しろくま
 T O P ご案内 おとうさんの絵本  読書&CD  Now & Then リンク

北原こどもクリニック  



しろくま 不定期日記


2002年:<10/11月>  <12/1月>
2003年:<2/3月>  <4/5月> <6/7月> <8/9/10月><11/12月>
2004年:<1/2/3+4月><4 / 5/6月>< 7/ 8/ 9月> < 10/ 11月>
2005年:< 12月/ 1月>< 2月/ 3月><4月><5月/ 6月><7月><8月><9月><10月><11月/12月>

●「不定期日記」●

 成瀬巳喜男・監督作品 『流れる』               2006/01/31

●先週の土曜の夜は、阿智村から夜9時前に帰り着いて、そのまま妻子は早々に寝てしまった。昼神温泉で、他のパパたちがビールを飲んでくつろぐ中、ノンアルコール・ビールで我慢して中央道を運転して帰った僕は、目が冴えていた。テレビのスイッチを入れるが、土曜日は案外見るべき番組がない。これは面白そうだと思った、日テレの『神はサイコロを振らない』は、確か水曜日よる10時がオンエアーだったな。『チャングムの誓い』も、この1月から知らないうちに金曜の夜の放送に変わっていた。

さてどうしたものかと、テレビのリモコンを操作していたら、なつかしい「黒白映画」がブラウン管(うちはまだ、プラズマでも液晶でもないのだった)が映し出されていた。田中絹代のバストショットからカメラはカットバックして、山田五十鈴がカメラ目線でセリフを喋っていた。「おぉ! これはもしかして、成瀬巳喜男か?」ぼくはあわてて信濃毎日新聞・夕刊のテレビ欄に目をやった。1956年(東宝)『流れる』 成瀬巳喜男監督作品だった。

成瀬巳喜男生誕100年を記念して NHK BS2 で放送された「成瀬特集」の再放送だったのだ。

ぼくは食い入るように2時間、画面に釘付けとなった。面白かった。これは傑作だ。有名な『浮き雲』よりも、ずっとずっといいんじゃないか? とにかく、昭和30年代という「日本映画の黄金時代」を代表する女優陣が、揃い踏みで華やかな競演をしているのだ。田中絹代・山田五十鈴のダブル主演に、成瀬巳喜男の映画には欠かせない女優・高峰秀子。キュートで可憐な岡田茉莉子に、かつては「ニッセイのおばちゃん」のCMで知られた中北千枝子、戦前の名女優、栗島すみ子。それにトドメは、文学座の重鎮だった杉村春子だ。当時の東宝トップ女優で出演していないのは、原節子だけだ。

でも、この映画では原節子が演じるべき女性は登場しない。たしかに。

映画監督成瀬巳喜男は、日本が誇る3大映画監督、黒澤明・小津安二郎・溝口健二に次いで、木下恵介とともに「ベスト5」に入る映画監督だが、その地味な「職人芸」が災いして、いままであまり注目されることはなかった。これを機会に、ぜひ「若い映画ファン」に再発見されて欲しい監督なのだ。例えば、小津安二郎も好んで女優杉村春子を使っている。田中絹代も山田五十鈴も、岡田茉莉子も使っている。でも、カメラのフレーム内での各女優のたたずまいは、まるで違うのだ。山田五十鈴の色っぽさ、田中絹代の清楚でいながらの強かさ、杉村春子のちゃらんぽらさ加減などなどなど。特に、映画終盤で見せる杉村春子の演技は目を見張るものがあったぞ。

やっぱり成瀬巳喜男はスゴイなぁ(^^;)

 伊那のパパ's 絵本ライヴ (vol.17)  イン 阿智村        2006/01/28

●28日(土)午後4時、下伊那郡阿智村(飯田市に南接し、昼神温泉を擁する村です)図書館から呼ばれて、われわれ伊那のパパ's 絵本ライヴ (vol.17)は始まった。上伊那郡中川村より南の、下伊那郡下での「絵本ライヴ」は今回が初めてだ。今日は、伊東パパが出られないため、残りのメンバー4人での出演となった。『はじめまして』新沢としひこ(すずき出版)で自己紹介。


高校時代に合唱部だった「伊東パパ」がいないと、歌はちょっと淋しいなぁ(^^;;

