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しろくま 不定期日記


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●「不定期日記」●

『人はなぜツール・ド・フランスに魅せられるのか』土肥志穂(小学館文庫)   2009/07/30 

■7月29日(水)午後1時20分から1時間、母子通所施設小鳩園で7人のおかあさん方の前でおはなし。と言っても、準備ができてなかったので、前半は絵本を読んでお茶を濁す。

1)『かあさんになった あーちゃん』 ねじめ正一・作、長野ヒデ子・絵(偕成社)
2)『ひまわり』和歌山静子・作(福音館書店)
3)『もりもりくまさん』長野ヒデ子・作、スズキコージ・絵(すずき出版)
4)『ぜつぼうの濁点』原田宗典・作、柚木沙弥郎・絵(教育画劇)
5)『いいこってどんなこ?』ジーン・モデシット文、ロビン・スポワート絵(冨山房)

『もりもりくまさん』は、最近一番のぼくのお気に入りだ。絵がいい。テキストがいい!

     もりもり くまさん もりの なか
     もりもり もりもり もりの うち わお!
 
こりゃぁ、調子いいじゃないか? 思わず歌いたくなるようなフレーズ。でも、この絵本に楽譜は付いていない。そこで火曜日の夜、ギター片手に作曲にチャレンジだ。ただ、悲しいかな。ぼくが曲を付けると、どうしても「どっかで聴いたことのあるフレーズ」になってしまうのだ。チャッチャ、チャチャ、チャッチャ、チャチャ。という『てんとう虫のサンバ』リズムで曲を考えてたら、「アルプスワインで、ヒョロレイヒー。あーなたと私でヒョロレイヒー」と同じになってしまった。これでは盗作だ。いけないいけない。

そこで、ギターでコード進行を工夫し、ト長調で「G Bm C D7 ソッソソ ファーレー、ミーミソソ レー」って弾いてたら、ぼくの横で宿題をしていた長男が突然歌い出した。「パフ ザ マジック ドラゴン、リブズ バイ ザ シー」と。おぉ〜、知らず知らずとPPMをパクッてしまっていた(^^;; 作曲は難しいね。

結局、【G Bm G D7】ソッソソ ファーミレ、レーレレミ レー、【C G Am D7】ドードドド シーシシシ ラーラララ レー   の節で、おかあさん方の前で歌った。やっぱり、いまいちだったな(^^;;; 作曲のし直しだ。


■小鳩園を後にして、ドルチェ・カリーナでジェラートを注文し、伊那中央病院へ。1カ月前から入院している母の病室のベッドサイドで『人はなぜツール・ド・フランスに魅せられるのか』土肥志穂(小学館文庫)を読み始める。意識もない自発呼吸もない体動もない母の眠る病室では、レスピレーターの規則正しい音が響くだけだ。だから結局、入室してすぐ「おかあちゃん、来たよ!」って、母の髪を撫で、手をギュッと握った後は、時々母の顔を見ながら椅子に座って、本でも読んで時間が過ぎるのを待つしかないのだった。

この文庫本は薄かったので、その日のうちに読了した。面白かったな。まだまだ「ツール・ド・フランス2009」の余韻に浸っていたいのだよ。なにせ、表紙が向こうに凱旋門が見えるシャンゼリゼだからね、否が応でも別府史之の奇跡の逃げが僕の頭の中でリピートされるのだ。正直、彼のことはよく知らなかった、このツールが始まるまでは。ほんと、ごめんなさい。この本を読んで初めて知ったのだが、別府選手はぼくと同じ、男だけの3人兄弟の末っ子なんだね。それにしては、根性すわっていたな。後半に行くに従って、どんどんどんどん調子を上げていった。ほんと、スッごかったぜ! ありがとう、別府史之。そして、新城幸也!

