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北原こどもクリニック  



しろくま 不定期日記


2002年:<10/11月>  <12/1月>
2003年:<2/3月>  <4/5月> <6/7月> <8/9/10月><11/12月>
2004年:<1/2/3+4月><4月続き+5、6月>   


<最新の日記へもどる>

●「不定期日記」●

 文章は、テンポとリズムだ              2004/09/28

●ぼくがほぼ毎日見に行くサイトで、最近注目すべき発言が相次いだ。

安田ママ「フォーマルハウト・ダイアリー」「9月25日」の日記。しみじみ、いいこと言うなぁ。

糸井重里さんは、禁煙を始めてまる一年が経つのだけれど、糸井さんがなぜ禁煙しようと思い立ったか?が、「おもしろ魂。」 最終回に載っていて、ずいぶんと考えさせられた。もっと「ちゃらんぽらん」な人かと思っていたが、けっこう真面目にいろいろと考えていたんだね。

さとなおさんは、自らのダイエット作戦成功物語の連載を始めたし……


■最近読んでいる本について■

『ま・く・ら』柳家小三治(講談社文庫)。面白い!『もひとつ ま・く・ら』もある。
『診察室にきた赤ずきん』大平健(新潮文庫)。この単行本をずっと探していたんだ。
『こんな音楽があったんだ!』みつとみ俊郎(清流出版)この人のジャンルにこだわらない音楽との付き合い方には共感できるな。好みは微妙に違うけどね。

『全身落語家読本』立川志らく(新潮選書)。p248に、私は「堀の内」とこの「化物使い」こそ志ん朝の十八番だと思っている。と書いてあるのを発見できて、すっごくうれしかった。

『作曲家の発想術』青島広志(講談社現代新書)。最近読んでいる(現在進行形)本の中では、この本がピカイチ面白い! この人、ぜんぜん知らなかったのだけれど、文章うまいね。まぁ、岩城宏之とか團伊玖磨とか、音楽家で文章が巧い人は多いけれど。結局は文章って、リズムとテンポなんだよなぁ。読んでいて気持いい文章であるかいなか。そういう感覚って、落語家や音楽家の得意分野だもんな、うまいワケさ(^^;)

 高遠の灯籠まつり                   2004/09/26

●ぼくが使っているパソコンが次々と壊れてしまい難渋している。診察室に設置してある NECのデスクトップPCは、システムがイカレてしまい、ネットのブラウズはできるのだけれど、キーボードが使えなくなってしまった。CD-ROM も前から認識しなくなっていたので、システムを再インストールすることもできない。HP管理に使っている Macintosh PowerBook G4 は、蓋の部分(液晶モニター)と本体をつなぐ「ちょうつがい」が、金属疲労によるためか、先日「パキン」と折れてしまった。最初は左側だけだったが、数日後には右側も折れた。

「ひぇ〜っ!」ですよ、ほんとに。で、この文章は、妻と息子たちがメインで使っている「iMac DV」を、間借りして打っているのだけれど、しばらくは更新作業もままならないかもしれない。ごめんなさいね(^^;)

●9月23日は、高遠の秋祭りだった。「灯籠まつり」といって、夜になると各町内では提灯に灯をともし竹につるす。こんな感じですね。



その通りを「高遠囃子」の連が、三味線や太鼓に笛を鳴らしながら何組か練り歩くのだ。哀愁をおびたその曲調は、富山の「おわら風の盆」を想わせる。これが何とも情緒にあふれているのだな。



昼間は「こどもみこし」が町内を練り歩いた。でも、少子老齢化が進む高遠町には子供がいないのね。しかたないから、かつては高遠町民だった僕らが助っ人として呼ばれて、伊那市民・南箕輪村村民・箕輪町町民であるその子供たちが「こどもみこし」の担い手となっているワケです(^^;)



夕食は、「竹松旅館」へ出向いて「松茸づくし」です。土瓶蒸しに焼きマツタケ、すき焼きにマツタケのフライ。締めはもちろんマツタケごはん。いやぁ、今年はマツタケが豊作とはいえ、松茸で満腹になるのは贅沢すぎるよなぁ(^^;) ごめんなさいねぇ。

 リゾナーレ小渕沢に、すごくセンスのいい「本屋さん」ができた  2004/09/20

●この連休は小渕沢へ行ってきた。久しぶりにリゾナーレのプールに行ったら、ずいぶん変わっていてビックリしてしまった。3年前、マイカルから星野リゾートに経営母体が変わってから、このリゾナーレを訪れるのはたぶん初めて。イタリアの建築家マリオ・ベリーニが、中世イタリアの城塞都市をイメージしたというレジデンス棟の回廊は、1階のレジデンス客室が店舗スペースに改装されて新たに「ピーマン通り」と名付けられた。輸入雑貨、ベーカリー、ギャラリー、紅茶専門店など16店舗が軒を連ね、通りには露店も出て、秋の穏やかな日差しのもと、家族連れやカップルがのんびりとくつろいでいた。

●ホテル棟の1階(実際は2F)では、以前はゲームとカラオケ・コーナーだったスペースが一変して、この8月から「ブックス & カフェ」というお洒落な本屋さんになっていた。これがもうビックリなハイセンス! リゾートホテル内に「書店」というコンセプト自体が驚きだけれど、本棚は店の奥一面を天井まで占める一つの棚だけで、インテリア風に贅沢にスペースを使って書籍がレイアウトされていた。

本の棚揃えの基本コンセプトは「ヴィレッジ・バンガード」と同じで、テーマごとに関連した本を工夫して展示してあるのだが、あのごちゃごちゃ感を取り払って、余分なものを一切排除したスッキリした棚なんだ。だから、本の数も少ない。最近の都会の本屋さんは品数が多すぎて何だかめまいがするでしょ。でも、ここなら「ねぇ、ぼくを手にとって見てよ!」という、本たちが発する信号を確実にキャッチできるのだ。しかも、夜10時まで開いているという。凄いな。

