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北原こどもクリニック  



しろくま 不定期日記


2002年:<10/11月>  <12/1月>
2003年:<2/3月>  <4/5月> <6/7月> <8/9/10月><11/12月>
2004年:<1/2/3+4月><4 / 5/6月>< 7/ 8/ 9月> < 10/ 11月>
2005年:< 12月/ 1月>< 2月/ 3月><4月><5月/ 6月><7月><8月><9月><10月><11月/12月>
2006年:<1月><2月><3月><4月><5月><6月/7月><8月><9月><10月><11月><12月>
2007年:<1月><2月><3月><4月><5月><6月><7,8月><9月><10月>

●「不定期日記」●

 今年読んだ本のまとめ  2007/12/31 

■大晦日恒例の「今年読んだ本」

<フィクション部門>

1位:『ミノタウロス』佐藤亜紀(講談社)
2位:『クロニクル千古の闇(2)生霊わたり』ミシェル・ベイヴァー(評論社)
3位:『しゃべれどもしゃべれども』佐藤多佳子(新潮社)
4位:『川の光』松浦寿輝(中央公論新社)
5位:『双生児』クリストファー・プリースト(早川書房)
6位:『みずうみ』いしいしんじ(中央公論新社)
7位:『制服捜査』佐々木譲(新潮社)
8位:『年をとったワニの話』レオポルド・ショボー(福音館書店)
9位:『円朝芝居噺 夫婦幽霊』辻原登(講談社)
10位:『トントンドア』山崎ゆかり・文、荒井良二・絵(偕成社)
現在途中:『日本橋バビロン』小林信彦(文藝春秋)


<ノンフィクション部門>

1位:『子ども虐待という第四の発達障害』杉山登志郎(学研)
2位:『師匠噺』浜美雪(河出書房新社)
3位:『僕の音盤青春記 1971-1976』牧野良幸(音楽出版社)
4位:『星新一 1001話をつくった人』最相葉月(新潮社)
5位:『談志絶倒昭和落語家伝』立川談志(大和書房)
6位:『ねにもつタイプ』岸本佐知子(河出書房新社)
7位:『芝居半分、病気半分』山登敬之(紀伊國屋書店)
8位:『生物と無生物のあいだ』福岡伸一(講談社現代新書)
9位:『詩人と絵描き』谷川俊太郎、太田大八(講談社)
10位:『噺家パラダイス』古今亭志ん輔
11位:『胎児の世界』三木成夫(中公新書)
12位:『読書の腕前』岡崎武志(光文社新書)



それではみなさま、よいお年を!

 今年の No.1CD & DVD「JAMES TAYLOR ONE MAN BAND」のこと  2007/12/30 

■この伊那にも「ドトール」はあるが、流石に「スターバックス」はない。その「スタバ」が、アメリカ西海岸のジャズの老舗レーベル「コンコード」と組んで、ミュージック業界に進出し、新たなレーベルを発足させた。それが「hearmusic」だ。

その第一弾がポール・マッカートニーで、次が、ジョニ・ミッチェルの『シャイン』だった。往年の大物ミュージシャン2人に続いて、あの、JT(と言っても「日本たばこ」のことではありません)ジェイムス・テイラーも、長年慣れ親しんだコロムビアを離れて hearmusic と専属契約を交わした。いやビックリ。

で、先月発表されたのが「このアルバム」だ。最近流行(はやり)の「CD & DVD」の体裁だが、ちょいと違う。ふつうこの手の2枚組の場合、 DVDは「単なるオマケ」で2〜3曲映像が収録されているだけなのだが、このアルバムではCDよりも長い125分、コンサートまるまるDVDに収録されているのだ。このコンサートが本当に素晴らしい! ジェイムス・テイラーの生まれ故郷ボストンの近く、マサチューセッツ州ピッツフィールドにある、改修された古い古いコンサート・ホール「コロニアル・シアター」が会場なのだが、文字通りアット・ホームで何とも言えない心地よさが最初から漂っているのだ。そのステージに、アコースティック・ギター1本で登場したJT。カッコいいなぁ。バック・ミュージシャンは、ピアノのラリー・ゴールディングス1人きり。でも、ちょいと仕掛けがあるんだ。それがまた、たのしい(^^;)

特に8曲目の「マイ・トラヴェリング・スター」には驚いた。アマチュア・クワイアーズのバック・コーラスが入るのだ。これが、ものすごくイイ!。
ジェイムス・テイラーの「オフィシャル・サイト」で聴くことができるよ。

■ところで僕は、このアルバムを輸入盤で買ったのだが、正直「大失敗」だった。アマゾンで12月発売の「日本版」を買えば、DVD扱いのためか定価より539円値引きで買えたのだ。しかも「日本版」なら、解説に訳詞、それにDVDの字幕スーパーも付いている。とにかく、このDVDはJTのコンサートを丸ごと収録しているので、JTのしゃべりがすっごく多い。でも、英語の苦手なぼくにはさっぱり理解できないのだ。いや、何となくは判るところもあるよ。ジョニ・ミッチェルのことを「She was my Bitch!」と言っているくらいは(^^;;

結局悩んだ末に「日本版」を買い直した。でもそれで正解だったな(^^;) で、要らなくなった「輸入版」のほうは、先日インフルエンザの予防接種に来た、アンドレア先生に差し上げることにした。オーストラリア生まれの彼女には、日本語字幕は必要ないからね。

■DVDで見ると、ジェイムス・テイラーって、やっぱりギターが上手いなあ。高校生の頃少しだけ練習した『君の友だち』、もう一度トライしてみようかな。

 今年よく聴いたCD「ベスト10+α」       2007/12/29 

■日常の診療中にBGMがないと何となく寂しいので、診察室の隣の処置室に置いてあるラジカセからCDを流している。もちろんオート・チェンジャーなんて付いてない、ごくフツーの安いラジカセなので、忙しい診療中は同じ一枚のCDが一日中延々と繰り返し流されることになる。オート・リピート機構てなシャレたもんも付いてねぇから、CDが終了して音が鳴っていないことに気が付いた看護婦さんが、再びプレイボタンを押してくれるわけ。手動リピート機構でんな(^^;;