 
一番手の僕「北原パパ」が、例によって『バナナです』を読み終わり引っ込むと、二番手の「宮脇パパ」が登場だ。絵本を読むまでの「前振り」に、いつになく力が入っていたぞ。「熱ち、あっち、阿智村〜」「まいあひ〜、なみあい〜」「なみアィ〜ン」とか。それに「ねばねば、ねばねば、根羽村〜」あはっ(^^;)。絵本との関連がよくわからんかったけど、大胆なポーズと地元ネタの「おやじギャグ」で大いに受けた。いったい何時考えたのだろう? 凄いな宮脇パパは(^^) 読んだ絵本は、『ラーメンのかわ』赤川明(講談社)。でっかいなるとが登場すると、子供たちから歓声が上がったよ。

  


倉科パパは、『まめうし あいうえお』あきやまただし(PHP)を、紙芝居に仕立てて読んでくれたよ。大熱演だったね(^^) 会場の子供たちと見事に一体化してたな。

●坂本パパは、『かえるをのんだととさん』を読んだ。2月になるからね、節分と鬼の絵本。今日は、保育園入園前の小さな子供が多かったのに、みんな坂本パパの話に集中して、静かに聴き入っていた。これにはビックリ! きっと、普段からいっぱい読み聞かせをしてもらってるんだな。下地はできているんだ、阿智村は(^^)


 



『ふうせん』中川ひろたか・湯浅とんぼ(アリス館)を歌いながら、北原こどもクリニックから持ってきた「ビオフェルミンの風船」を順番に膨らませます。子供たちは、我慢できずに立ち上がって風船をキャッチしようと待ちかまえている。でも、ここで驚いたのは、他の会場だと子供たちは風船の取り合いになるのに、阿智村の子供たちは、風船を手にしても自分のものとせずに、また「ぽ〜ん」と打ち返して来たのだ。まるでバレーボールをやってるみたいに子供たちの間で風船の連打は続く。絶対に自分のものとしようとしないのだ。なんて、いい子たちなんだろう(^^)



■50分ほどで、今日も無事ライヴは終了した。お疲れさまでした。阿智村図書館から「湯ったりーな昼神」の入浴券を人数分頂戴したので、それぞれ同伴した妻子と共に、一路「昼神温泉」へ。子供らと温水プールでひと泳ぎした後、露天風呂でくつろいで、風呂から上がって休憩所でゆっくり夕飯。夜8時すぎ、現地解散してそれぞれ帰途についた。それにしても、気持ちのいい温泉だったね。

■■「伊那のパパ's 絵本ライヴ」レポートへ行く ■■ 

 『みんな一緒にバギーに乗って』川端裕人(光文社)        2006/01/26

●高遠町図書館で何気なく手にとって、何となく面白そうだと感じて借りてきたのだが、作者も小説の内容も、何の予備知識もなく読み始めたら、ぐいぐいと引き込まれてしまい、気が付けば一気に読み終わっていた。

『みんな一緒にバギーに乗って』川端裕人(光文社)は、何と、新人の男性保育士が主人公だ。ただ、よくある「何にもできないダメ男」が奮闘努力してだんだん一人前の保育士に成長してゆくという話ではない。もっと作者の視野は広く、問題意識は切実だ。言うなれば「ER の保育園版」なのだ。ER は集団群像劇でありながら、毎回「主人公」がいて、彼(彼女)の視点で番組は進行する。あれと同じ感じなのだ。とにかく、保育の現場と子供たちの様子が、これほどリアルにビビッドに描かれた小説を、ぼくは知らない。

もっとも、ぼくはまだ灰谷健次郎さんの小説を1冊も読んだことがないから、偉そうなことは何も言えないのだが。それでも、中川ひろたかさんの本や新沢としひこさんの本は読んできたし、「パパ's 絵本プロジェクト 伊那」の活動の中で、幼稚園教諭の倉科パパや小学校教諭の伊東パパが、不思議な「魔法」を使って(?)子供たちの意識を「すっ」と集中させる現場を何度も目撃しているので、「この本」はホンモノだ! と、言い切れるのだった。