ぼくはここで、以前からずっと探していた本をいくつも見つけて買うことができた。

『こうちゃん』須賀敦子・文、酒井駒子・絵(河出書房新社)
『活字の海に寝ころんで』椎名誠(岩波新書)
『死んだらいけない』石川文洋 / 写真・文(日本経済新聞社)
『コールマン・ナチュラル・スタイル II』(銀河出版)

●この選書、このレイアウト。このセンスのよさはタダモノではないぞ! ぼくは感動してレジのおねえさんに訊いてみた。「いったい何処の書店が、ここをプロデュースしたんですか?」そしたら、意外な答えが返ってきた。「いいえ、外注ではありません。われわれホテルの担当スタッフが、自分たちで選書して棚に並べているのです」と。「お〜ぉ!」これにはさらにビックリ。

本当に本が好きなスタッフがそろっているんだね。だって、絵本の棚で表紙を見せてレイアウトされていた絵本は、ガブリエル・バンサンの『あの夏』だよ。渋いなぁ。レジ側の棚には、スイス「ネフ社」の木製パズルが並べられ、テーブルにはドイツやギリシャ製のおもちゃや小物が置かれている。本は買わなくても、コーヒーを飲みながら本を手にとって、ゆっくりとページをめくることもできる。あぁ、なんて贅沢な空間なんだろう。



 ニフティ入会10周年のメールがきた!             2004/09/15

●今日9月15日は、2年前まで「敬老の日」で休日だったのだが、ハッピー・マンデー構想とやらで15日は休みではなくなってしまった。ところが、当院の自動電話予約専用パソコンのカレンダーは、休日のままの設定だったのだ。毎朝午前7時から電話受付を開始する設定になっているのだが、電話をすると、今朝は「本日は休診日です」とアナウンスしていたのだ。「今日はお休みなんですか?」という患者さんからの電話で、午前8時前にようやく異常事態に気付き、パソコン設定を「本日診療あり」に戻したのだが、その後は何故か予約電話がほとんど入らず、直接来院した患者さんを8人だけ診て、午前の診療が終わってしまった。

水曜日は、もともと「午後休診」なので、本日の診察は「8人のみ」。これは開院以来の最低記録デス(^^;) みなさまにはご迷惑をおかけして、ほんと申し訳ありませんでした。ハッピー・マンデーは去年から始まったのだけれど、昨年は何故問題が起きなかったかというと、新たに9月の第3月曜日が「敬老の日」と定められたのだが、昨年はそれがたまたま15日だったのです。いやはや。

■それから、今日ニフティからメールが届いた。こんなメールだ。

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9月15日
北原 文徳様

アット・ニフティを10年間ご利用いただきまして
誠にありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

From アット・ニフティ スタッフ一同
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9月15日は北原 文徳様がアット・ニフティにご入会されてから、
ちょうど10周年目にあたります。

日頃のご愛顧に感謝し、スタッフ一同、心よりお礼を申し上げます。
いやぁ、ビックリした。そうか、ぼくのネット生活も10周年なんだ。なんか感慨深いなぁ(^^;)
当時は「パソコン通信」と呼ばれていて、ニフティサーブに入会すると、中村明さんからウェルカム・メールが届いたんだ。確か、入会1周年の日にも、中村明さんからメールが来た。もうずいぶん前に富士通を引退した中村さんの名前は、入会10周年のアニバーサリー・メールにはなかった。当時の通信速度はどれくらいだったっけ。10年ひとむかしとは、よく言ったものだなぁ。

 運動会は、いつから土曜日開催に決まったのか?           2004/09/13

●先週の土曜日は、伊那東小学校の運動会。娘さんがそれぞれ東小に通う、当院の看護師さんの三澤さんと牧田さんはお休みです。ぼくの家だって、長男が東小の2年生なんだけど、休みにはできません。去年はね、同じ土曜日なのにすっごくヒマだったので、それでもよかったんだ。妻から刻々とメールが入り、1年生の「かけっこ」が始まる前に、診察室を抜け出して自転車で一走り。当院から東小まで、直線で 250m ぐらいしかないので、3分で到着です。無事、息子がトラックを力走する場面に間に合いました(^^;)

ところが、今年は患者さんが途切れなくて、午前中は診察室を離れることはできなかったのです。ごめんな。でも、息子は悪びれることなく「いいよ、お仕事だから、しょうがないよ」そう言いました。でもな、なんかな、しっくりこないんだな。土曜日も働いているお父さんは、世の中にいっぱいいるはずだ。でも、息子の運動会となれば、職場は同僚に任せて学校のグランドに駆けつけるのだろう。しかし、ぼくは休みにしなかった。いや、できなかった。ぼくの代わりに診察してくれる人はいないからだ。

次男の幼稚園の運動会が、10月9日の土曜日に開かれる。今年が幼稚園最後の運動会だ。次男は言った「えぇっ! おとうさん、見に来てくれないのぉ!」。だから、まだ悩んでいる。臨時休診にしちゃおうか、でも、そうすると3連休になっちゃうので、患者さんは困るだろうなぁ。う〜む、どうすればいいんだ。

 もういいかげん「ウンチ」はやめよう                2004/09/10

パパ's 絵本プロジェクト田中尚人さんが作る、絶品のチキンカレー・レシピ が、アップされました。我が家ではさっそくプリントアウトしたのですが、まだ食卓には上りません。いま、ちょっと忙しいからねぇ(^^;;;

■カレーのはなしの後に、「うんこ」の話題を展開するのは悪趣味かもしれないけれど、ちょっと我慢してね(^^;) その田中尚人さんが、信濃毎日新聞に「月イチ」の水曜日に連載している「パパと楽しむ絵本の時間」の最新版(2004/09/08)掲載は、ウンコの絵本の特集だ。今回しみじみ、彼はエライ! と感じましたよ。何故って「うんち」ではなく、ちゃんと「ウンコ」と表記していたからです。

これは「子ども」表記と関連する話題かもしれないけれど、もう、いいかげん「うんち」と記載するのを止めませんか?