そんなふうに何度も聴いたCDの中で、この1年間で特に印象に残ったものをご紹介しましょう。なお、落語とジャズのCDは、診療中ではない夜間に診察室で仕事をしながら聴いたものです。

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<縦の列= A, B, C, D 横の列= 1, 2, 3, 4, >

1位:『ワン・マン・バンド』ジェイムス・テイラー(hearmusic/ UCCO-3003) <C-3>
2位:『ア・ライヴ・シュプリーム』森山威男(CLSW/ TM1001)<B-2>
3位:『それは、すばらしい音楽なのです。』きたはらいく(M&K Records MKCD-001)<B-3>
4位:『はじまりはじまる』まるで六文銭のように(FORLIFE/ FLCF-4202)<B-4>
5位:『イントゥ・ホワイト』カーリー・サイモン(Sony Music/ SICP 1184)<A-2>
6位:『リヴァー』ハービー・ハンコック(Universal/ UCCV-1100)<D-4>
7位:『シャイン』ジョニ・ミッチェル(hearmusic/ UCCO-3002)<C-1>
8位:『道はつづく』ハンバートハンバート(ミディ/ MDCL-1475)<A-1>
9位:『ユライ花』中孝介(あたりこうすけ)<B-1>
10位:『木曽』宮沢昭カルテット(THCD-31)<A-3>
11位:『Boucles d'oreilles』大貫妙子(Sony Music/ MHCL-1030)<C-4>
12位:『Rahmens NEW JAPANESE SCHOOL』ラーメンズ(PONY CANYON/ PCCA-02292)<C-2>
13位,14位,15位:『みどりの窓口、はんどたおる、踊るファックス』立川志の輔 <CD貸出中>

 『円朝芝居噺 夫婦幽霊』辻原登(講談社)       2007/12/28 

■月刊誌『ダガーポ』は、今月発売された「620号」で休刊になってしまった。最後の特集は「今年最高の本」。その28ページで、翻訳家の鴻巣友季子さんが絶賛しているのが「この本」。
 文句なしの1位『円朝芝居噺 夫婦幽霊』は、極上のメタフィクション。
「明治初期、二葉亭四迷や森鴎外による外国文学の翻訳を通して日本の近代文学は作られてきましたが、さらにその翻訳文にも影響を与えていたのが落語家の三遊亭円朝でした。この近代文学が誕生する根っこに飛び込んで書かれた小説で、円朝の落語こそが実は翻訳物だったという逆転の発想が盛り込まれている。翻訳をやっている身にしてみれば、よくぞ翻訳と原文の<すきま>に手を突っ込んで新たな地平を切り開いてくれたと感激しています」(『ダガーポ』No.620 / p28)
面白いことに、同じ翻訳家の深町真理子さんも『本の雑誌・2008年1月号』68ページで、やはり「この本」を第一位に挙げている。
 これは快作。「小説家辻原登」が、三遊亭円朝の怪談『夫婦幽霊』の口演速記原稿を発見し、翻訳するという形式の”物語についての物語”。噺一つまるまる円朝の口跡で語りきっているのが凄いし、速記原稿の翻訳に即して述べる翻訳論や、円朝の噺は「声の領分を限りなく作品の中にとどめている小説」とする点なども、読んだときの生理的リズムを訳文作業上の第一義とする翻訳者(私のことだ)にはうれしく、興味深い。(『本の雑誌』No.295 / p68)

■この夏、『東京人』の三遊亭圓朝の特集号を読んでから、ぜひ読みたいと思っていた本で、先日、高遠町図書館で見つけてようやく読むことができた。確かに面白かったのだが、それほどの傑作かどうか……  上記二人の優れた翻訳家が指摘するように、「速記録」はテープレコーダーで録音された口述と全く同じなのではなくて、口述者の口調や微妙な言い回しの癖までは記録できないから、そこを考慮しながら「速記録を日本語に翻訳する」(英語を日本語に翻訳するのと同じような)作業が必要となるという著者の指摘は、新鮮な驚きだった。なるほどねぇ。三遊亭圓朝の声を録音した音源テープは存在しないからなぁ。どんな声、どんな口調の人だったのかなあ?

夏に読もうとして挫折した『怪談牡丹燈籠』と『真景累ヶ淵』だが、この正月休みにもう一度チャレンジしてみようと再度伊那図書館から借りてきたところだ。さて、辻原登氏の『夫婦幽霊』の中で三遊亭圓朝が口演したといわれる「夫婦幽霊」の物語だが、これがなかなかによく出来ていてぐいぐい読ませる。読みながら、三遊亭圓朝のはなしを実際に聴いているかような錯覚さえおぼえる。江戸時代末期に実際に起こった事件「御金蔵破り」と「安政の大地震」を題材に、実在する人物を要所に登場させ(若き日の三遊亭圓朝自身も噺の中に何度も出てくる)人間の強欲と怨念の因縁ばなしというよりも、まるで京極夏彦の時代物ミステリーのような展開を見せるのだ。

難をつけたいのはその点で、三遊亭圓朝にしては「品がよすぎる」のだな。三遊亭圓朝はもっと「ノワール」の匂いがする。ジム・トンプスンの小説のように。「夫婦幽霊」ではかろうじて1カ所だけ「その匂い」がする場面があった。「殺し」の場面だ。