終盤で、男性保育士のパイオニアであった「元気せんせい」の天野が、こんなことを言う。

「この生活をぼくは、今とても気に入っているんだ。ぼくは保育が好きだ。ぼくたちは子供たちを保育しつつも、子供たちに生かされているんだよ。自分が今あるのは子供たちのおかげだし、世界が明日も続いていくのも子供たちのおかげだ。」
ほんと、そのとおりだと思うよ。

この人の小説を読んだのは初めてだが、ちょっと注目のいい作家を見つけたかな、そう思う。しばらくフォローして行こう。

■ところで、この本の著者紹介に「著者のブログ」があると紹介されていた。まめに更新されていて、子育ての話題も豊富だ。こちらも要注目だな(^^)

 伊那のちびっ子「木工教室」(その2)            2006/01/24

●今回「木工教室」をやってみようと思った動機は2つある。

今の子供たちは「大人から何かを教えてもらう」場合、その大人は父親・母親、それに学校の先生に限られる。あと追加するとすれば、おじいちゃん・おばあちゃん、スポーツ少年団(ミニバスケット・野球・サッカー・空手など)やスイミングスクールのコーチ、それに塾の先生くらいか。

昔はもっといろんな大人が子供たちに係わっていたように思う。近所のオジサンとか、モ・ノンクルといった感じの親戚のオジサンとか。いろんな得意ワザを持つ大人たちが、子供の前に入れ替わり立ち替わり現れて、その達人のワザを伝授してきたのだ。そういうことを、今の子供たちにもしてあげることができないだろうか? これが動機のひとつ。

2つめは、昨年の夏に、荒川じんぺいさんから「ナイフを使って鉛筆を削ることを教えると、子供に集中力がつき、落ち着きがでてくる」と、うかがったことにある。

●木工教室が始まると、子供たちを前に荒川じんぺいさんはまずこう仰った。
「君たちは、ゲームのコントローラーを指先で器用に操ることができるかもしれないけど、ああやって「指でたたく」のは本来の手の使い方じゃないんだ。手は物を触って、その硬さとか滑らかさとかいった物の質感を感知するためのセンサーで、指先の感覚を研ぎすますことがとても大切なんだよ」

荒川さんは、今回の教室で「ナイフの使い方の基礎」を徹底的に子供たちに指導した。

まず、割り箸を鉛筆に見立ててカッターナイフで削る練習。子供たちは真剣な眼差しで指先に集中する。2本3本と、みな黙々と削っていく。続いて、直径2cm くらいの生木の枝を削る。割り箸とは木の質感、硬さがずいぶんと違う。枝の片端は鉛筆のように尖らせて、もう片端は、こんどは丸く削ってみる。ナイフ1本で、いろんな使い方ができるんだな。その次は、いよいよ本物の鉛筆を削る。鉛筆に使われている木は、これまたずいぶん柔らかい。カッターの刃を寝かせて少しずつ少しずつ、鉛筆を回転させながら削ってゆく。

ここまでで、すでに2時間が経過していた。でも、驚くなかれ、子供たちの集中力は途切れないのだ。これには本当にビックリした。ナイフの使い方も、だんだんと堂に入ってきたぞ。

最後に、白樺の木片とコナラの枝を組み合わせて「小枝にとまる鳥」のオブジェを製作した。白樺の輪切りに電動ドリルで穴を開けて、穴の大きさに合うように枝を削って立てると、ステキな置物の出来上がりだ。みんなで作品を手に記念撮影。こうして、5時半過ぎに教室は終了した。2月に行う「第2回・木工教室」では、ノコギリやドリルの使い方、シカ・ヒツジ・オオカミ・ブタなどの動物を製作する予定とのこと。子供たちはみな、次回をとても楽しみにしている。

荒川じんぺいさん、ほんとうにどうもありがとうございました。

 伊那のちびっ子「木工教室」(その1)            2006/01/22

●1月21日(土)の午後2時〜5時の3時間、伊那公民館の第2会議室を会場に、伊那のちびっ子「木工教室」を開催した。保育園・幼稚園年長さん3人、小学1年生が5人、2年生が2人、3年生が3人、4年生が1人、5年生が2人の合計16人の子供が生徒だ。講師に、八ヶ岳山麓に住む荒川じんぺいさんをお願いした。

  

  

  

 

 上伊那医師会報(1月号)に書いた原稿            2006/01/18

「子供はなぜ動物が好きか?」         北原文徳

 絵本に登場するのは、たいてい擬人化された動物たちだ。二本足で立って、服も着て、日本語を話している。当たり前のことと言えばそれまでだが、なぜ人間ではなくて、わざわざ動物に変換する必要があるのだろうか? そのことが僕には長年の謎だった。単純に子供は動物が好きだからというのでは、どうも納得がいかなかった。もっと深い意味があるのではないか?