うんちは、赤ちゃん言葉であって、正しい日本語ではありません。「うんこ」が、正しい日本語です。「雲古」という漢字もちゃんと用意されているのですから。

ウンコに関して、正しく学ぶためには『ウンコに学べ!』有田正光・石村多門著(ちくま新書)を、ぜひ読んでみてください。目からウロコが落ちること、請け合いデス(^^)

●『人形の旅立ち』長谷川摂子(福音館)読了。とても面白かった。感想は次回。

 蕎麦の花と虹                           2004/09/07

●今朝、蕎麦の畑の向こうに、大きな虹がかかりました



 蕎麦の花が満開です                        2004/09/06

●昨夜半の地震は怖かったです。三重県松阪市は「震度5」とでていましたが、飯高町のみなさまは大丈夫でしたでしょうか? 浅間山も噴火するし、しばらくは心配な日々が続きます。

飯高町といえば、先日の講演を聴きに来てくださった方々のアンケート結果のまとめを、わざわざ送ってくださいました。概ね好評だったみたいで、ホッと胸をなで下ろしているところですが、でも、こうしてちゃんと演者にフィードバックしていただけると、ほんと有り難いです。こういうことって、じつは大事なことですよね。ありがとうございました。

■クリニックの駐車場西側の田んぼは、休耕田になっているのですが、今年は夏前にソバが蒔かれて、いま、ちょうど白い花が満開です。隣の田の、黄色い稲穂とコントラストになって、なかなか見事です。







 忙しい日々は、まだまだ続く                    2004/09/02

●月初めのレセプト(診療報酬請求書)見直し作業に加えて、中山印刷から帰ってきた『上伊那医師会報8月号』初校の校正。それから、明日の昼休みに「いなっせ」で話すことになっている「アトピー性皮膚炎」の勉強と、今夜はまだまだ眠れそうにない。

■最近、不思議なローカル・ネタ Blogを見つけた。「Dailylife Special」だ。このブログを運営している「yeno」氏は、どうも最近、関西方面から伊那市に引っ越してきたらしい。自転車が趣味で、雨さえ降らなければ自転車通勤の毎日(らしい)。「Noodle」が、なかなかに充実している。伊那に引っ越して来て早々に「みしま」を訪問しているのは偉い! しばらくは要注目。

『奇術師』 クリストファー・プリースト(ハヤカワ文庫)の翻訳者、古沢嘉通氏のサイトで、『魔法』の訳者あとがきを発見。『魔法』文庫化してくれないかなぁ、>早川書房さん。

『人形の旅立ち』長谷川摂子(福音館)を読み始める。挿画はなんと!あの『冥途』の金井田英津子さんではないですか!

 三重県の飯高町で、絵本のはなしをしてきました            2004/08/30

●28日(土)は、18時から松本で次男の空手審査会。頑張ったごほうびに焼肉が食べたいというので、帰りに牛角に寄って家に着いたら、もう夜10時半すぎ。翌朝は早起きして7時発名古屋行きの中央道高速バスに乗って三重県へ向かいました。

29日(日)は、三重県飯高町の社会福祉協議会から「地域で子育て講演会」の講師依頼を受けて出かけてきたのです。しかもなんと!「絵本の話をしてほしい」という依頼だったのです。ぼくはビックリしました。「え? ほんとに絵本のはなしだけしていいんですか?」思わず何度も聞き返してしまいましたよ。だって、そういう講演依頼は今まで一度も受けたことがなかったからです。しかも、まったく見ず知らずの他県の町から。うれしかったです。ほんとに(^^)

■この Macintosh PowerBook G4 にエプソンのプロジェクター、それに絵本をいっぱい詰め込んだバッグはズシリと肩に重かったですが、行ってよかったな。台風接近の雨の中にも関わらず、60人近くもの方々がわざわざ聴きに来てくださいましたよ。ご期待にそえるような話はできなかったけれど、みなさん最後まで熱心に聞いてくれて、感謝感謝です。帰りには、お土産まで頂戴してしまいました。保健師の水谷さんほか皆さま、ほんとうにどうもありがとうございました。

 落語のはなし & 外来小児科学会 in 大分              2004/08/25

●ずいぶん前から、土曜日夕方5時に「FM長野」で流れている「SUNTORY SATURDAY WAITING BAR」は、なかなかお洒落なトーク番組で時々聴いているのだが、ここのウェブサイトも資料として充実している。2000年4月15日の特集は「落語」。ここで、注目すべき発言を見つけた。最後に収録されている橘屋円蔵さんの話だ。

落語というのは描写じゃない。本質は絵。「大川端に屋形が通って…」そう言ってる時に、自分の頭の中にその絵が浮かんでいることが重要。その絵を、どんどんめくっていく。それを聞いた客が、絵をどう想像しても構わない。絵を提示しているので、肝心な部分は違わないから。

そして、文楽師匠の噺は、その絵がもの凄く細かかった。その細かさは、聞いていて震えがきたものだった。
そして落語は、体調が良くないとダメ。体調が悪いと絵がグラついてしまうし、次の絵が出てこない。
遠野の語り部が昔話を語る時も、頭の中に絵を思い浮かべながら語る、という話を聞いたことがある。ストーリーテリング落語も、本質的なところで「いっしょ」だったんだね。