それからもう一点、「夫婦幽霊」は落語の口演にしては「地の文」が多すぎて「会話のみ」で物語が成立している部分が少なすぎる。落語は本来「語り手」はその姿をふっと消したところから本筋に入り、登場人物の「会話のみ」によって展開する。「夫婦幽霊」では逆に「語り手」が常に前面にしゃしゃり出ているのだ。それも気になった。でも、小説なのだから仕方ないのだが。

最後に「語り」とか「騙り」とか「メタフィクション」とか「現在と過去とが交錯する物語」といった言葉がキーワードとなる小説であるわけだけれども、同じような紹介のされ方をされる、クリストファー・プリーストの『双生児』と比較すると、ぼくは『双生児』の語り口のほうがずっと好きだ。読みながら何が何だか判らなくなる「現実崩壊感」を味わいたいのなら、断然こっちだな。

 『冬の犬』アリステア・マクラウド 〜「カナダ」〜 ジョニ・ミッチェル 2007/12/26 

■あれは確か、小淵沢へ向かう車中のFMラジオから流れてきたから、12月9日(日)の午前10時台の番組だったと思う。作家の小川洋子さんがパーソナリティの番組で、検索したら、TOKYO FM の「Panasonic Melodious Library」だった。この日、小川さんが紹介した本は、『冬の犬』アリステア・マクラウド著(新潮クレストブックス)だ。「おぉっ!」ぼくは思わずカーラジオに耳をそばだてた。そうだよな、クリスマスにはマクラウドを読まなくちゃ(^^)

小川洋子さんはこう言っていた。

「この物語のよさがわからない人とは・・・仲良くなれないかもしれません」

うんうん、そうだよ。おいらもそう思うよ。


『冬の犬』の中では、ラストに収録されている「アイランド」が何と言っても格別凄い。カナダ東端に位置するケープ・ブレトン島本島の沿岸の町から少し離れた無人の小島に設置された灯台守(なんと女性!)の話だ。いま手持ちの『冬の犬』が探しても見つからないので、代わりに『彼方なる歌に耳を澄ませよ』を書庫から出してきたところだが、その中にこんな描写がある。
 私の父は戦争中海軍に入り、復員してから、小さな島の灯台守の職に応募した。その島は本島の沿岸の町から二キロ半ほど離れていて、まるで海に浮いているように見えた。(中略)
 厳冬期の、いわゆる「ドッグ・デイズ」と呼ばれる時期には、氷は驚くほどかちかちに固まる。それは北極地方の東部から流れ着いた流氷と、海峡が凍ってできた「氷の埋め立て地」とが合体したものだった。とりわけ寒さの厳しい冬で、氷の上が平坦なら、小島と本島とのあいだを自由に往来できた。歩いてもいいし、スケートで滑ってもいい。(57ページ)
厳寒のカナダ東北部では、海も歩いて渡れるのだ。「冬の犬」も、そういう話だった。だったら川は、シベリアの大河のように全面氷結が当然だよね。ところで、ジョニ・ミッチェルは、カナダ西部アルバータ州、フォート・マクマリーの生まれ。『彼方なる歌に耳を澄ませよ』5ページに載っているカナダ全土の地図を見ると、オリンピックが開かれたカルガリーや大橋巨泉の土産物店があるバンフより更に北に位置する内陸部の町だということがわかる。とんでもない田舎だね。ここなら、12月になれば川は全面氷結間違いなし! た。

ジョニ・ミッチェルの名曲「リヴァー」は、そういう話だということが納得できる。スケートでね、全面氷結した川をスイスーイと渡ってゆくのだよ。

 JAMES TAYLOR at Christmas    2007/12/24 

■昨年末アメリカで出た「JAMES TAYLOR at Christmas」の日本版『JTのクリスマス』が発売された。もともとは、2004年にホルマークというギフトショップの店頭・通販限定で販売されたものだそうで、それに2002年にリリースされた『オクトーバー・ロード』の12曲目に収録されていた「Have Yourself A Merry Little Christmas」と、ジョニ・ミッチェルのトリビュートアルバム(ノンサッチ)のために録音された「リヴァー」が追加されて、2006年にコロムビアから発売された。うちにあるのは、この輸入盤のほう。

こういうのを「大人の音楽」とでも言うのだな。じつにいい。収録されている曲はどれもそれぞれに味わいがあるのだが、じっくり聴かせるのはやはり追加された2曲か。「リヴァー」は、まるでジェイムス・テイラーのオリジナルのような感じで、昔から歌い込んできたかのように錯覚してしまう。それから、ラストに収められた「蛍の光」もこれまたしみじみよい。デイブ・グルーシン(懐かしい名前だなぁ)のアレンジがいいんだね。


メリー・クリスマス!


 今日は「北原こどもクリニック」の忘年会    2007/12/19 

■今日は「北原こどもクリニック」の忘年会だった。ふだん午後休診にしている水曜日だが、今日は午後3時半までインフルエンザ・ワクチンの集中接種。午後4時半に、忘年会会場の「高烏谷鉱泉」からマイクロバスで迎えに来てもらって、ひと風呂浴びてから宴会に突入。それにしても、気持ちのいいお風呂だったなぁ。木の香りがいいねえ。お料理も決して派手さはないが、一品づつ丹精込めて作っているのだなぁ、といった料理ばかりで、どれもこれも実に美味しかった。みな完食だったね。

■出し物(宴会芸)大会も充実して盛り上がったね。

1)子供落語:「つる」北原家の次男(小3)、「転失気」北原家の長男(小5)
  2カ月前から一生懸命練習してきた甲斐あって、よく笑ってもらえてよかったよかった。

2)「おしりかじり虫」:スタッフ一同 コスチュームも踊りも、よく準備したね。

3)キャンディーズの歌「もうすぐ春ですねえ」:薬の問屋さん5人衆。ギター上手いな>原さん。

4)ビリーズ・ブートキャンプ :ぼくと妻 & 全員

いやいや、おつかれさまでした(^^;)

