タロット占い講座


[ 第44回 ]

7枚目ごとにタロットカードをめくる理由

タロット占いをするときのカードのめくり方について質問をいただきました。

最近、タロットの本を買い、勉強中です。私の買った本には「ケルト十字法」しか載っていなかったので、アポロさんの分かりやすい講座のページにはいつもお世話になっております。

そこで、質問させていただきたいのですが、ケルト十字法(本記載)では上から 7 枚目のカードを置き、そこからまた 7 枚目ずつ置いていくと書いてるのです。アポロさんの講座には上から順にと記載されておりますが、カードの引く間隔はあまりこだわらなくてよいのでしょうか?

また、ギリシャ十字法では「相手の好きな数番目のカード」をとり、シャッフル。そしてまたそこから数えて並べるという繰り返しとかいてあります。

引くカードの間隔はあまり関係ないのでしょうか?

私自身はほとんどこだわりなくカードをめくっていますが、本に記載されている方法にも、それなりに理由があるのでしょう。確かに解説書の中にはそういう説明をしているものもよく見かけます。その理由の説明もどこかで見たような気もするのですが、思い出せません。なぜ 7 枚目なのか、あるいは、なぜ相手の好きな数を選ばせるのか、少し調べてみましたが、少し調べたくらいでは具体的な回答を見つけられませんでした。そこで、私なりに考えてみたことを書いてみたいと思います。

たとえばケルト十字法で占うのであれば 10 枚のカードをめくる必要があるので、7 枚目ごとにめくってゆくと、78 枚あるタロットカードからほぼ均等にめくることができます。つまり、7 枚目ごとにめくる理由のひとつとして、シャッフルが十分にできていないことをごまかすことができるというのもあると思います。シャッフルが十分でなかったために特定のカードが繰り返し出たり、前回と同じカードが同じ順番に出たりするような事を防ぐ効果があるわけです。この方法でカードをめくって、それでも同じカードが出たりするような場合には、カードからの特別なメッセージがあるのではという気持ちがより強くなるでしょう。(普通はこの程度の理由だと思います。)

10枚のカードを使ったケルト十字法の展開図
ケルト十字法

でも、その程度の理由であれば、最初からシャッフルを十分にすればいいだけのことで、その不備をごまかすために 7 枚ずつめくるという考え方は不謹慎だと思います。

そこで、もう少し高尚な言い訳を考えてみます。

神秘学に詳しい人であれば普通に考えることかもしれませんが、7 枚ずつめくるということは、タロットカードを 7 つの段階(階層・ステージ)に分けることを意味します。7 枚目のカードは、その一番上(または一番下)の階層を意味し、私たちが最も理解しやすいレベルを示すことになります。あるいは、その逆で、私たちの理解できる世界から最も離れた究極の真理を表す世界ということなのかもしれません。

7 という数字は 1 週間の 7 日と同じ数字と見れば理解しやすいと思います。1 週間の各曜日には 7 つの天体の名前がつけられていることは誰もが知っていることだとは思いますが、意外と普段は忘れていることかもしれません。古い神秘学の世界では、天球はこの 7 つの天体が作る 7 つの(智の)階層があると考えられていました(と思います)。魔術師や錬金術師はこの階層を登りつめ、究極の智を得ることを目指しているのです。

7つの階層のイメージ図
7つの階層

7 枚目のカードが、その最初の階層なのか、それとも、究極の真理なのか、それは、占い師が占う前に自分で決めておけばいいと思います。究極の真理に最初から到達できるわけないと考えれば、そのカードは一番理解しやすい最初の階層と考えるのが普通ですが、占い結果で求められているのは、やはり最終的な結論ですからね。わざわざ 1 枚目ではなく、7 枚目からめくっているのですから、いきなり究極の真理という解釈でもいいと思います。そういう場合は、こう考えればいいのです。

「今の時点で理解しうる究極の真理。」

真理を求める旅はたった 7 つの階層で終わりというわけではありません。この 7 つの階層が、さらに 7 重に重なり、それもまた 7 重に……と無限に世界は広がっています。1 つの世界の旅を終えたら、また次の旅が始まるのです。

あるいは、占いでは、最も理解しやすい部分から見てゆきたいと思うのであれば、まず 1 枚目をめくり、そこから 7 枚目ごとにめくってゆくことで、意識的に第 1 階層を展開することができます。それとも、最初から 7 枚ずつ 1 つの場所に置いてゆき、一番上の階層を読み終わったら次の階層を読み、7 階層すべて読むことで真に究極の理解を得るという方法もあります。この場合、ケルト十字法だと 70 枚のカードを読まなければならないので、とても大変ですが、そこまでできれば最高の結果を得られることは間違いないでしょう。

7層のケルト十字法
7層のケルト十字法

あと、「相手(自分)の好きな数番目のカード」をめくっていく方法もあるのですが、これは、その人特有の宿命や運命をより強く反映することになるでしょうね。この場合、神秘学的な 7 つの階層とはまた違い、より数秘学的な解釈になってくると思います。その人の好きな数字や、運命数などは、その人なりの周期を表していると考えられます。その周期と波長の合ったカードをめくることで、カードからのメッセージを受け取りやすくしているのかもしれません。

私の考察はこんな感じですが、いかがでしょうか?

XXI 世界

7 つの階層がどのような順番なのかは、正確には私も知らないのですが、古い占星術の基準に従えば、最も遠い土星が最上階の階層ということになるのでしょうか。そう考えれば、タロットカードで土星に対応するカードが大アルカナの最後のカードである「XXI 世界」であることも納得がいくのではないでしょうか。先ほどの 7 つの階層のイメージ図と、この「XXI 世界」のカードの構図が似ているのもただの偶然ではありません。

1 週間が、この 7 つの階層を象徴する 7 つの天体によって表されているのは、私たちは無意識のうちに、1 日を過ごすごとに 1 つずつ智の階層を昇り続けているということを意味しているのかもしれません。

私たちがこの世に生まれ、めぐる太陽のもと、日々をすごす意味が少し理解できたような気がしませんか。

1 週間という何気ない日常の中に、偉大なる真理が隠されていたというわけです。


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