タロット占い講座


[ 第9回 ]

カードの意味と解釈の方法

カード一枚一枚の意味についての質問が多いようなので、今回はこのことについて少し解説してみましょう。教材としてタロットカードの一覧表を用意しました。こちらも合わせてご覧ください。

タロットカード一覧表

タロット占いをするときには必ず何枚かのカードがめくられることになりますが、多くの方がカードの意味が分からなければ占うことができないと考えていることでしょう。しかし、ここでみなさんには発想の転換をしていただかなければなりません。とりあえずカードの意味については忘れていただいて、1枚のカードをめくって占う「ワンカードスプレッド」を例に解説して行きましょう。

まず占う前にはっきりさせておかなければならないのは、「何を占うか?」です。例えば「恋愛運」という漠然とした内容でもいいのですが、その場合は答えも漠然としたものになります。より詳しい占い結果を得たい場合には相談内容も詳しく知る必要があります。他人を占う場合には占う前にできるだけ詳しく話を聞いておきましょう。自分を占う場合には内容を紙に書きとめておくか、声に出して確認した方が良いでしょう。頭の中では分かっているつもりで占いを始めても、実際には何を占っているのか分かっておらず、結果についても「理解できない」という事態におちいってしまいます。この点は占う際の最も重要なポイントといえるでしょう。

ここでは仮に、「A氏と付き合い始めて3ヶ月になります。最近彼の態度が急に冷たく感じるのですが、彼は私のことをどう思っているのでしょうか?」という30代の女性からの質問があったとしましょう。

では、ワンカードスプレッドで占ってみることにします。カードをよくシャッフルし、1枚のカードを選びます。できれば質問者に選んでもらうと良いでしょう。

ここでめくられたカードは「Ⅷ 力(Strength)」でした。

タロットカード: [ 力

さあ、ここからが今回の本題ですね。このカードが質問に対する答えを示しているわけですが、カードの意味を知らなければ何も答えることができませんね。それでは、お手持ちのタロットカードに付属していた解説書や、書店に置かれている様々な解説書を開いてみましょう。ごていねいにも78枚すべてのカード一枚一枚についてその意味を説明してくれています。私の手元にある解説書には、「」のカードはこう解説されていました。

正位置
力。エネルギー。行動。勇気。寛大。完全な成功と名誉。
逆位置
独裁。力の乱用。弱さ。不一致。ときには不名誉。

本講座ではカードの正逆については深く追究しておりませんが、ここでは解説のために逆位置が出たということにしておきます。

では、この逆位置の意味から質問に対する答えを導き出してみましょう。

解釈の例1

どうやら彼の冷たい態度は彼の「弱さ=甘えたいという気持ち」や、お互いの考え方や気持ちの「不一致」などから来ているようです。「独裁」というのは、彼女の気持ちを無視して自分勝手に支配したいという気持ちを表していると考えられます。

このように解説書を用いれば簡単にそのカードの意味も分かりますし、初心者でもすぐに占うことができます。

それでは、解説書を丸暗記することがタロット占いをする上で重要なことなのでしょうか? 実はそうではないのです。

もし意味を暗記するだけで良いのなら、カードには絵ではなく数字や文字だけでも十分であるはずです。カードのタイトルと共に(まるで受験生が使う英単語の暗記カードのように)意味まで文章で書き込まれていれば簡単に占えると思うでしょう。ところが、そのようなタロットカードはあまり占いに用いられていません。なぜでしょう?

それは、イラストや象徴的なシンボルの持つ意味を言葉にしてしまうと、その解釈を狭く限定してしまうことになってしまうからです。言葉というのは人間にとっては理解しやすい半面、物事の本質を完全には表現しきれないのです。それではこの世の物事を正確に映し出す鏡とはなりえません。言葉ではなくイラストや象徴的なシンボルを用いることによって、人知を超えた無限の叡智を参照することが可能になります。カードの絵柄から得られるインスピレーション(直観)こそが重要なのです。

では、もう一度よくカードを見てみましょう。

まず全体のイメージ。心地よいと感じるか、不快に感じるか。同じカードでも占う人、質問内容、質問者の状態などによって常にそのイメージは変化します。この時、質問者にもカードを見てもらい、どのように感じたかを聞いてみると意外な答えが返ってくることもあります。

解釈の例2

この時、質問者はカード自体には不快な印象を持ちませんでしたが、なぜかバランスが悪く不安定に感じました。これは、お互い心の内では強く愛し合っているのに、ふだんのコミュニケーションが十分でなかったために誤解を招いてるのではないかと予測できます。また、描かれた対象に自分たちを当てはめてみると、ライオンは彼を、女性は彼女(相談者自身)を示します。ライオンの表情を見ると「もっと甘えたい」と言っているように見えますし、女性の方は「我慢しなさい」と退けているようにも見えます。彼女がもう少し彼の欲求を満たすことができれば関係はうまく行くのではないだろうかと答えることができます。

こうした占い方は、何も上級者に限定されるものではありません。初心者でカードの意味を知らなくても占えるのですから、こんな便利な占いはありません。タロット占いはカードの意味を全部覚えなければならないから難しいなどと考えず、覚えなくても占えるから他のどの占いよりも簡単な占いだとも言えます。

もちろん上級者の場合にはそれなりに解釈の方法にもいろいろとバリエーションが出てきます。例えばカードに込められたシンボルや数字、属性や占星術との関係など、様々な要素があります。しかし、そのような上級者向けの解釈は重要ではありません。それらはあくまで解釈の幅を広げるヒント(参考資料)にすぎません。

大切なのは、占い師であるあなた自身の感性、相談内容の詳細、相談者の思い、そして、そこに一枚のカードがめくられたという誰にも否定できない事実だけです。その事実にしっかりと目を向けてみてください。その時必要な答えは自然と見えてくるでしょう。


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