 『川の光』松浦寿輝(中央公論新社)読了   2007/12/18 

■半年以上お休みしていた「感染症情報」ですが、インフルエンザが流行りだしたので、今週から復活しました。

■『川の光』松浦寿輝(中央公論新社)読了。面白かった。一難去ってまた一難。よくまぁこれだけ次々と困難が待ち受けているよなって展開なんで、読んでいて、だんだん慣れてきてしまうのだな。「きっとまた、誰かが助けてくれるから大丈夫!」と。そこが欠点か。そうは言っても、主人公の3匹のネズミ父子が最後に遭遇する危機の場面には涙した。365〜367ページの「28章」だ。ここはいい。一番いい。それから詩人のネズミ「グレン」と月を見上げる場面もいいな。そうして、次の場面も。
 タータとチッチは川面(かわも)をじっと見つめていた。昼の間、ピーヨ、ピーヨと騒がしく鳴き交わしていたヒヨドリの声ももうとうに絶えていた。ただ川の流れの音だけが、優しく静かに響いている。西の空が茜色に染まり、その光が水面に照り映え、いたるところに立ったさざ波がその夕焼けと同じ色にきらきら輝いている。何てきれいなんだろう、とタータは思った。

川の流れは止まることがない。悲しかったことも嫌だったことも、何もかも押し流してゆく。もちろんついでに、楽しかったことや嬉しかったことも押し流されてゆくけれど、それでいいんだとタータは思った。美しいものも醜いものもどんどん過ぎ去って、でも川の水はいつも新しい。大事なのはそのことだ。川と一緒にいるかぎり、ぼく自身もまた、いつだって新しい自分自身になることができる。ぼくはこの川が好きだ。(380ページ)
これって、『生物と無生物のあいだ』で福岡伸一先生が言わんとしたことと、まったく同じなんじゃないか?

 パパズ伊那 絵本ライヴ(その39) 南箕輪村図書館   2007/12/16 

■昨日も今日も夜に雪が舞って、朝には屋根に1cmくらい積もったか。寒い朝だったな。午前9時40分、家族同伴で南箕輪村図書館へ向けて出発。今日は伊東パパが都合で欠席なので、4人での絵本ライヴ。前回の高遠町図書館と同様の「クリスマス・ヴァージョン」での登場だ。メイン・ヴォーカルが不在だと、やっぱ「歌もの」は歌唱力不足がモロに出てしまうな(^^;;

■本日のメニュー■

1)『はじめまして』
2)『さみしがりやのサンタさん』 内田麟太郎・作、沢田としき・絵(岩崎書店) → 北原
3)『三びきのこぶた』  → 坂本

4)『かごからとびだした』(アリス館)
5)『パンツのはきかた』(福音館書店)

6)『さかさのこもりくんとおおもり』あきやまただし(教育画劇) → 宮脇
7)『おにのめん』川端誠(クレヨンハウス) → 倉科

8)『クリスマスの12にち』(福音館書店)
9)『ふうせん』(アリス館)
10)『世界中のこどもたちが』(講談社)

 ジョニ・ミッチェル 「リヴァー」      2007/12/09 

■先週から、「ゲボかぜ」が急激に増加している。原因ウイルスは不明だが、伝染力が非常に強いウイルス性の嘔吐下痢症だ。それから、伊那市内でもいよいよ「インフルエンザ」の流行が始まりつつあるようだ。週末、東春近小学校の小学生が3人、当院の検査で A型インフルエンザ陽性だった。流行は拡大する気配。明日の月曜日は混みそうだぞ。

■昨日、土曜日の夜は、1年ぶりで原村「岩田ペンション」に家族で泊りに行く。原村のペンション・ヴィレッジでは、この時期それぞれのペンションが創意工夫して、クリスマスのイルミネーションを競い合っている。中でも「岩田ペンション」のは見事で、楽しい。ペンション内も大きなツリーはもちろん、クリスマスの飾りでいっぱいだった。なんかこう、クリスマスに向けての気分が盛り上がってくるのだな。お料理もとても美味しかった。おなかいっぱい。ごちそうさまでした。

今日は、小淵沢へ買い出し。来週予定されている、北原こどもクリニックの忘年会用のビンゴの景品を選ぶためだ。お昼は「マジョラム」。めずらしく空いていた。

帰宅後、一寝入りしてから伊那中央病院救急部の小児一次救急当番へ。救急部の先生が既に診察を済ませて点滴処置中の女の子2人を含めると、7人診察した。インフルエンザはいなかった。処方のオーダリングを間違えたりして(ちっとも慣れないねぇ)時間ばかりかかり、終了は夜10時過ぎ。開業医の先生からの紹介患者さんも2人いたが、日曜日の夜に患者さんを診ている開業医の先生はほんと偉いなあ、と思いつつも、結局は入院にはしなかった。入院となると、伊那中央病院小児科の当番の先生を呼び出さなければならないし、ぼくの判断では入院の必要はないと考え、親御さんによくお話しして納得していただいたのだ。はたして、それでよかったものか……

■このところ、ジョニ・ミッチェルが何故か「マイブーム」。高校生の頃には、ジョニ・ミッチェルは難しくて判らなかったのだが、この年になってようやく彼女の歌声・歌詞が心に沁みるようになったということか。彼女の歌の中では、やはり「リヴァー」が一番好きだ。この曲は、クリスマス・シーズンの歌でもある。(長くなりそうなので、続きはまた次回)

 DVDをまとめていっぱい買ってしまった   2007/12/06 

■……ので、ここんところ、見るのに忙しくて日記の更新がままならないのです。


明日配送予定のDVDも入れると、それは以下のとおり。

・『ワイルド・バンチ /Director's Cut』サム・ペキンパー監督(1980円)
・『風の中の牝鶏』小津安二郎(1000円)
・『おかあさん』 成瀬巳喜男(1000円)
・『雨月物語』  溝口健二(1000円)