 ずっと悩んできたこの難題の解答を3年前とうとう見つけた。その答えは日本児童文学界の巨人、瀬田貞二氏の著書『絵本論』(福音館書店)に書かれていた。
「子どもは、なぜ動物が好きか、また動物文学が好きか、この質問に対してフランスのすぐれた児童文学者ルネ・ギョーが、明快にこう答えています。『子どもは、大人たちのなかにはいっていくよりも、ずっとずっと、動物のなかにはいっていくほうが、安心がいくんだ』 まさにそうなのです。安心がいくからです」
と。なるほど、そういうことか!これはこれで説得力のある解答ではあったのだが、さらなる疑問が生じた。子供はなぜ動物だと安心がいくのか? この謎を解くのにはもうあと3年かかった。「魔法のことば」というイヌイット(エスキモー)が伝承する不思議な詩に出会うまで。

それは、こんな詩だ。
 はじまりのとき、動物と人間のあいだには、ちがいがなかった。
 その頃はあらゆる生き物が地上に生活していた。

 人間は動物に変身したいと思えばできたし、
 動物が人間になることもむずかしくはなかった。

 たいしたちがいはなかったのだ。

 生き物は、ときには動物であったし、
 ときには人間であった。
 みんな同じことばを話していた。

 その頃は、ことばは魔術であり、霊は神秘な力を持っていた。
 でまかせに発せられたことばが霊妙な結果を生むことさえあった。

 ことばはたちまちにして生命を得て、願いを実現するのだった。
 願いをことばにするだけでよかったのだ。

 しかし説明したらだめになる。
 昔は万事がそんな風だった。


 (ミッシェル・ピクマル編『インディアンの言葉』中沢新一・訳、紀伊國屋書店)

 今からおよそ3万3千年前のこと、バイカル湖の畔に安住の地を見つけた我らの祖先の中に安定をよしとしないグループがあった。彼らはマンモスを追ってベーリング海峡を渡った。1万3千年前のことだ。

彼らはアラスカからカナダ、アメリカへと南下し、さらにどんどん南へ移動して南米チリの最南端まで到達した。このアメリカ大陸縦断に要した時間は、たった 400年だったと言われている。

 地球上のかなり離れた土地に似たような伝説や神話が語り継がれているが、それらはこの新石器時代の人間の世界観がいまに伝わるものなのだ。「魔法のことば」はその代表格である。

 最新の研究によると、ネアンデルタール人とホモサピエンスは共存していた時期があるという。しかし、前者は絶滅し後者が生き残った。両者の一番の違いは、子供時代の長さにある。ネアンデルタール人は3歳ですでに脳のサイズが現代人の成人並もあったという。臼歯も四肢の骨格も発達していた。つまりは、子供時代がとても短かったようだ。

それに対しホモサピエンスは未熟な状態で生まれ、他の動物たちに比べ非常に長い子供時代を必要とした。ラスコーの壁画を描くような象徴的思考をするためには「無意識」の存在が不可欠であり、無意識が豊に発達するためには長い未熟期間が必要だ。

 ネアンデルタール人には無意識がなかったのかもしれない。中沢新一氏は『対称生人類学』(講談社メチエ)の中でそう述べている。面白いなあと思う。

■子供たちの脳は、たぶん縄文時代と直結しているのだ。今年はこのあたりの事をもう少し深く探求して行きたいと思っている。

 「水曜どうでしょう」と、大泉洋            2006/01/17

大泉洋(よう)って、北海道限定のローカルタレントだと思っていたら、最近すっかり全国区だねぇ。新潮社から本まで出たみたいだし。

長野朝日放送では、深夜の時間帯にときどき系列ローカル局製作の「へんな番組」を放送している。名古屋テレビ(メ〜テレ)の「加藤家へいらっしゃい!〜名古屋嬢っ〜」はその代表だが、そのもっと以前から火曜日の深夜に「へんな番組」を放送してきた。それが、北海道テレビ(HTB)が制作した 「水曜どうでしょう」だ。