 ランス、がんばれ!        2009/07/25 

■昨日のツール・ド・フランス第19ステージは、死の山モン・ヴァントゥー頂上決戦への手前の単なる移動ステージかと思われたのだが、別府史之が魅せてくれました!! すごいすごい!! 並み居る世界のスプリンターを差し置いて、ステージ7位でゴールの偉業を成し遂げたのだ。すごいすごい!! 感動したなぁ!

「スキルシマノ」という、甲子園で言えば誰も知らない初出場無名チームの一員として、しかもアシストに徹し、ボトル配りもしながらもトップ集団に留まり、素人のジャポネはどけ! と罵声を浴びながらも決して屈することなく好位置につけ、ラストで持てる力の全てを出し切った別府史之。感動したぞ!!

アメリカのメジャーリーグで初めて認められた野茂、そしてイチロー。彼らが今日の地位を築くのは、ものすごく大変なことだったと思う。自転車競技は、日本では「競輪」のトラック競技のイメージが強く、スポーツというよりもギャンブルだし、日本人にはあまり好感度が高くない競技だと思う。でも、自転車はトラックとロードレースではぜんぜん違うのだよ。野球の本場アメリカで活躍することよりも、ツール・ド・フランスに日本人として参加することのほうが難易度は高い。しかも、3つのステージで10位以内の入賞を果たし、別府、新城2人とも見事に3週間完走した。それなのに、日本のメディアは無視したまま。なぜだ?

志穂さんのレポートには感動したな。

さらに、Yuki Ogawa さんのレポート「スキルシマノ」の特集が読ませる。さあ! 明日はパリ・シャンゼリゼ。選手たちはフランス全土を走り廻って、ようやくラストを迎える。毎日、毎日200キロメートル近く走り続けてきたのですよ。スッゴイなぁ。超人コンタドール! 鉄人ランスもよく頑張ったぞ! 新城は、明日たぶん魅せてくれることでしょう。がんばれ!ニッポン。

 『単純な脳、複雑な「私」』池谷裕二(朝日出版社)も182ページまで読中     2009/07/23 

■池谷裕二さんの本は『記憶力を強くする』(講談社ブルーバックス)が出た時から読んでいるが、みんな面白い。この最新作もぐいぐい読ませる。「前適応 pre-adaptation」の考え方は面白いなあ。松岡正剛センセイは、ワニの脳(脳幹部)と、ネズミの脳(大脳辺縁系)の上に人間の脳(大脳皮質)が乗っかった「三つの脳」がいっしょになって同時に機能しているのが「われわれの脳」なのだと言った。池谷先生はさらにこう言っている。
僕らの「心」の働きは、動物たちが長い進化の過程でつくり上げてきた脳回路を巧妙に使い回して、その合わせ技の上に成立している。(中略)おそらく、進化の過程で、動物たちは他者の存在を意識できるようになった。そして次のステップでは、その他者の仕草や表情を観察することによって、その行動の根拠や理由を推測することができるようになった。他者の心の理解、これが社会性行動の種になっている。

 しかし逆に、この他者モニターシステムを、「自分」に対しても使えば、今度は、自分の仕草や表情を観察することができるよね。すると、他者に対してやっていたときのように、自分の行動の理由を推測することができるようになる。これが重要なんだ。
 僕は、こうした他者から自己へという観察の投影先の転換があって、はじめて自分に「心」があることに自分で気づくようになったのではないかと想像している。(p180, 181)
発想の逆転。ゾクゾクするような、ほんと面白い考えだよなあ。

■ネット上に、『単純な脳、複雑な「私」』という特設サイトが用意されていて、32ページの「ピンクの斑点」の動画や、42ページの「15ドットの人間」の動画を体験することができる。これまたすっごく不思議で面白い。