・『笑う超人』 立川談志 × 太田光
・『Rahmens 0001 select』ラーメンズ
・『爆笑オンエアバトル ラーメンズ』
・『日本の伝統』 小林賢太郎(ラーメンズ)ほか。

・『本格 本寸法 ビクター落語会 柳家さん喬  其の壱』
・『本格 本寸法 ビクター落語会 柳家さん喬  其の弐』
・『本格 本寸法 ビクター落語会 柳家権太郎  其の壱』
・『本格 本寸法 ビクター落語会 柳亭市馬   其の壱』

・『JAMES TAYLOR / ONE MAN BAND』 James Taylor (hearmusic)

 パパズ伊那 絵本ライヴ(その38) 高遠町図書館   2007/12/02 

■高遠町図書館は、前から何度もオファーを頂いていたのだが、その度に都合がつかずに今日が我々の「初お目見え」となった。朝10時の開演だったし、親子合わせて30人も集まってくれれば御の字かと思って出かけたら、何と100人以上の親子連れが会場に詰めかけてくれた。ほんと、ありがとうございました。

12月に入ったので、今日は「クリスマス・ヴァージョン」で、皆サンタの衣装(倉科さんは赤鼻のトナカイ)に身を包んでの登場。カメラを忘れてきてしまったので、残念ながら写真はなしです。と書いたら、伊東パパが送ってくれました。ありがとね。

071202.jpg

■本日のメニュー■

1)『はじめまして』
2)『かあちゃんのせんたくキック』平田昌広・文、井上洋介・絵(文化出版局) →伊東
3)『なんでしょ なんでしょ』高畠純(アリス館) →北原
4)『オオカミと石のスープ』アイナス・ヴォージュラード(徳間書店) →坂本

5)『かごからとびだした』
6)『パンツのはきかた』

7)『メチャクサ』ジョナサン・アレン(アスラン書房 ) →宮脇
8)『メリークリスマスおおかみさん』みやにしたつや(女子パウロ会) →倉科

9)『ふうせん』
10)『世界中のこどもたちが』

■午後は、次男(小3)と三峰川河川敷公園から堤防上のサイクリング・ロードをジョギング。3km 地点折り返しで、トータル6kmのラン。息子のペースは速くて、1kmを6分半でどんどん先に行ってしまう。ぼくは7分/km でチンタラ走っていたが、でも息子は早晩バテてしまって、じきに追いつくだろうと、たかをくくっていた。ところがどっこい、距離は離されるばかり。復路では息子が心配してペースを落とし、父親を待ってくれていたりした。結局ゴールまでそのままだった。あぁ、情けない。トレーニング不足だね。

 映画『しゃべれども しゃべれども』           2007/12/01 

■昨日の excite.ニュースで、『ちりとてちん』のことが取り上げられていた。こういうふうに、もっともっといろんなメディアでプッシュしてくれたらいいのになあ。まだまだ世間での認知度は低いのだから。

水曜日の夕方、TSUTAYA で映画『しゃべれども しゃべれども』のDVDを2泊3日で借りてきた。そしたらTSUTAYA では、昨日から3日間DVD(新作含む)レンタル料金100円フェアーだと。しまったなぁ。でもまぁ、そこそこ面白かったからいいか。

佐藤多佳子さんの原作を読んでたから、映画が始まって最初は「ちょいとイメージ違うよなあ」と思った。主人公の今昔亭三つ葉役の国分太一くんも、十河五月役の香里奈も、おばあちゃん役の八千草薫も。テニスコーチだった三つ葉の従兄弟はどこかへ消えてしまった。ま、その方がスッキリしてよかったのかもしれないが。代打・湯河原役の松重豊さんは、『ちりとてちん』のおとうさんだ。毎日更新されている彼のブログを読むと「天然パーマ」だったんだね。

原作では、村林少年が枝雀版「まんじゅうこわい」を発表会で演ずる場面が一番盛り上がるのだが、映画でもここが一番よかった。それから、今昔亭小三文一門会での三つ葉の演目は確か「茶の湯」だったはずだが、映画では「火焔太鼓」に替えられていた。これはよかったね。国分太一くん、上手かったなぁ。あと、新宿末広亭の場面に柳家三三さんが映っていて、セリフをしゃべっていたな。この映画の落語監修だったからか?

  今日は日曜日           2007/11/25 

■今日は午前10時半から、長野駅前の第一ホテルで「長野県小児科医会」秋の総会・研修会があるので、早起きして8時18分伊那市駅発の飯田線に乗り込むつもりでいた。車で行くには雪でも降ってきたらイヤだし、遠いし。だから電車で行こうと決めていたのだ。しかし、電車だともっと時間がかかる。長野まで2時間半。帰りは伊那着が17時53分になる。夜7時からは、伊那中央病院救急部の小児一次救急当番に出なければならない。

などと、あれこれ考えているうちに、長野行きがすっかり億劫になってしまい、結局キャンセルしてしまった。いやはや。じつは、小児科医会よりも聴きたい講演が伊那図書館であったことも理由のひとつ。同じ午前10時半から 伊那図書館・読み聞かせ講座「ひびきあう〜 読み聞かせ」講師:伊那小学校司書 矢口芙美子さん、があったのだ。矢口さんはいい声をしている。4年くらい前に、グリムか何かの彼女の「語り」を聴いたことがあるが、すごい。物語世界にグイッと引き込む魔力があるのだな。

今日は、『ふしぎなナイフ』に始まって、『としょかんライオン』『もりのなか』『光のたび影のたび』『ぼくのおべんとう』『わたしのおべんとう』『だじゃれ水族館』『ウラパンオコサ』『さんりんしゃにのって』などを読んでくれた。大人になっても、やっぱり絵本を読んでもらうのはホント楽しい。そういうことを再確認できた。