■土日で九州の大分へ行ってきた。外来小児科学会は、開業小児科医が中心となったまだ若い学会で、すごいパワーにあふれている。その発足に関わったのは、四国・九州・山口の開業医たち。いわば「小児科界の幕末〜明治維新」 みたいなもんです。ほんとうに、凄い開業小児科医が ベテランから若手まで群居してるのです、九州・四国・山口には。今回も、刺激をいっぱい受けてエネルギーを充電してもらって帰ってまいりました(^^)

●帰りに、飯田の矢野先生といっしょに別府へ立ち寄って、温泉に入ってきた。スギノイパレスの「棚湯」だ。ここの露天風呂は別府市の高台にあるので、とにかく眺めが絶景! こっちからよく見えるということは、向こうからも見えているというわけだが、男湯だからね、別に気にはならないが、女湯は大丈夫なんだろうか?。広さだけで言えば、草津温泉の「大滝の湯」の露天風呂のほうが大きいかもしれない。でも、「棚湯」の勝ちだね。個人的「絶景の露天風呂」ベスト1は「馬曲温泉」で、2番目が「万座プリンス露天風呂」。さて、「棚湯」は何番目にしようか?

 なんだかしばらく、ずっと忙しいぞ                  2004/08/20

●夜更かしで、寝不足の日々が続きますが、そんな方には、こちらのサイト「昨夜。オレは観た!」が楽しいデス。おすすめ。

●ところで、工藤直子さんて、あの漫画家、松本大洋のおかあさんなんだってね。ぜんぜん知らんかった。この二人でコラボレートしてできた本が『こどものころに みた空は』(理論社)で、さっそく購入することに決めました(^^)

●明日は午前4時起きして、空路大分へ向かいます。外来小児科学会があるのです。 学会ワークショップの準備もなんとか間に合いました。でも、「上伊那医師会報8月号」の編集担当がぼくの番で、集まった原稿を割り付けして、レイアウトを決めて中山印刷へ提出する締め切りが、8月25日。「夏期特集号」なのに、原稿の集まりが悪く、編集作業はまだまったくの手つかず状態(^^;; いったいどうすればいいんだ! 

8月29日(日)には、三重県の飯高町で講演を頼まれていて、その準備もある。9月1日からは、准看護学院の講義が毎週あるし、長野県小児科医会報に出す原稿の締切も、とうに過ぎている。3日(金)の昼休みは「いなっせ」でアトピーの話をして、10日(金)には小鳩園でおかあさん方におはなししなければならない。ぼくは、同時に複数の仕事を平行してこなすことができない不器用な人間なので、一つずつ怒濤の勢いで片づけていくほかない。ま、なんとかなるでしょう(^^;;

 『工藤直子詩集』を読んでいます                   2004/08/18

●お盆休み中は『ワイルド・ソウル』垣根涼介(幻冬社)の後半を読む予定でしたが、物語に入り込んじゃうと、家族のことをすっかり忘れてしまうので、やめにしました(^^;) その代わりに手にしたのが『工藤直子詩集』(ハルキ文庫)\680。 これ、いいなぁ。詩だからといって、へんに力んでいない。詩人のフットワークが、じつに軽やかだ。えぇっ! こんなのあり? といった言葉のオンパレード。読みながら、思わず笑っちゃう(^^)

有名な『のはらうた』だけじゃないんだね、工藤さん。「あいたくて」「いのち」「めがさめた」「でんぐりがえり」「ゴリラ日記」「なくなよなあ」「身の上ばなし」などなど、軽くていて、でも妙に深いんだ。

中でも、ズシリとぼくのココロに響いたのは「こどものころに みた空は」だ。この詩はいいな、ほんとにいいな(^^)

 堀内誠一さんは、やっぱ天才だな                   2004/08/12

●この間の日曜日に、『堀内誠一 絵本原画展』を見に、八ヶ岳小さな絵本美術館へ行って来た。例によって中央道を諏訪南インターで下り「山の幸」に寄って、山の幸定食(昔も今も \1,000)で昼食。これ、コストパフォーマンス高し!

『ぐるんぱのようちえん』『こすずめのぼうけん』他の原画を見る。すばらしい! 絵筆のタッチが、勢いでささっと簡単に描かれているようで、じつは入念に計算されたデザイン・画面構成・色彩の配置がなされている。『こすずめのぼうけん』なんかは、絵本ではわからないが、原画だとじつに繊細な筆使いで、ビックリしてしまった。

堀内誠一さんがいなければ、長新太さんも、スズキコージさんも、飯野和好さんも、絵本作家にはなっていなかった。彼らはみな、堀内さんに発見され、彼の紹介で絵本を描くようになったのだ。
それにしても、もう少し長生きしてほしかったな、堀内誠一さん。

●帰りに、「TEAM7」の原村ショールームへ立ち寄る。社長のオーストリア人、マテー氏が来ていて、少し話す。彼は、住宅地の高圧送電線による電磁波と電流の人体への悪影響に関して「日本人はどうしてもっと問題にしないのか? 専門家チームを作って本格的に調査するべきだ」と怒っていた。たしかに、このことは重要な問題だ。何とかしなければならない。

■明日13日から16日までは、お盆休みです。すみませんが、HPの更新作業もお休みします。

 自分の「たいしたことなさ」を、知っているということ         2004/08/10

●こうして好き勝手知ったような顔していろいろ書いているけれど、ときどき自分の身分相応を忘れて、偉そうなこと言っている自分に気付いて、ドキッとすることがよくある。まだまだ奥が深くてよく分からない「絵本」の世界を、まるで評論家気取りで講釈を述べたりしてもいいのか? 寄席に一度も行ったこともないくせに、生意気に落語なんて語って、ほんとにいいのか? って。

「ほぼ日刊イトイ新聞」今週の「ダーリンコラム」 に面白いことが書いてある。

■ちょっと前に、www. さとなお. com の連載コラム、「オサニチ的胸にチクチクくる言葉(その16)」を読んでいたので、余計に考えさせられた。自分のダメさ加減を知って「どうせ俺なんて、その程度さ。ま、いっか…」と妥協してしまう人と、巨人軍の村田捕手みたいに頑張れる人。

