさんの占い結果

2005-09-21T05:42:21+09:00


CKKさん(40代女性)からのご相談です。

[質問内容]
現在専業主婦です。この先の人生で、何か生きがいになるような仕事(別に会社勤めではなくても)に出会えるでしょうか? 儲からなくても、人の役に立つような事ができたらな〜なんて漠然と考えています。
[コメント]
現在は夫と夫の両親と暮らしています。子供はいません。占いにも興味があり、本格的に勉強してみたいなとも思っています。タロットは自分も少しやります。
(追加のコメント)
何か自分の世界を広げたい。というのが1番ですが、幸せなことに経済的に自立しなければならない訳でもないので、どうせならやりたいことを本気で探してみたいのです。
以前から、いろいろな占いやリーディングをする方達に「将来、何かを教える立場になり弟子がたくさんできる」という事を言われるのですが、人様にお教えできることなど、今の私にはまったくありません(笑)。
みなさん「弟子ができる」という点は同じですが、肝心の何を教えるのかははっきりしません。一度だけ私は霊感が強いらしく(これも自覚なし)、将来はそれが開花しカリスマ占い師になり、弟子というか取り巻きがたくさん出来ると言われた事があります。
カリスマにはなりたくないですが、占いには興味があります。
タロットはカモワン・タロットを少し通信教育で勉強しました。でも自分としては「RIDER WAITE」のほうが好きです。もし、タロットリーダーとして仕事ができるようになれると嬉しいと思います。
ただ、占い師に限定せずにもっと考える間口を広く取ることも必要かもしれませんね。

タロット占いで人生の目的や生きがいなどを見るときには、まずは生年月日から割り出すカードを参考にしてみるといいでしょう。計算の仕方は以下の2つの記事をご覧ください。

まず、ゾディアックカードから見てゆきたいのですが、これはホロスコープにおける太陽の星座に対応するものです。占いに興味がおありでしたらご存知かもしれませんが、CKKさんのホロスコープ上の太陽は少し特別な位置にあります。CKKさんが生まれた日の太陽は、ちょうど金牛宮から双子宮へと移動する瞬間にあたりにあるので、生まれた時刻によって星座宮が変わってしまいます。正確にはこの日の22時を少し過ぎたころに双子宮へと移動するので、ほとんどの場合は金牛宮生まれとみなしてもいいかと思います。今回はとりあえず金牛宮生まれとみなし、それに対応するゾディアックカードは、「V 法王」としておきます。

V 法王

ゾディアックカードはCKKさんの表面的なキャラクターを表します。人前に見せる姿や演じている人格(ペルソナ)です。「V 法王」は一般的に指導者や保護者を示すとされています。また、足元にひざまずく弟子も2人見えますね。これはまさに以前からいろいろな占いやリーディングをする人たちなどから言われていた「将来、何かを教える立場になり弟子がたくさんできる」というような内容と一致しています。これは人生の目的そのものではありませんが、その目的を果たそうとするときには最も効率のいいキャラクターといえるかもしれません。

VIII 力

パーソナリティカードとソウルカードはどちらも「VIII 力」となっています。生きがいを感じる仕事が何かという問いにはこのカードがヒントになると思います。女性がライオンを手なずけるような不思議な力、いわば霊感のようなものを表していると解釈することもできますが、もう少し自由な発想でこのカードは見ておいたほうがいいでしょう。例えば、カードを見たままに「獣医」や「ブリーダー」、「トリマー」などといった、動物の世話をするような仕事と考えても良いわけです。そう考えると「V 法王」において弟子として示されたいたものは実は動物たちを意味していたとも考えられます。先にも書いたように「V 法王」は保護者でもあるのです。相手が動物であっても矛盾はどこにもありません。自分が一番やりたいと思うものを選ぶべきでしょう。