お昼は「こやぶ」で新そば。食後ヤマダ電機へ寄って、大画面の薄型テレビをいろいろと見て回る。結構安くなってきてるんだねえ。でも、どれがいいんだかサッパリ分からない(^^;; いったん家に帰って、西春近のコートで久々に家族でテニス。ダブルスで試合をしたが、知らないうちに子供らがどんどん上達していたんで驚いた。ラリーも続いて、ちゃんと試合になってるじゃん。

■夜は7時から9時まで伊那中央病院救急部の当番。今日は5人診た。家に帰ってから「BILLY's BOOT CAMP」の1枚目。基本プログラムとはいえ、もうついて行けない。ゴムバンドを使わなくても、こりゃ相当にキツイな。「グッドジョブ」にはほど遠い。

  白石加代子「百物語」特別編    2007/11/23 

■ただ今、BS2で、白石加代子「百物語」が始まった。三遊亭圓朝・作「江島屋騒動」と、筒井康隆・作「五郎八航空」の2本の朗読劇。それにしても、夜中に、白石加代子演じるところの「江島屋騒動」の「ばばぁ」を見るのは怖ろしすぎる。でも、どこかコミカルなところも随所にあって面白い。落語とも講談とも違って、不思議な味わいだ。以前、同じBS2で半村良・作「箪笥」をやってるのを見た。それはそれは不気味だったな。

■昨日の晩、「ワンツー・ブック」で「BILLY's BOOT CAMP」のDVD4枚組の中古品の出物を発見した。今までずっと「購入しようか? いや待て! どうせ無駄使いだろ。でも…、メタボはどうする?」と悩み続けて、結局は買わずにきたのだ。で、その中古品だが、例のゴムバンドは残念ながら付属してない。でも、4枚組で 2490円。おぉ!これは買いだ。と即決したものの、カウンターの中からこちらを見ていたオヤジと目が合ってしまった。

何となくバツが悪くなって、手にしたDVDを棚に戻してそのまま帰って来てしまった。でも、一晩悩んで今朝10時過ぎ、開店早々に店を再訪。大丈夫、まだ売れ残っていた。もちろん、今度はちゃんと買って帰りましたですよ。

 「今日までそして明日から」  2007/11/21 

■『ちりとてちん』今日の放送は、居酒屋「寝床」のシーンで、ラジオから泉谷しげるの「春夏秋冬」の終わりの部分が流された。相変わらずシブい選曲だ。10月中旬に、同じ様な設定で拓郎の曲がラジオから流れていたのだが、知らない曲だった。後でググッたら「吉田町の唄」という曲だったらしい。「今日までそして明日から」は勘違いでした。

ところで、関係ないけど「今日までそして明日から」は、映画『旅の重さ』のテーマ曲だった。主演は高橋洋子。まだ歯の矯正をする前の秋吉久美子のデビュー作でもある。1972年松竹作品。斎藤耕一監督は『津軽じょんがら節』(主演は江波杏子!)も好きだが、やはり『旅の重さ』か。大学1年の夏に、たしか土曜日の新宿でオールナイト上映を見た。同時上映が何だったかは記憶にない。高橋洋子は、神代辰巳監督の『宵待草』1974年(日活)の中で、ごろんごろんと浜辺をでんぐり返しするシーンも妙に印象に残っている。『旅の重さ』はファースト・シーンが鮮烈だ。まっ暗な画面の左側に、縦に光の線が入る。何かな?と思って見ていると、小屋の戸を主人公が中から開けるシーンだった。これは、ジョン・フォード『捜索者』へのオマージュか?

最近、別の映画で同じ様な場面に出くわした。南米ウルグアイの映画『ウイスキー』で、主人公の靴下工場の社長が、中からシャッターを開けるシーン。この場合、下から上へと光が広がっていった。すっとぼけた乾いたユーモアの奇妙な味わいの映画(ちょうど、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』みたいな)だったな。ウルグアイでは、記念写真を撮る時には「はい、チーズ」とは言わずに「ウイスキー」と言うのだ。面白いね。

 しつこく 『ちりとてちん』の話題  2007/11/19 

■先週の土曜日は、朝から号泣だ。しかも、家族全員で。小5の長男はティッシュの箱を抱えて、鼻水垂らしながらオイオイ泣いていた。彼は、同日夜7時半からのBS2再放送の時には、流石に涙は見せなかった。「録画も合わせると、今日はこれで7〜8回目だからね」と、照れながら笑った。それにしても、小草若の「寿限無」に泣かされるとはなあ。そうして、渡瀬恒彦がじつに上手い。「寝床」の高座に上がるスローモーションの場面。それから、高座に上がってお辞儀をしてから顔を上げて、ふっと表情が和む場面。スバラシイ。渡瀬恒彦と言えば、夏目雅子主演の映画『時代屋の女房』もよかったな。
「大阪南の幇間(たいこもち)一八に繁八という二人〜 供をいたしまして、鴨川を渡ります。どんどん西へ進んで御所も過ぎ野辺へ出てまいりますと、春先のことで、空にはヒバリがピーチクパーチクさえずって、下にはレンゲ・タンポポの花盛り。麦が青々と伸びて、菜種の花が彩っていようかという中、やかましい言うてやってまいります、その道中の陽気なこと!」
■脚本の藤本有紀さんて、あの「カクスコ」の舞台の座付き作家だったんだね。カクスコの生舞台は一度も見ることなく残念ながら解散してしまったが、NHKBS2で深夜に放送された舞台中継を何本か見た。冴えない男6人だけの舞台で、哀愁と懐かしさが漂いながらも、独特のおかしみにあふれた不思議な芝居で、劇中、6人がアカペラで歌うのも聴きどころだった。また見たいなあ。

■2ちゃんねるの関連板とか「桂吉弥さんのブログ」もチェックしているが、「こういうの」とか発見すると、うれしくなっちゃうね。明日の朝もまた楽しみだ!