人間て、しみじみ不思議だな。


 『電車男』を読む                          2004/08/06

●あれだけ個人的にも盛り上がった『冬ソナ』ですが、地上波放送よりも一足お先に最終回まで見終わったら、何だか安心してしまった。妻は、まだ深い余韻にひたっているみたいですが、男は新たなる獲物をもとめないと生きていけない生き物なのだ(^^;)

という訳で、5月くらいから各地で話題の『電車男』 を、最近ようやく読み始めた。うっ、たしかに面白い!! あの大森望氏が『小説すばる 8月号』で絶賛するのもよくわかる。

たまにしか見にゆかない、あの魔の巣窟「2ちゃんねる」で、こうようにワクワクする傑作が生まれようとは、とうてい信じられません。これはひとえに主人公「電車男」の素直で憎めない性格の成せるワザなのか?? それとも、荒らし・ねたみ・やっかみ発言を排除して、「スレ」 を読みやすく編集したログ編集人、「中の人」の力量によるのか? とにかく読んでたまげました。

生々しい「ライヴ感」がいいのね。掲示板だから、発言をアップした時間が記録されるワケじゃない。それが後から読んでいても「リアル」なんだな。まだ、パソコン通信と呼ばれていたころ、ニフティー・サーブのとあるフォーラムの会議室に出現した「ネット文学」の傑作とされているのは、『パソ婚ネットワーク』 矢崎麗夜・著と、パンドラさん(八木啓代 )の「パンドラ・レポート」『喝采がおまちかね』(光文社文庫)の2冊くらいじゃないかな。ネット文化も進化しているんだね。

『電車男』の凄いところは、ちゃんとコミュニケーションの文学になっていること。主人公の「電車男」を熱く見守る「独身男板」の住人たちの反応が、これまた面白いのだ。こういうのは今まではなかったな、たしかに。

 日記が、週一回の更新になってしまった                2004/08/05

●土日は、伊那のパパ's の宮脇ファミリー、倉科ファミリーとながた自然公園(箕輪町)へ、キャンプに行ってきました。ここは初めてだったんだけど、近場でこんないい所があったなんて知らなかったよ。引っ越しもキャンプも、遠い近いは関係ないからねぇ(^^;)

それにしても、やっぱキャンプは大人数だと楽しいな。子供8人、大人6人でキャビン1棟に泊まったのですが、ぼくは何にもしなくても、他のお父さんたちが、てきぱき・ちゃっちゃとやってくれる。いろんな道具の使い方も教えてもらえるし、ほんと助かります(^^;) 夕食の後、きもだめし・花火大会と終わって、子供たちも寝かせつけ、さてこれからいよいよ大人の時間という時に、ぼくは何と、子供といっしょに寝てしまい、朝まで目覚めることはありませんでした。何せ、夕方からずっと飲み続けていたからねぇ(^^;)

翌日のお昼は、子供たちがカレーを作る飯盒炊さんに、スイカ割り。伊東パパファミリーも合流して、にぎやかで楽しいひとときが過ごせました。

最近入手した本

1)『サルヂエ』(ワニブックス)\952

  例の「日テレ」月曜日よる 23:40からの人気クイズ番組の問題集です。これはネタに使える。
  昨日も、外来でスタッフと大いに盛り上がりましたよ(^^)

2)『伊那谷の老子』加島祥造・著(朝日文庫)\588

  この文庫本は、加島祥造さんが送ってくださったものです。ぼくは、淡交社から出たハードカバーを
  伊那市立図書館で借りて読んでいたのですが、これはしみじみいい本だな。
  週刊文春(8月5日号)で、ぼくが尊敬する坪内祐三氏が(じつは同い年なんだけどね)
  「文庫本を狙え!」のコーナーで、この本を取り上げていましたよ。

 さよなら、中島らも                         2004/07/28

●先週の土曜日は臨時休診にして、お昼から麹町の都市センターホテルで開かれる「子どもの心研修会」に出席するため「あずさ」で上京しました。新宿に午前11時前に着いたので、パパ's の北軽井沢ジャンボリーで食べたチキンカレーの味が忘れられなかったこともあり、紀伊国屋書店へ寄ってから早めの時間帯で中村屋2Fのインドカリーを食すことに決めていました。

新宿東口を出て、紀伊国屋書店で立ち読みしていると、携帯が鳴りました。あれ、妻からじゃないぞ、誰からだろう? と出ると、本家パパ's田中パパからでした。「北原さんが、せっかく東京に来てるのなら、どうです? 今晩、渋谷で一杯やりませんか?」という有り難いお誘いでした。この日ぼくが上京することは、田中パパにはメールで知らせてあったのです。

初日の研修会が 18:45 に終わって、東京メトロ永田町駅から半蔵門線で一路渋谷へ。東急プラザの前まで田中パパに迎えに来てもらって、安藤パパそれから、北軽井沢のジャンボリーでお会いした、0さんとSさんとも再会できましたよ。さすが東京は、オシャレで美味しいお店があっていいな。ぼくは、泡に四葉のクローバーの烙印が押されたギネスの黒生がおいしくて、ずいぶんと飲み過ぎてしまいました。失礼な発言が多々あったことと思いますが、どうかお許しください。でも、探偵ナイトスクープの「堺の中心で愛をさけぶ!」の話が少し受けてよかった(^^;;

