[ 第34回 ]
先日「占いがなぜ禁止されるのか」という記事の最後の方で「イヤー カード(year card)」という言葉を使いました。この言葉は過去の記事の中で既に説明済みのつもりでいたのですが、以前に説明したのは「パーソナリティ カード」、「ソウル カード」、「ゾディアック カード」の3種類だけでした。タロット占い講座では第8回の「生年月日から割り出すあなたのカード」で取り上げています。
「イヤーカード」というのは自分の誕生日と任意の年の数字を用いてパーソナリティカードと同様の計算方法で導き出すカードです。例えば7月13日生まれで2023年のイヤーカードを調べるには、
2023(年) + 7(月) + 13(日) = 2043
2 + 0 + 4 + 3 = 9
9番目のタロットカード → 「IX 隠者」
ということになります。タロット占い講座[第8回]のフォームを利用すると簡単に調べることができます。ちなみに、上記の誕生日の人物にとって「2023年度」という場合は、2023年7月13日から2024年7月12日までの1年間を指します。この人物にとっての2023年度を象徴するカードが「X 運命の輪」というわけです。
イヤーカードが有効になる期間というのは2通りの考え方があり、1つは上記の1年度の期間。もう1つは1月1日から12月31日までの1年間です。図で表すと以下のような感じになります。
1月1日から始まるイヤーカードはいわば社会的な制度上のものなので、社会との関わりにおいて影響が現れやすくなると考えます。誕生日から始まるイヤーカードは本人のライフサイクルに従うものなので、個人的な事柄に関して影響が現れやすいと考えることができます。どちらが正しいというわけではありません。カードの影響は急に現れて急に消えてゆくものではなく、じょじょに前のカードから次のカードへと切り替わってゆくものだと考えればわかりやすいでしょう。
さて、このイヤーカードは当然のことながら毎年違うカードとなるわけですが、これを生まれたときからのものを全て計算してグラフにすると「ライフタイム・イヤーカード・グラフ」が出来上がります。
歌手の中森明菜さんの生年月日(1965年7月13日生まれ)を用いてグラフのサンプルを作ってみました。下の画像をクリックすると拡大表示されます。
グラフの見方ですが、まず一番上の行の数字は西暦の年の数字です。左側の1列はタロットカードの大アルカナを順番に並べてあります。グラフの中の数字は年齢を表しています。
例えば、出生年である1965年のイヤーカードは「V 法王」となるので、その位置に数字の 0(年齢)を書き込みます。同様に毎年のイヤーカードを計算して書き込んでゆきます。
グラフが出来上がったらそのグラフの下部に主な出来事を書き込んでみます。
このイヤーカードを用いたグラフは見方によっては様々な解釈ができます。
生まれたときから現在までを見るときは、その時々の出来事とタロットカードを関連付けることで過去の反省のヒントとすることができます。
未来のカードを見るときは過去の反省を元にして、同じようなカードが出るときには同じような出来事があるかもしれないと予測したり、将来の目標を立てるためのヒントとすることもできます。
占星術のように厳密に運勢を予測するものではないので未来に何が起こるのかということを占う目的ではあまり実用的とはいえませんが、自分の人生について考えるには良いヒントとなるでしょう。
また、このグラフ上に他の3種類のカード(パーソナリティ、ソウル、ゾディアック)が現れる年は特に重要な年と考えることもできます。
ケルト十字法などの展開法を用いてタロット占いをしているときにイヤーカードが出てきたときには占い結果にその年が関係していると解釈することもできます。
グラフを見ているとある周期に気づくと思います。カードの番号が10枚連続したあとに突然別の場所に移動します。この10年周期にも注目してください。例えば、サンプルのグラフの場合、1980年に「II 女司祭長」から始まり、1989年に「XI 正義」で終わっています。そして、次の周期は「III 女帝」から始まり、「XII 吊られた男」で終わります。この10年周期の最初のカードはそれぞれの10年周期を象徴するものと考えることができます。つまり、1980年からの10年は「II 女司祭長」に象徴され、次の10年は「III 女帝」に象徴されるという具合です。この象徴カードが10年間のテーマとなっていると解釈することができます。
出来事とカードの関係は人それぞれで、あるカードの時には必ずこのような出来事が起こるというような決まりはありません。グラフを見ながら自分なりのパターンを見つけてみてください。
試しにサンプルのグラフを見ながらカードのと関連性を分析してみましょう。
4歳から14歳までの10年間はバレエ教室に通っていたそうですが、この期間は「I 魔術師」で始まる10年周期とほぼ重なります。彼女の芸能キャリアの最初の一歩と考えると、大アルカナ1番目の魔術師のカードに象徴される期間と重なるのも納得できます。
オーディション番組の「スター誕生!」で合格した年は「III 女帝」であり、翌年に歌手デビューすることになりますが、この年は「IV 皇帝」です。歌姫として王座に君臨することを予感させます。
注目すべき出来事として赤い文字で記載しましたが、1989年に自殺未遂をして活動休止しています。この年は「XI 正義」なのでカードには実際の出来事のようなネガティブな印象はないものの、彼女にとっては「バランスをとる必要があった」という意味で解釈することができます。ストレスの多い芸能活動ですから、どこかでリセットしてバランスを取らなければならかなったのでしょう。また、この年は「II 女司祭長」で始まる10年周期の最後の年です。活動を休止して節目とするにはちょうど良いタイミングだったと言えるでしょう。
その後は彼女の原点ともいえる「III 女帝」で始まる10年間を順調に過ごしますが、再び10年で調整が入り、2000年の「W 皇帝」で始まる新たな10年周期で芸能活動の基盤を整えてゆきます。
そして、また10年後の「V 法王」の年に活動休止に入ります。法王は保守的な態度を表したりしますので守りの姿勢に入っていると考えることができます。何かを期待させる「X 運命の輪」の年には一時活動を再開しますが、あまり目立つ活動がないまま現在に至っています。
「X 運命の輪」の年には何か期待できそうだと考えると、この先の2024年(59歳)にはもしかして復帰もあり得る?と期待することもできるでしょう。過去の経緯を見ると「XI 正義」も重要なカードといえます。10年周期が彼女にとって節目となっていることも今後を予測する目安になったりします。
彼女のパーソナリティカードとソウルカードは「V 法王」、ゾディアックカードは「VII 戦車」なので、そのあたりも注目すべき年となるかもしれません。過去においてはあまりそれらのカードの影響は見受けられませんでしたが、未来には何かあるかもしれません。
グラフを様々な角度から眺めているといろんなことに気づくことができます。実際の占いにはあまり使えませんが、じっくり分析する時間があればその人のいろんなことが見えてくるので、使い方によっては非常に便利です。
占星学のホロスコープには及びませんが、タロット的なホロスコープとして活用してみるのもいいでしょう。また、タロットカードと自分自身とをリンクさせ、それぞれのカードの理解を深めるのにも役立ちます。タロット占いの学習に役立つばかりではなく、精神的な成長を促す(瞑想の)手段としても活用できます。皆さんも、ぜひ一度、ご自分の年表を作って眺めてみてくださいね。
アポロのタロット占いでも必要に応じて相談者の方のライフタイムイヤーカードグラフを作成しています。主にリピートされている方のためのサービスになっていますので、グラフを作ってもらいたいという方は継続的にアポロのタロット占いをご利用いただければと思います。サブスク占いをご利用の方には優先的にグラフを作成しています。
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