 講演で言ってることと全然違って、自らメディア漬けの毎日     2009/07/22 

■なんか、言ってることとやってることが全く違う。言動不一致もはなはだしい。まぁ、いつも妻に言われていることではあるが……。つい先だっての7月12日(日)に、長谷小学校で行った講演会で「すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます」と話してきたばかりなのに、昨日も今日もおとといも、CSで「中日×広島」戦を見て、続いて「ツール・ド・フランス」を午前1時まで見ている。それ以外にネットに繋いでいる時間もバカにならない。でもね、家族全員で応援している中日ドラゴンズは8連勝だし、ツールは後半の山場を迎えて目が離せないのだよ。スミマセン。

それにしても、今日もランスはよく頑張った。ダークホースのウィギンスに睨みを効かせ徹底マーク。ウィギンスが力尽きた時点で、ようやくランスがアタック。先頭の4人を追走した。アシストの仕事人に徹した訳だ。凄い。ルクセンブルクのシュレク兄弟も、今日は見せてくれたな。昨年の覇者サストレも、総合2位だったカデル・エバンスも生彩を欠き優勝争いから早々脱落してしまったので、鉄壁のアスタナ軍団に果敢に立ち向かうことができるのは、もはやチーム・サクソバンクのシュレク兄弟(弟:アンディ・シュレク、兄:フランク・シュレク)しか残っていないのだ。しかも、サクソバンクの強力アシスト、フォイクトが第16ステージの下りで落車事故を起こし(落車時のリアルな映像を見た。痛そう! 肩と頭を強打して意識消失した模様)そのまま入院してしまい戦線離脱した。そんな中で、今日のシュレク兄弟はほんとよく頑張った。偉いぞ! 明日は、個人タイム・トライアル。総合上位を狙う面々の走りに注目。やはり見逃せませんぜ(^^;;

『落語論』堀井憲一郎(講談社現代新書)読了。『水深五尋』ロバート・ウェストール作、金原瑞人・訳、宮崎駿・画(岩波書店)は104ページまで読み進む。物語が動き出した。冒険あり、スパイあり、淡い初恋ありと、面白くなってきたぞ!

『ユウキ』伊藤遊(福音館書店)を入手した。ところで、伊藤遊さんて、女性だったんだね。ビックリした。『空飛ぶ馬』を読んで北村薫のファンになったのだが、『スキップ』のあたりで、北村薫さんが高校の男性国語教師であることが判明してビックリした時以来の驚きだ。

 伊那のパパズの活動を、まとめ直しました     2009/07/19 

■東京の本家「パパ's 絵本プロジェクト」が、HPを作り直した模様だ。ついては、われわれ「伊那のパパズ」のサイトへもリンクしてくれるという。ありがたいことだ。ただ、できればぼくら伊那のパパズ・メンバー5人のプロフィールが欲しいとのこと。その作製にはちょっと時間がかかりそうなので、■おとうさんの絵本読み聞かせ隊 愛育ねっと「子育て支援の実践」をご参照下さい。

■それにしても、コンタドール強すぎ! なんか、予想通りの展開でイヤになっちゃうな。

 映画 『シッコ』 マイケル・ムーア監督作品     2009/07/17 

■『どんとこい、貧困!』湯浅誠、248ページより、以下引用。
 げー、カンベンしてくれよ。じゃあ活動家って、ヒーロー気取りのヤツのこと? いい子ちゃんぶってるヤツのこと? 空気読めずに、自分だけ正しいと思ってるヤツのこと?
 そう。活動家というのは、そういうふうに言われている人たちのことだ。子どもの世界でも大人の世界でもまったく変わらず、そうやって煙たがられている人たち。それを「活動家」という。「うるさくて、うざい」と言われている厄介者たちだ。
アメリカの映画監督、マイケル・ムーアは、まさにこの定義通りの活動家のイメージだ。うるさくて、うざいデブ。だからと言ってはなんだが、ぼくは彼の映画を見たことがなかった。ところが先月末だったか、CS「ムービープラス」チャンネルでマイケル・ムーア監督の映画『シッコ』をやっていて、たまたま見たのだがもの凄く面白かった。深夜だったので残り45分は録画し、ラストはつい先日見終わった。じつによく出来た映画でほんと感心した。