大泉洋がメインで登場する「へんな旅番組」なのだが、先週までは「四国八十八カ所を3日間で廻る旅」というのをやっていたし、その前は、アラスカのユーコン川をカヌーで下る旅だった。ぼくはコアなファンではないのでよく知らなかったが、世界中いろんなところに行っているらしい。言ってみれば、日テレの「電波少年」の進化したローカル版とでもいった感じか。

本放送は、1996年〜2002年までで終了していて、現在はその再編集版・再放送である「どうでしょうリターンズ」「水曜どうでしょうClassic」が、全国各地のローカル局で深夜帯に放送されているらしい。知ってる人は知っているシリーズなんだなきっと。

それにしても、大泉洋って、今までにない不思議で独特なキャラクターだ。吉本新喜劇や探偵!ナイトスクープに出ている石田靖が、二日酔いで寝起き状態で画面に登場したような感じと言ったら失礼か(^^;;

 ジャズ・ピアニスト 本田竹彦(竹廣)逝く             2006/01/14

●黙祷………
           

 『おんぶはこりごり』アンソニー・ブラウン(平凡社)        2006/01/13

●今日は昼休みに「小鳩園」(発達障害児の母子通所施設)へ出向いて行って、通所しているおかあさん方に講話。と言っても、何も準備してなくて、ほとんど雑談だった。インフルエンザのはなし、おたふくかぜのはなしなど、現在流行中の感染症を中心におかあさん方からの質問に答えた。年2回、こうした機会を園長先生に設けていただいているのだが、春の会の時に読もうと思っていて時間がなく読めなかった絵本『おんぶはこりごり』アンソニー・ブラウン作、藤本朝巳・訳(平凡社)を最後に読んだ。おかあさん方には大受けだったぞ(^^;) 素直に喜んでもいいのかどうか(^^;;;

      
                                 「あんたら、ブタよ!」

「この絵本のおかあさんみたいに、時にはストライキを起こすといいですよ」と、思わず言ってしまったが、本当は困るのはぼく自身だったりして(^^;;

この絵本の原題は「PIGGYBOOK」というが、「おんぶ」のことを英語で「PIGGYBACK」= 「PICKABACK」と言うのだそうだ。つまりは、作者のダジャレだったんだね(^^;)

 近ごろ買った本            2006/01/12

   

『顔をなくした女』大平健(岩波現代文庫) ミステリ作家法月綸太郎氏が絶賛していて『法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー』(角川文庫)にも収録された「顔をなくした女」のオリジナル文庫化。それにしても、この人は文章が達者だ。

『「大人」がいない…』清水義範(ちくま新書) すっごく面白かった『行儀よくしろ。』(ちくま新書)の続編。

『必笑小咄のテクニック』米原万里(集英社新書) 小咄のパターンを分析して解説した「青春と読書」に連載されていたものが新書化された。単なるジョーク集として読んでも楽しいが、米原流文章術・会話術として読んでも楽しい。第一章「詐欺の手口」を読み始めたら、ずっと探していて書庫にどうしても見つからなかった『あなたに似た人』ロアルド・ダール著、田村隆一・訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)を、先日 TSUTAYA で見つけて買い直したのだが、その巻頭の短編「味」の話の展開が米原さんの解説の通りだったんで、「なるほどねえ」と感心してしまった。

 今年の「手帳」             2006/01/10

●昨年の12月に、パパ's 絵本プロジェクトの田中尚人さんが『絵本ダイアリー』(グランまま社 /2005/12/13 初版発行 )を送ってくださった。これ、いいんじゃないっスか! すっごく。

安野光雅さんの絵本のような、シックで落ち着いた、じつにセンスのいい装丁。中味もいろいろと工夫が施されている。「絵本の読み聞かせ日記」という発想って、たしかに今までまったくなかったよね。お父さんの日記帳にしてもいいじゃん(^^;)

       

今年の「手帳」に関しては、『ほぼ日手帳』も中味だけ「2006年版」に新調した。こちらも、中味がさらに進歩している。ボールペンも変わった。これまた、なかなかいいじゃぁないか(^^)

●1月8日は当番医だった。思ったより混雑しなくて、ほっとした。小学校や保育園の正月休みが終わるまでは、まだインフルエンザは流行しないのだな。医院スタッフの一人が12月後半から体調不良でお休みしているので、妻が代わって連日終日受付に立っている。開業医は「家内工業」なので、妻にはほんと苦労をかけている。ありがとうね、感謝してます(^^;)

お昼は、恒例の「ちむらのちらし寿司」。今回は、これまた特別おいしかった! ありがとうございます、大将!