思いがけず楽しい夜が過ごせて本当にうれしかったです。田中さん、安藤さん、どうもありがとうございました。

●水曜日の午後は休診にしています。空いた時間で乳児健診に行ったり、准看護学院で小児科の講義をしたりしているのです。まったく予定のない、フリーの水曜午後も時々あります。今日がまさに、そんな午後でした。今日から夏休みの子供らは、午前中に高遠のおばあちゃん家へカブトムシをもらいに行って、森田食堂でラーメン食べて帰ってきました。昼飯を食いそびれたぼくは、鳩吹へ不燃ゴミを出しに行った帰りに、伊那市立図書館に車を停めて、久しぶりに「紫煙荘」 のラーメンを食べてきました。

時計は午後4時をまわっていて、店内にはお客はひとりもいず、割烹着のおばあちゃんが「虫めがね」で読売新聞を読んでいましたよ。例によって、カレンダーが無意味に? 10種類近く並べて掛けられた店内は、何故かクーラーがよく効いていて何とも心地よいです。「ラーメン」¥350(税込み)。昭和30年代から、もう何十年も時間が止まってしまったようなレトロな空間の(昔の喫茶店には確かにあった狭い小さな)テーブルで、化学調味料風味の350円のラーメンに一味唐辛子をパラパラと振りかけ、ひとり静かにスープをすする。でも、小腹がすいた時には、これが何とも美味いんだな(^^;)

●中島らも のはなしは、すみません、また次回

 落語『夏の医者』 その他の話題                   2004/07/23

●今まで、何となくそのまま「1.5 M」のADSLだったのを、モデムが壊れたのを機会に、NTTフレッツADSL モア24Mのモデムに今日から切り替えた。嫌な予感はしていたのだが、やっぱり期待したほど速くなってない。体感速度で2倍になったくらいか。スピードの測定サイトへ行って実測してみると、なんと1.6Mしか出ていないじゃん! これじゃホントに「2倍」だぁ。うちは電話局から1km も離れていないのになぁ。なんで遅いんだろ。

『くろずみ小太郎旅日記・おろち退治の巻』飯野和好・作絵(クレヨンハウス)の元ネタは、落語の『夏の医者』。うちにあるのは六代目・三遊亭圓生のこのCD 。先日、西箕輪診療所の小堀先生から、桂枝雀の『夏の医者』のDVDを借りて見たんだけれど、この噺はもともとは「上方の噺」だったんだな。だから、圓生よりも枝雀のほうが、今年の夏みたいに とてつもなく暑い夏の感じがよくでている。ここの話は、枝雀がこの落語の「まくら」で語っていたものだが、ところでいったい、ぼくは「何医者」かなぁ? (^^;;

 伊那のパパ's 2回目のライヴ報告                   2004/07/20



●なかなか時間がなくて、報告できなかった、7月11日(日)辰野町新町保育園での「伊那のパパ's 2回目のライヴ」を、途中まで書きました。よかったら見に行ってみてください。



 あまり話題がないのです                       2004/07/18

●明日の「海の日」は当番医です。

■今日の午前中は、地区子供会の飯盒炊さんが三峰川河川敷公園で行われる予定だったのだが、天候不順のため中止。しかたないので、伊那旭座2(旧映劇)へ子供らを連れて、土曜日に公開されたばかりの「ポケモンの映画」を見てきた。映画館は、ぼくらと同じような親子連れで満員! 伊那の映画館でもこんなにいっぱいになるんだ。ビックリ。

でも、ごめんな。とうさん、途中で寝ちゃったよ(^^;)  ほんとうは、大友克洋監督作品『スチームボーイ』を見に行きたかったんだ。

▼先日、落語『芝浜』に関連して、四代目・桂三木助について触れたが、知ったかぶりしていい加減なこと書いちゃいけないな。 『わが愛しの芸人たち』吉川潮・著を読むと、三木助の死の真相が書かれていた。身も心も、ほんとうにもうボロボロだったんだね。

●いま読んでいる本は、『脳内現象』茂木健一郎・著(NHKブックス)。難しい話だけれど、これは面白い。東北大の川島隆太教授の本もそれなりに面白いが、結局あの最先端の脳科学っていうのは「錬金術」にすぎないんだね。この頭蓋骨内に収まった、たかだか1リットルの容積の中での「脳内現象」として<私>は確かに存在しているはずなのだが、いったい何処にどうやって存在しているのか? まだ誰にも解らない。その謎に果敢に挑んでいるのが、茂木健一郎さんなのね。

半分までしか読んでないので、今後どういう方向に話が進んで行くのか、じつにスリリングでありますよ。茂木健一郎氏の本は『心を生みだす脳のシステム』が、すっごく面白かったので期待してるんだ。あの画期的な「ミラーニューロン」の話は、この本で知ったのだから。

 今週はいそがしいぞ                         2004/07/15

●7月11日(日):辰野町新町保育園の父親参観での伊那のパパ's2度目の「ライヴ」無事終了。
          関係者のみなさま、お疲れさまでした。またがんばりましょう(^^) 
          「ライヴレポート」は、もう少し待ってね(^^;;

 7月12日(月):NTTレンタルの ADSLモデムが壊れ、ネット不通に。でも、
          案外早くにNTTが対応してくれて、翌日午後には無事復旧。
          ネット常時接続の生活が当たり前だった身には、辛い
          24時間でした

 7月13日(火):北原こどもクリニックの暑気払い & 出産準備のため退職する、
          パートの看護師さんの送別会

 7月14日(水):締め切りを過ぎた、隔月刊誌『はっぴーママ 9・10月号』用の原稿を
          なんとか仕上げるが、これじゃダメか?