 パパズ伊那 絵本ライヴ(その37)辰野町図書館・辰野西小「月丘の森文庫」  2007/11/17 

■土曜日の午後3時半から、辰野町図書館を会場に辰野西小学校の親子文庫「月丘の森文庫」主催のパパズ伊那絵本ライヴ。辰野町図書館は3回目、新町保育園、辰野西小でのライヴを合わせると、なんと5回目を数える。よく呼んでくれるねえ。ありがたいねえ。

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『はじめまして』
『へんしんプレゼント』あきやまただし(金の星社) → 伊東
『あし にょきにょき』深見春夫(岩崎書店)   → 北原
『あっぱれ アスパラ郎』川端誠・作(BL出版)→ 坂本

『かごからとびだした』
『パンツのはきかた』

『さかさのこもりくん』あきやまただし(教育画劇)     → 宮脇
『れいぞうこのなつやすみ』村上しいこ・文、長谷川義史・絵( PHP研究所) → 倉科

『うちのかぞく』
『ふうせん』
『世界中のこどもたちが103』

 二人の良心的兵役拒否者           2007/11/16 

■最近読んだ(読んでいる)2冊の本に、「良心的兵役拒否者」という聞き慣れない言葉が出てきた。1冊は『ジョン・バーニンガム わたしの絵本、わたしの人生』ジョン・バーニンガム著、灰島かり・訳(ほるぷ出版)で、もう1冊は『双生児』クリストファー・プリースト著、古沢嘉通・訳(早川書房)だ。

 わたしは子どものころ、トレイラーハウスで暮らすことが多かった。グロスターシャーやヘレンフォードシャーの人里離れた場所に、トレイラーハウスをとめると、しばらくのあいだは、そこが生活の場となった。第2次世界大戦のころのことだ。父は戦争のせいで失業し、職探しをせざるをえなかった。そこでファーナムにあった自宅を、ある医者に貸して、わたしたち一家はトレイラーハウスで、いなかを転々とした。行く先々で、父は便利屋のような仕事をしていた。父は当局に届けでた「良心的兵役拒否者」だったのだ。第1次世界大戦のときには出征し、勲章までもらったというのに……。

戦争について父はなにも語らなかったが、もっといろいろと聞いていけばよかったと思う。「両親にいろいろ聞いてみる日」という国民の祝日があるといいと、ずっと思っているんですがね!(『ジョン・バーニンガム わたしの絵本、わたしの人生』、15ページ)


 卒業後は、徴兵に行かずに、良心的兵役拒否者名簿に登録することにした。強い信念があったからではなく、父を喜ばせたかったからだ。本当を言えばそのころのわたしは、戦車の運転手の募集があったなら、飛びつきかねないほどだったのだ。兵役免除審査は、ブリストルでおこなわれた。わたしの前にいた申請者は、クエーカー教徒が行くパブリック・スクールの生徒で、首席だったらしい。彼なら合格まちがいなしと思ったが、不合格だった。

 わたしの番になると、判事が事前に提出していたわたしの申請書を読みあげて、こう言った。「フーム。この書類にはなんのごまかしもなさそうだ」。まわりに座っていたほかの判事たちの間には、反対という空気がただよっていたが、この一言でくつがえされた。(同上 ページ34〜35)
ジョン・バーニンガムは、その後の2年半を兵役免除者の奉仕活動義務として、森林管理公社、有機農法の農場、精神病院の搬送係、平和のための国際奉仕団でグラスゴーのスラム街の整備をしたり、イタリア南部の田舎で学校建設の手伝いや、イスラエルで運動場を作ったりしたのだという。

■プリースト『双生児』の双子の主人公のうち、ジェイコブ・ルーカス・ソウヤー(ジャック)は英空軍爆撃機操縦士になり、もう一人のジョウゼフ・レナード・ソーヤー(ジョー)は、1940年3月に「良心的兵役拒否者」と審査会で認められた。しかし、第2次世界大戦中に「良心的兵役拒否者」でいることは、周囲からの迫害、いじめ、嫌がらせの中で耐えられないほど大変だったようだ。それは、この小説を読めばよくわかる。ジョン・バーニンガムの父親は、よっぽどの信念と覚悟があったに違いない。


■小学館の『サライ』(12/6 号)の特集は、続「落語」入門。付録のCDには、柳家小三治の「千早振る」(H5/04/10 TBSラジオ)と、「うどん屋」(S57/12/23 TBSラジオ)に、三遊亭圓窓の「寿限無」(新録音)が入っている。これで750円は安い! お見逃しなく。

 山下洋輔トリオの面々が、タモリと初めて出会った博多の夜のはなし   2007/11/14 

『小児科医が見つけた えほんエホン絵本』(医歯薬出版)の92ページ『もけらもけら』の紹介文に、山下洋輔さんが当時素人だったタモリを九州博多で発見した時の話を書いたのだが、その詳細が記載された山下さんのエッセイ集『ピアノ弾きよじれ旅』か『ピアノ弾き跳んだ』(徳間文庫)を、ずいぶん昔に処分してしまったため、現在絶版で入手困難なこの文庫で原著を確認することはできなかった。

そしたら、現在「ほぼ日」で連載されている「高平哲郎さんのインタビュー」の最初に、その時の話が詳しく載っていた。そうかそうか、そうだったんだね。タモリの Wikipedia を見ると、もっと詳しく書かれている。人間、どこでどう人生が転ぶか判らない。面白いねぇ。

 『ちりとてちん』に登場する居酒屋「寝床」のBGMは何故か、吉田拓郎なのだ  2007/11/11 

■これからの1週間が、11月では一番厳しくハードだ。体調を整えて乗り切るぞ!