VI 恋人

今年のイヤーカードを見ると、「VI 恋人」となっています。CKKさんがもし双子宮生まれだった場合にはこのカードがゾディアックカードとなるのですが、たとえ生まれが金牛宮だとはっきりしていたとしても、直後にやってくるこのカードの影響も強く受けているはずです。ゾディアックカードとイヤーカードが一致する年は自分のキャラクターを最も自然に表現しやすい時期だと考えるといいでしょう。このカードはその名の通り人を愛することもテーマのひとつです。今の時期は人、もしくは動植物などに対して愛情を自然に注ぐことができる時期といえるかもしれません。また、去年のカードは「V 法王」だったので、その余韻もあり、今は最も自分らしく生きられる時期なのではないでしょうか。

これらのカードは一生を通して影響し続けるものなので、ここで固定的な意味を与えることはできません。今の時点でこれらのカードをご覧になって、何となく感じるままを受け止めていただければいいかと思います。

では、実際にこの先の人生についてはどうなのかということで、占ってみることにいたします。

ヘキサグラムスプレッド

今回はヘキサグラム・スプレッドで占います。左の図ような順番で7枚のカードをめくります。イメージとしては、1,2,3の上向きの三角形が顕在意識(男性原理、火など)。4,5,6の下向きの三角形が潜在意識(女性原理、水など)として見ておくとわかりやすいと思います(実際の占い結果とは関係ありません)。7枚目はスプレッド全体の象徴的なカードとなります。

I 魔術師

1枚目のカードは過去を示します。

I 魔術師」が出ています。

赤いローブをまとった魔術師が立っています。棒を持った右手を上げ、左手は地面を指差しています。テーブルが置かれ、その上には4つの道具、棒、カップ、剣、ペンタクルスが見えます。

魔術師というよりも奇術師とか手品師と呼ぶべきでしょうか。あるいは、カードに書かれている通りマジシャン (The Magician) と呼んだ方がわかりやすいかもしれません。マジシャンはタネを隠して不思議な術で人々を惑わします。そんなマジシャンのように過去のCKKさんは自分の本当の姿や能力を隠して、人々をごまかしながら生きてきたのではないでしょうか。あるいは、本当の自分をさらけ出したくてもそれができなかったのかもしれません。

カップの4

2枚目のカードは現在を示します。

カップの4」が出ています。

樹の根元に腕組みをして座る人物がいます。目の前の地面の上には3つのカップが置かれています。4つ目のカップは空中の雲の中から突き出した手が握っています。

その座っている姿や腕組みをしている様子は、物事が進展せず停滞した状況を表しています。目の前に置かれた3つのカップは人生の目標や願望などを示しているのですが、そのどれも決め手に欠け、手に取る気になれません。何かをしたいのに何をしたらいいのかわからずに迷っているようでもあります。雲の中から差し出される4つ目のカップは思いもかけないアイディアなどの暗示ですが、そのような、今までに経験したことのないような仕事が自分を変えるきっかけになるのではないかと期待する気持ちがそこに表れているのかもしれません。

棒のエース

3枚目は未来を示します。

棒のエース」が出ています。

雲の中から現れた手には1本の棒が握られています。「棒」は「火」のエレメントに対応し、エースはその根源です。活動的なエネルギーの象徴といえます。

まさにこの先、未来において花開く人生とはこのことです。過去の「I 魔術師」を思い起こしてみれば、それまで自分を偽ることで蓄積されてきた本来の活動エネルギーが、これから爆発することになります。そのため、今までは自分でさえ気づかなかった才能などに目覚める可能性もあります。

ここまでの三角形では過去・現在・未来といった時間軸を中心に見てきました。次の三角形では、空間的な視点ということになるでしょうか。

剣の7

4枚目は周囲を示します。

剣の7」が出ています。

黄昏時、5本の剣を抱えて小走りに去ってゆく人物がいます。その人物の頭は後方に向けられ、そこには2本の剣が残されています。日も沈みかけ、視界も悪くなってきています。その上、進むべき方向には視線が向けられておらず、周囲の状況は全く把握されていないといえるでしょう。