 7月15日(木):上伊那医師会心電図再読委員会。明日までに読み終わらなければならない
          ぼくが校医を務める伊那東小学校1年生の心電図も読んでいないのに、
          ひとん家の心電図の再読なんかしている場合じゃないだろ!ってか……

 7月16日(金):昼休みは予防接種、夜は「すこやか健診」の判定。
          外来小児科学会のWSの準備もしなきゃね(^^;)

 落語『芝浜』聴きくらべ                       2004/07/10

『芝浜』という落語は、呑んべえで自堕落な魚屋の亭主が、女房の内助の功によって一念発起、断酒して更生する美談の人情話で、地味な話なんだけれど江戸前の粋で洒落た話になっていて、演者である落語家からも不思議と人気があるようだ。ぼくが最初にこの話を聴いたのは三代目・桂三木助の名演といわれた、昭和29年12月29日に NHKラジオで放送されたもので、ベートーベンの第九と同じで、『芝浜』も年末に演じられることが多いようだ(大晦日の話だからね) 2001年1月3日、浅草演芸ホールで『芝浜』を演じるはずであった、四代目・桂三木助は、結局は演じることなく、その日自宅で自死する。『芝浜』は実父、三代目の得意中の得意演目であったから、きっともの凄いプレッシャーだったに違いない。

さて、ぼくが次に聴いたのは、古今亭志ん朝さんの『芝浜』。『志ん朝の落語(5)浮きつ沈みつ』のラストに収録されている。CDでは『古今亭志ん朝 新選独演会5』。でも、三代目・桂三木助のと比べると、ずいぶんと雰囲気が異なる。なんかしっくりこないのだ。同じ話なのにね。魚屋の女房の性格が違うんだな。それから、夜明けの芝浜で顔を洗う場面がない。革の財布の中の金額も違ってる。

う〜むと考え込みながら、次に聴いた(見た)のは立川談志『芝浜』。南箕輪村図書館で借りてきたビデオで、立川談志「古典落語特選3」と言うヤツ。これがね、すっごくよかった。終盤では、もう泣いちゃったよ(^^;)  談志が演じる女房が、とにかく絶品! うまいな。こうなったら、談志も一生懸命聴かなくっちゃ。

●だけど、ぼくには禁煙はできても、断酒はできそうにないよなぁ(^^;;

 長坂「オオムラサキ・センター」〜大泉「絵本の樹美術館」へ(つづき) 2004/07/08

戸田杏子さんに興味を持ったので、水曜日に伊那市立図書館へ行って『動物園が大好き』(新潮社)と『みんなのかお』(福音館書店)を借りてきました。晶文社からでているタイ料理の本『世界一の日常食―タイ料理歩く食べる作る』は、残念ながら見つからなかった。『動物園が大好き』は面白かったな。アンソニー・ブラウンはゴリラ好きだけれど、戸田さんは、オランウータンが好きなんだって。

■さて、日曜日の続きです。「薮内正幸美術館」を後にしたぼくらは、R20号を韮崎方面に南下して武川村に入り、「牧原」の信号を左折し釜無川を渡って、河岸段丘の上の段に上ります。日野春の駅を右手にT字路を左折し、中央本線の陸橋を渡ってすぐの信号を右折し右手に広がるのが、長坂町「オオムラサキセンター」。広さ 1400平方メートルの鉄骨ネット張りの、オオムラサキ生態観察施設の中では、この暑さで例年よりも早くにたくさんのオオムラサキが羽化して飛んでいましたよ。オオムラサキはメロンが好きなんだね(^^;) 蛹は見つからなかったけれど、オオムラサキの幼虫と卵は見つけました。ここは、世界の蝶の標本とか、他にもいろいろと触って遊べる、なかなか楽しい博物館でしたね。

▼ここまで来たのだからと、次に向かったのは大泉にある「絵本の樹美術館」です。ここでは毎年夏になると、野口光世さんがフエルトで作る「子どもも大人もお話の世界に入って楽しむ参加型シリーズ」が催されます。去年が「猿蟹合戦」、一昨年は「赤ずきん」でした。とにかく、これがじつによく出来ていて、大人も子供も時間を忘れ夢中になって「ごっこ遊び」ができるのです。ほんと楽しい!

●ところで今年の出し物は何か? といいますと、「アリとキリギリス」でした。夏の森にはイチゴやキノコがいっぱいあって、池には魚がたくさん泳いでいます。もちろん、釣り竿で魚を釣ることもできるし、籠いっぱいにイチゴやキノコを取ることもできます。アリがそうやってせっせと働いているその傍らで、キリギリスは愉快にバイオリンを弾いたり、ギターをつま弾いたりしてるのですね(^^;) これらがみな、じつに丁寧にフエルトで精巧に作られているのですよ!

隣の部屋へ移動すると、そこは冬のアリの家でした。小さなテーブルと椅子があって、食料はいっぱい! かまどにはフライパンと鍋がセットされているので、子供たちは好き勝手に自由に料理を作って楽しみます。楽しいのは、アリの衣装に女王アリのマントと王冠が用意されていることです。館長さんのお話によると、来館したおかあさんはみな、女王アリの衣装を身につけるのだそうです。お父さんはもちろん、ただの働きアリですね(^^;;;)

ちなみに我が家の場合ですが、長男(小2)が キリギリス、次男(幼稚園年長)は女王アリ、妻と僕は働きアリでした(^^;)

■ここは、ほんと楽しいですよ! この夏一番の「穴場」として、自信を持ってオススメいたします(^^)

 白州「薮内正幸美術館」〜長坂「オオムラサキ・センター」〜大泉「絵本の樹美術館」へ 2004/07/04

●今日の日曜日もお天気が良かったので、この6月20日にオープンしたばかりの「薮内正幸美術館」へ行ってきました。小淵沢インターから国道20号線に出て、サントリーの白州蒸留所入り口を通り越し、右手の大きな体育館を過ぎてすぐを(信号はない)右折し(「薮内正幸美術館」の看板あり)狭い道路を南アルプス方面に向かって進むと、左手奥にありました。