今日は、12時半に伊那図書館をなんとか終えて、いったん自宅へ帰り、午後は妻子を連れて山梨県甲府市へ。伊那インターに入る前に、春日街道の「蒼空(あおぞら)」でラーメンを食す。ここは初めて。なかなかに、うまいじゃないか。甲府昭和インターで中央道を下りて、山梨県立中央病院へ。今日は朝から「日本小児科学会・甲信地方会」が開かれているのだ。短時間だったがとにかく出席。

待たせていた家族と合流してから、山梨県立美術館へ行って、ミレーの「種をまく人」を初めて見る。先だって長男が、学校の道徳の授業で習ったと言って「貧乏で生活も苦しかったミレーを、親友のルソーが内緒でお金を出して援助する話」をしてくれたのだが、まさに、そのルソーの風景画も2枚展示してあって、息子と共に「おぉ!」と歓声を上げてしまった。これもいい絵だったな。ミレーの絵の中では、薄倖で短命だった彼の妻の肖像画が実に印象的。彼女のポーズは、あのモナリザと同じなのだ。

中央道の辰野付近で道路補修のため対面交通となっていて渋滞。家に帰り着くと、すでに18時20分。夕飯を食べる間もなく、あわてて着替えて伊那中央病院救急部へ小児一次救急の当番に出向く。よる7時から9時まで、第2診察室の椅子に座って待機していたのだが、結局一人も子供の患者さんは来なかった。こんな日もあるさ(^^;; おかげさまで、水曜日の午後に話すことになっている「アトピー性皮膚炎」の勉強がずいぶんと進んだ。それに、『双生児』クリストファー・プリースト著、古沢嘉通・訳(早川書房)を読み終えることができた。それにしても参ったなぁ、大森望さんの解説を読んでも、まだ何だかよくわからんぞ。でも、不思議と面白かったな。ずいぶんと長い中断を経た後は一気読みだった。

■最初は否定的な意見を述べた、NHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』だが、最近ではすっかり家族全員でハマってしまっている。いやぁ面白い! ゲラゲラ笑ったかと思ったら、オイオイ泣かされる。いったいどうなるのか続きが気になって、明日の朝が待ち遠しくて仕方ない。今日も、甲府までの道中は車中でずっと落語を聴いてきた。桂枝雀の「崇徳院」「次の御用日」だ。これ、DVDでも出ているはずだから、見てみたいね。

ひとつ気になっていることあって、キム兄ぃの居酒屋「寝床」の場面で、時々唐突に吉田拓郎が流されるのだ。前回のラストに流れたのは「人間なんて」だった。確か先々週は「今はまだ人生を語らず」が流れた。渋すぎるぞ(^^;) 先月に飯山へ行った時に倉科さんから聞いたのだが、「この曲」と、あの名曲「ペニーレインでバーボンを」に「シンシア」「襟裳岬」を収録したCD『今はまだ人生を語らず』は、現在廃盤で入手困難なのだそうだ。なんでも「ペニーレイン…」の中の歌詞に、放送禁止用語があったとかで、メーカーが販売を取りやめにしたままなのだとか。 いずれにしても、今度は拓郎のどの曲が流れるのか楽しみだな。
 

 伊那中学校の生徒さん、職場体験にやって来る      2007/11/07 

■今年も、中学生の職場体験学習を2人受け入れることにした。ところが、例年1日で終わっていた実習が、今年から2日間に延長されたのだという。しかも、連休明けの11月5日(月)6日(火)の2日間。正直これは困った。連休明けの月曜日は、戦場のように慌ただしくて、中学生のお相手など悠長にやってられないからだ。でも仕方がない。無理言って何とかスタッフに頑張ってもらい、2日間を乗り切った。

火曜日は、午後1時半からの南箕輪村乳児(4カ月)健診に同行してもらった。看護師さん、それに保健師さんの仕事も見てもらいたかったからだ。中学2年生の女の子2人は、将来看護師さんになることを目指して頑張って努力してくれるだろうか? だといいな。

今回の実習に際して、担当の先生からは「子供たちに働くことの意義を教えてやって欲しい」と言われていた。じつに難しい要求だ。ぼくは、高塚人志先生がよく言う「役立ち感」に関して彼女らに話した。「医者をやっていて一番うれしいことはね、病気の子供が元気に回復して『せんせい、ありがとうね!』って言ってくれた時さ。自分が、他の人から感謝されている。役に立っている。そう思うと、よし明日も頑張ろうって力が出てくるのさ(^^)」

なんだかカッコつけちゃったな(^^;;

 パパズ伊那 絵本ライヴ(その36)伊那市立図書館      2007/11/03 

■地元の図書館に久々の登場。ちょうど3年前、前回の絵本ライヴの時も、会場の視聴覚室いっぱいの親子連れが集まってくれたが、今回も同じくらい(大人、子供あわせて80人以上)見に来てくれたよ。ほんと、ありがとうね。それから、今回特筆すべき点は、会場に「おとうさん」が14〜5人も来てくれたことだ。うれしいじゃないか!

『はじめまして』
『ぼくのかわいくないいもうと』浜田桂子(ポプラ社) → 伊東
『どうぶつしりとりえほん』薮内正幸(岩崎書店)   → 北原
『どろぼうだっそうだいさくせん』穂高順也・文、西村敏雄・絵(偕成社)→ 坂本
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『かごからとびだした』
『パンツのはきかた』
『いいからいいから2』長谷川義史(絵本館)     → 宮脇
『ちゃいますちゃいます』内田麟太郎・文、大橋重信・絵(教育画劇) → 倉科

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『ふうせん』
『世界中のこどもたちが103』



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