■そんな中、小3の長男が熱を出した。39.2℃ で、ふうふういっている。1月5日の午後のことだった。吐き気もあるらしい。子供たちをお願いしてあった妻の実家の母は心配そうに電話でそう言った。でも、すぐには迎えに行けず、結局仕事が終わった夜7時過ぎに行って連れて帰り、点滴をした。長男は意外と丈夫で、今まで大きな病気をしたことがない。インフルエンザには毎年かかっているが、予防接種をしていることと、早期に薬を飲んでいることで、発熱も1日半で済んできた。具合が悪くても、点滴をすれば翌日にはすっかり元気になっていたのだ。

ところが今回だけは違った。1月6日も7日も、38〜39℃ の発熱が続き、ちっとも解熱しなかったのだ。3日間も熱が下がらないなんて、息子には生まれて初めての体験だった。しかも、吐気でほとんど食べられない。3日間連日で点滴した。良くなるためならと、針を刺す時、息子は泣かずに我慢した。でも、発熱3日目の晩、とうとうどうにも辛くなって、こう訴えてきたのだ。「おとうさん、ぼく、明日には本当によくなるの? なんでぼくだけ苦しいの? ぼくつらいよ!」と、さめざめと泣きながら。「そうかそうか、辛いか。うん、つらいよなぁ」ぼくは、彼の背中をさすりながら、彼の手をギュッと握ることしかできなかった。

ぼくはふと、10数年前に大学病院の小児科病棟で急性骨髄性白血病の小学生の息子を看病していた「Kさん」のことを思い出していた。彼は週末になると長野市から車を飛ばして松本までやって来て、彼の妻と息子の看病を交代していた。そうして土日を息子と過ごした後、月曜日からの仕事に戻っていったのだ。たしか、そんな生活が1年以上も続いたように思う。たった3日で、ぼくは息子を納得させることに難渋しているというのに、「Kさん」は1年以上もどうやって息子とつき合っていたのだろうか?

幸いなことに、K君はその後よくなって退院し、現在も元気にしているらしい。お父さんのおかげだよね(^^)

 わが家の次男がハマっている「もう一つの趣味」        2006/01/07

●凝り性のわが家の次男(7歳)がハマっている「もう一つの趣味」がある。

        それは、マジックだ。

あれは去年の夏だったか、家族で新宿南口の「ルミネ THE よしもと」へ「お笑い」を見に行った帰りに、新宿高島屋へ寄ったのだ。「特急あずさ」が発着する新宿駅・新南口ホームには高島屋が一番近くて便利なので、最近は小田急地下の食料品売場で買い物せずに、高島屋へ直行することが多いのだ。

妻が買い物をしている間に、ぼくと子供らは9階の「おもちゃ売場」へ行って時間をつぶすことにした。ここには「テンヨー」のマジック小物販売コーナーが常設されていて、専属販売員が実演販売をしている。新宿高島屋店にいるのは、ビリーこと増田智明さん。

彼が、ぼくらの目の前で鮮やかなマジックを披露してくれたので、わが家の次男はすっかり魅せられてしまったのだな(^^;) たしか、3つのリングがつながったり離れたりするマジックだった。うわさによると、かのMr. マリックも、若かりし頃はデパートの「おもちゃ売場」で実演販売の営業をしていたらしい。マジック業界は、こうして後継者を養成していたんだね。案外こういう努力が大切なんじゃないかなぁって思う。