午前11時過ぎに着いたのですが、来館者は他に誰もおらず、こぢんまりとした和風の外観だけれど、無垢の木がふんだんに使われた内装はシックでモダンで、落ち着いた雰囲気の、なかなかいい美術館だと思いました。薮内正幸さんの原画は、昨年・一昨年と、茅野市美術館で開かれた展覧会で見ていて、ぼくはすっかり惚れ込んでしまったのです。絵本の原画はずいぶんと見てきましたが、薮内正幸さんの原画を見た時のインパクトが今でも一番強烈です。だからこうして、常設の個人美術館ができて本当にうれしく思います。

われわれの来館時には館長さんは不在で、代わりに応対してくださった方が、なんと、薮内正幸さんの奥様の戸田杏子さんでした。戸田さんは、何かこう、シャキシャキっとした元祖キャリア・ウーマンといった感じの威勢のいい女性で、訊けばもと福音館の編集者で、『いやいやえん』『エルマーの冒険』の編集を担当されたんだとか。薮内さんとは、職場結婚だったのですね(^^)

『やぶさん』(¥500) という開館記念文集を購入してきたのですが、その中で、奥様はこんなふうに書かれていましたよ。

 そしてヤブさんはと言えば、初めて会った時と同じように毎日、毎日部屋の隅の机で動物の細密画を黙々と描いていた。そんな彼もお昼休みになると突然別人のように元気になる。社屋の前の狭い道路でバトミントンに夢中になり、時には大阪弁で奇声を発して飛び跳ねている。流行とは無縁の服をいつも着ており、朝ご飯は食べたことが無いそうだ。会社で出るお昼がその日初めての食事という、何とも不可思議な今まで出会ったこともないヒトである。
 でも、気がつけばヤブさんと私は「デート」をするようになっていた。と言っても行く先は動物園である。食事も縄ノレンかビアホールと決まっていた。(p75 より引用)
なお、「薮内正幸美術館」に関しては、先月発行された『BOOK END 第2号:絵本とミュージアム』絵本学会・発行(フィルムアート社)¥1400 の、p62〜67で、館長の飯野寿雄さんが「科学絵本の原画と薮内正幸美術館」という文章を書かれています。ぜひご一読下さい。戸田さんのお話しよると、この6月18日が薮内正幸さんの命日だったので、何としてでもそれまでに美術館が完成するようにと、それはそれは大変だったのだそうです。

●一人でも多くの方に訪れて欲しい絵本美術館であるよなぁ、ぼくはしみじみそう思いました。(つづく)

 『奇術師』クリストファー・プリースト(ハヤカワ文庫)読了         2004/07/01

●いやぁ、面白かったなぁ。やっぱり、読みだしたら止められなくなってしまい、HPの更新も、寝る前の絵本の読み聞かせも中止してしまいました。それから、夜10時過ぎにテルメ3Fのジムへ行っても「ステア・マスター」の足踏みをしながら読み続けました。45分間で、350kcal のエネルギー消費。しかも本が読める。これ、いいかもしれない(^^;;) いつもは、iPod で音楽か落語を聞きながら、トレッドミルを走るのだけれど…

■この小説の舞台は、時代が江戸から明治へ変わったばかりの頃の、世紀末のロンドン。イリュージョンと呼ばれる大がかりなマジックで、お互いに鎬(しのぎ)を削っていた2人の天才奇術師が主人公だ。小説の冒頭は現代で、彼らの曾孫たちがまずは登場する。謎が謎を呼んで、読者はあれよあれよと作者の術中にはまることとなる。そこはそれ、語りの達人・プリースト。物語の展開がじつにうまいんだな。しかも古沢嘉通さんの訳がよくて、とっても読みやすい。

ぼくは『魔法』で痛い目にあっていたので、よっぽどの叙述トリックが隠されているのではないかと、ずいぶん用心して読み進んだのですが、そこまでひねくれて読まなくてもよかったんだ。でも、予想を次々と裏切る展開で、特に後半の怒濤の寄りににはゾクゾクきましたね(^^;) ホントたまげたなあ。 本格ミステリ+バカSF+世紀末ホラー と、1冊で3度美味しいお得な本であることは間違いありません。通好みの面白小説として、自信を持ってオススメいたします(^^)

■この小説の中でキーポイントとなる登場人物に、マッド・サイエンティスト「ニコラ・テスラ」がいます。彼は実在の人物で、『天才はなぜ生まれるか』正高信男・著(ちくま新書)の「エジソン」の項では、こんなふうに紹介されています。

高名になるにつれ、エジソンの周囲には優秀な若いエンジニアが多数、働き口を求めて集まってくるようになった。そのなかにニコラ・テスラがいる。テスラはクロアチア生まれののセルビア人で、オーストリアのグラーツにある工学系の専門学校で電機関連の機械に関心を持つようになり、エジソンのもとへやってきた人物である。とりわけ、発電機に強い興味を抱いていた。(中略)

そのころの発電は直流方式が常識となっていたが、(中略)どうしても、遠くへ送電できなくなる。これにコペルニクス的転回を与えたのが、テスラだった。彼は交流式の発電機を思いついたのである。(中略)これだと、エジソンの直流方式ではせいぜい街の中の数ブロック先までの送電しかできないのに対し、数百キロ先まで供給することができる。

テスラは自分の発明に狂喜して、エジソンに進言した。ところがエジソンは、頑としてテスラの発明の価値を認めようとしなかったのだ。交流は危険だといって譲らないのである。はてしない押し問答の末、テスラは失意のうちにエジソンの会社を辞めることになる。
テスラは、無線の技術も発明していて、単なるマッド・サイエンティストではなかったみたいです。

<この小説の感想リンク>

・朝日新聞:読書欄
・小太郎さん
・「すみ」さん「にえ」さん

『奇術師』 クリストファー・プリースト(ハヤカワ文庫)の翻訳者、古沢嘉通氏のサイトで、『魔法』の訳者あとがきを発見。『魔法』文庫化してくれないかなぁ、>早川書房さん。




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