タロット占い講座


[ 第35回 ]

サイコ タロット メソッド

タロット占いとは、カードをめくって占うものです。めくられたカードから得られるインスピレーションをもとに、質問内容に対する答えを導き出すものですね。カードがなければ、占うことはできないわけです。

しかし、もしカードがなかったら、どうしますか? 何か、代用できるものを探して占うことはできるかもしれません。インスピレーションを働かせるためだけなら、目に付くものなら何でも利用できます。人や動植物、身の回りの道具や本のタイトル、山や川、ビルディングやお店の看板など、どんなものでも占いに利用することはできます。実際にこれらは「ジンクス」として多くの人が無意識のうちに利用している方法です。

また、サイコロを使ったり、鉛筆を転がしたり、分厚い本をめくって出てきたページ番号を使うというのも良いアイディアです。その数字や番号を利用して、対応する番号のカードを思い出して占うという方法です。そのときの日付や時刻を計算してカードを導き出してもいいでしょう。すれ違った車のナンバーを使うというのも面白いと思います。ただし、これができるのは、全てのカードのイメージを、既に脳内にインプットできている人に限られます。

ところで、もしあなたが、脳内に全てのカードのイメージをインプットできているとしたら、そこから一歩進んで、もう少し特別な占い方ができるようになります。サイコロや鉛筆などを使ってランダムに番号を選び出すのではなく、カードを選ぶ作業自体も、全て脳内で行ってしまうのです。つまり、カードのシャッフルも脳内で行ってしまうというわけです。

はたして、そんなことができるのでしょうか?

まるでコンピュータのように、脳内に乱数表を持っていて、78枚のカードの中からランダムに1枚のカードを選べる人というのは、普通はいないでしょうね。いわゆる霊感占い師などがこの能力を持っていると思われます。しかし、それは、非常に特別な能力であって、誰にでもできるようなことではありません。実は、もっと簡単な方法があるのです。

それは、「最初に答えを見つけておいてから、それに当てはまるカードを後から選べばよい」のです。

意味、わかりますか? つまり、一番最初に書いたタロット占いのやり方とは、全く逆の発想なのです。答えを見つけるためにカードが必要なのに、最初に答えを見つけてしまったら、占う必要もないではないか、と思うでしょう。確かにその通り。なので、これは占いと呼ぶと誤解を招くことになりそうなので、「メソッド(method)」という言葉で呼ぶことにします。全てを脳内で行う、いわば心理的・精神的(psycho)なメソッドなので、「サイコ・タロット・メソッド」と命名しました。アポロの完全オリジナル用語です。

答えが出た後でカードを選んで何になるのだと、誰もが思うことでしょう。しかし、以前にも少し話しましたが、カードが現実を映し出す鏡像だという考えもあれば、その逆に、現実がカードの鏡像であるという考え方もあります。また、人間の感覚では、時間軸を過去から未来への一方通行でしか認識できませんが、実際には、全てが同時に存在しており、あるいは、未来から過去へと認識される場合もあるかもしれないという考え方もあります。答えが出た後でカードを選んだはずなのに、なぜか、そのカードは答えが出る前から選ばれていたような気がしてくることがあるでしょう。そのとき、その人の意識は時空をトリップして、いつの間にやら、最初にカードを選んだ自分の存在するパラレルワールドに迷い込むことになるでしょう。もう、そのときはカードは後から選んだものではなく、最初から選ばれたものになっています。これが、サイコ・タロット・メソッドの最大のポイントです。いわば、時空を超越する魔術とも言えるでしょう。方法は簡単なのに、実はすごいことなのです。

問題は最初に答えを見つける必要があるということかもしれませんが、明確な答えがわからなくても、脳内で1枚ずつカードを眺めているうちに、自然に、「このカードなら当てはまりそうだ」と思うカードを見つけることがあります。確実な1枚を選ぶ必要はなく、何となく、「これかな」と思うカードを1枚選んでみるのです。そこから先は通常の占いどおりカードからのインスピレーションをもとに解釈してみると、それまで曖昧だった答えが明確になってきます。このように、意識が時間軸を行ったりきたりしているうちに、物事がはっきりと見えてくるのです。最終的には、カードを使って導き出された占い結果と同じものが得られるはずです。占いではなくメソッドという呼び方はしているものの、結果的にはどちらも同じなのです。

全て脳内で行われるため、高度な集中力は必要とされるでしょう。以前も「ヨガの行者」のようだというような話をしたかもしれませんが、ヨガの冥想法を学ぶことで、このメソッドの真髄をつかむことができるかもしれません。

実を言うと、私がこの世界を離れて冥界にいた3年間は、1度もタロットカードを手にすることができなかったのです。どうにかしてタロット占いをしたい。しかし、どこにもタロットカードはない・・・。ところが、自分の脳内に78枚全てのイメージが完璧にインプットされていたことを思い出した瞬間、このすばらしいメソッドをひらめいたというわけです。このメソッドは、そのような極限的な状況の中で生み出されたものです。

実物のタロットカードを手にした今でも、このメソッドは私のタロット占いの核となっています。占いよりもセラピーやセルフカウンセリングに近いものなのかもしれません。どのような応用ができるのか、可能性は未知数ですが、何らかのヒントになればと思い公開することにいたしました。

サイコ・タロット」の表記についてですが、以前は1つの単語として「サイコタロット(psychotarot)」としていたのですが、日本語だと意味が分かりにくくなってしまうので、間に「・」を入れてみました。

あくまで表記上は「サイコ・タロット・メソッド」としておきますが、意味的には「サイコタロット・メソッド(psychotarot method)」の方がふさわしいと思っています。


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