おそらく年齢的なものもあり、物事に対する視野が狭くなっていたり、固定観念や偏見が強くなっていたりして、若者のような柔軟な対応ができなくなっているということかもしれません。たくさんの剣を抱えているのは多くの技術や知識を得られることを意味しているようですが、単に欲張っていろいろと手を出しているだけにも見えます。5本では足りずに、まだ残りの2本にも未練を残しています。しかし、欲張っていろいろ手を出しても、どれも借り物にしかならず、結局何も身につかないかもしれません。

ペンタクルスのキング

5枚目は無意識的な願望を示します。

ペンタクルスのキング」が出ています。

ひざの上にペンタクルスを乗せたキングが玉座に座っています。衣装にデザインされたツタの葉は、そのまま地面に伸びて広がっているかに見えます。あるいは、周囲のツタがキングにからみついているかのようでもあります。

ペンタクルスは仕事を象徴します。また、特別な才能や、財産、強力なアイテムなどを持っていることを表しています。「経済的に自立しなければならない訳ではない」ということをそのペンタクルスが示しているのかもしれません。また、からみつくツタも自立する意思のないことを表しているように見えます。ペンタクルスは経済的に恵まれていることを示すのと同時に、特別な才能への強い憧れを示していると思われます。例えば、「霊感」や「占いの才能」のようなものが自分にあればいいなぁと思う気持ちがここに表れているのです。ただし、それはあくまで無意識の願望に過ぎず、実際に備わっている才能とは限りません。

剣の6

6枚目は必要な手段や取るべき行動を示します。

剣の6」が出ています。

小さな舟に乗る親子連れと、舟をこぐ船頭。舟の上には6本の剣が突き立てられています。水面の手前は波打ち、反対側は穏やかです。

舟に乗せられた6本の剣は、4枚目の「剣の7」で抱えていた5本の剣にさらに1本追加したものでしょうか。どうやら、4枚目のカードは「欲張り」という意味ではなく、実際に必要なものに恵まれていることを意味していたようですが、なかなかそれらは身につかずに苦労することにはなりそうです。舟に乗ってどこかへ行こうとしているのは、目的を果たす前に、まずは乗り越えなければならない試練があることを暗示しています。それが、6本の剣に表されるような知識や技術の習得ということなのでしょう。霊感のような特別な能力が突然に開花するというわけではなく、やはり人並みの地道な努力は必要なのです。そのためのエネルギーは「棒のエース」に示されていたとおり十分に蓄えられているはずです。

0 愚者

7枚目は最終結果です。

0 愚者」が出ています。

棒を肩にかついだ旅人が歩いています。旅人は崖の縁に向かって歩いています。天を仰ぎ、崖には気づいていないようにも見えます。白い犬が旅人に向かって吠えています。

肩にかついだ棒は3枚目に示された「棒のエース」で、CKKさんがその棒と供に人生の新たな旅におもむこうとしている姿を表しています。しかし、4枚目に示されたように、CKKさんはやや周囲の状況をつかむのを苦手としており、うっかりすると足を滑らして崖の下にまっさかさまに転落してしまうでしょう。「棒のエース」の勢いだけを頼みに暴走してしまうと、まさに人生を棒に振るようなことになりかねない危険もあります。上を向いて歩く前に、まずは足元をよく見て、6本の剣をかき集め、その知識や技術によって人生の地図を描くべきなのでしょう。白い犬は警告していますが、旅の中止を意味するものではありません。今こそ愚者となって、新たな自分に生まれ変わるときなのです。

以上ですべてのカードを読み終わりました。ご質問に対する答えとしては、「生きがいとなるものは見つけられる」ということになるとは思いますが、その前に、まずは「漠然とした思い」から抜け出さなければならないでしょう。そのためには6本の剣をかき集めることです。それらはそれぞれ違った分野のものかもしれないし、あるいは、すべて「タロット占い」のような1つの分野における多くの知識や技術なのかもしれません。手の届く範囲にそれらはあるはずなので、可能な限りかき集めてみるといいでしょう。霊感のような特別な能力は、仮に将来的に目覚める可能性があるとしても、今はあまり期待し過ぎないほうがいいと思います。

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