この日、フロアには若い女性のアシスタントがいて、彼女も鮮やかなマジックを披露してくれた。100円玉が3つ、消えたり出たりするマジックだ。彼女は、テレビ朝日の番組「笑金」でアシスタントをしている田丸麻紀にちょっと似たなかなかの美人で、「クレヨンしんちゃん」が好きなわが家の息子たちは、マジックよりも彼女に魅せられてしまったらしい(^^;; でも、似たような下心丸見えの男性は多いみたいで、紙袋を下げた「電車男」風の青年が彼女に付きまとっていて「これ、受け取ってください」と言ったり、30代後半男性がしつこく話しかけていたりしていた。彼女はどうも、新宿高島屋9階おもちゃ売場では有名人らしいのだ。

その時は「テンヨー」の新入社員かなにかと思ったのだが、今日この記事を書くにあたって「ググって」みたら、なんと! その彼女のHPを発見した。

「マジシャン南海子(NAMIKO)」だ。おぉ、プロのマジシャンだったのね(^^;) まめに日記も更新しているではないか!

南海子っていう芸名だから、出身は南大東島か沖永良部島なんだろうか? と思ったら、プロフィールを見てみると「出身:神奈川県」だって(^^;;

●ところで、わが家の次男だが、新宿高島屋で買った「テンヨー」のマジック・トランプを使って日々修行を積み、この間のクリスマスには、サンタさんから「テンヨー」の「500円玉を鍵が突き抜ける」マジックをプレゼントしてもらって、忘年会・新年会と、その鮮やかな芸を披露してみせ、やんやの喝采をあびたのだった。

 デジカメを買った             2006/01/05

●凝り性のわが家の次男(7歳)は、いま「マッスル系」にハマっている。と言っても、レーザーラモン・HGにではなくて、フジテレビ「海筋肉王バイキング」や、TBS「サスケ」それに「筋肉番付」のことだ。

HDレコーダーに録画したこれらの番組を毎日くり返し見ては、自分でもリビングのソファーの背もたれを腕の力だけで横断したり、お父さん登り(むかし「ぼのぼの」がやってたヤツ)をしたりと、日々トレーニングに勤しんでいる。夢は自宅の庭に「サスケ」のフルコースを設置して、完全制覇目指していつでも練習できるようにすることだという(^^;;

そんな彼が一番好きなのは、千葉県印旛村役場・健康推進課係長の白鳥文平さんだ。漁師の長野誠さん(「第28金比羅丸」船長)もお気に入りの一人。昨日も真剣な顔で「おとうさん、ぼく池谷直樹さんのサインが欲しいんだけど、どうしたらいいの?」と訊いてきた。このぶんだと「筋肉ミュージカル」を観に横浜まで行く必要があるかな(^^;)

●ところで、1月3日にヤマダ電機に行ってデジカメを買ってきた。今まではOLYMPUS CAMEDIA C-900という8年前に購入した初期のデジカメを使ってきたのだが、ウエブ上に写真を掲載するには今でも「コレ」で十分なのだけれど、画像解像度の面でプリントアウトには厳しいものがある。以前、妻がカメラ屋さんに写真をプリントしてもらおうと「このオリンパスのデジカメ」を持っていったところ、まるで骨董品のカメラでも見るかのような、ちょっとバカにされた扱いを受けたそうだ。メモリー媒体も、いまどき SmartMedia だしなぁ(^^;)

で、今回新たに購入したのは、Panasonic のLUMIX DMC-FX9。TVCMで「あゆ」が手にしている、手ブレ防止機能付きのヤツだ。中田英寿がCMに出ているCanon IXY DIGITAL 700も候補のひとつだったのだが、手にした感じがちょっと重い。まぁこれくらい重い方が「カメラ」っぽくていいような気もするが。

 「愛育ねっと」で取り上げてくれました   2006/01/03

■遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
 今年もどうぞよろしく お願いいたします。


『子育ての、そばにいる人はだれ?』(メディカ出版)の著者である、久留米市の吉永陽一郎先生のご紹介で、「愛育ねっと」「伊那のパパ's 絵本ライブ」について書かせていただいたものが、この1月1日から「愛育ねっと」に掲載された。

     <こちらです↓>

http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/shien/sh0601/sh0601.htm

よかったら、読んでみて(^^;)



<先月の日記>へ




 T O P  ご案内  おとうさんの絵本    読書&CD    Now & Then   リンク 

北原こどもクリニック