■小泉純一郎と竹中平蔵が目指した「聖域なき構造改革」とは、結局はアメリカの言いなりだったワケで、その先にあったのは「自己責任」の名の下にワーキングプア層と派遣労働者が貧困スパイラルの「すべり台」を奈落の底へ一気に落ちていっただけだった。怖ろしいことだ。このままアメリカを追従してくと、きっと国民皆保険もなくなってしまうよ。怖ろしいぞ。

映画のラストで、マイケル・ムーアは確かこんなことを言った。「結局ぼくらは、同じボートに乗る乗客だ。もしボートが沈没したら、みんな溺れるか、それとも、みんなで助け合っていっしょに泳ぐかのどちらかだ」と。それじゃあ、日本の「セーフティネット」はアメリカと比べて完璧か? と言ったらとんでもない話で、ネットは穴だらけなんだね。映画でも、フランス、カナダ、イギリス、そしてキューバの医療が紹介されているが、日本とは全然違う。あの、チェ・ゲバラの娘さんがキューバで小児科医をしていて、マイケル・ムーアのインタビューに応えているのだが、彼女の言葉を聞いて感動してしまった。いいこと言ってるんだ。

■マイケル・ムーア監督に、さんざん悪く言われた「アメリカの医療体制」だが、アメリカにも、映画では触れられなかった「唯一の優れた医療制度」がある。それは、小児への徹底した予防接種だ。ワクチンで予防可能な病気があるならば、どんどん予防接種に取り入れる。Hib ワクチン、7価の肺炎球菌ワクチンなどなど。その方が最終的に医療費を安く押さえることができるという、実にアメリカ的で合理的な考えとも言える。それに引き替え、日本の子供たちに対する定期予防接種の種類の少なさといったら、本当に恥ずかしい限りだ。

 『どんとこい、貧困!』湯浅誠・著(よりみちパン!セ/理論社)    2009/07/15 

■ベストセラーになった『反貧困』湯浅誠(岩波新書)は、ずっと気になっているものの未読のままだったのだが、『日本という国』小熊英二、『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子が、なかなか読み応えがあって面白かった理論社「よりみちパン!セ・シリーズ」から、昨年末の「年越し派遣村」村長として一躍有名になった湯浅誠氏の新刊が出たので、早速読んでみた。『どんとこい、貧困!』湯浅誠・著(よりみちパン!セ/理論社)だ。なるほど、この人の文章は分かりやすくて説得力がある。それから、読んでいて前向きな気持になれることが一番の特徴か。

もともとこのシリーズは、中学生が読んでも理解できるように企画されているので、湯浅氏はいつも以上に「分かりやすく」記述することを念頭に置いたようだ。だから、最初の「イス取りゲーム」の喩えは、すとんと胸に落ちた。それから、これでもか、これでもかと繰り返される「自己責任論」が如何に間違っているかを、丁寧に丁寧に解説してくれる。そうか!「そうじゃない」んだ。よーく分かったぞ。誰だって努力すれば救われるという「がんばり地獄」に陥ったら、それこそ「無限地獄」なんだ。

そうじゃなくって、人間は「溜め」が大きい小さいの「差」で、かなりのものが決定されてしまうのだね。「溜め」とは何か? 湯浅誠さんは P44〜45で、こう言っている。
 さっきから「条件」という言葉を使っている。「がんばるための条件」とか「その人が持っている条件」とか。この「条件」を、私はべつの言葉で”溜め”と言っている。”溜め”というのは、人を包むバリアーのようなもの。人は誰でも”溜め”に包まれて生きている。お金があるのは、金銭の”溜め”があるということ。頼れる人がまわりにたくさんいるのは、人間関係の”溜め”があるということ。そして、「やればできるさ」「自分はがんばれる」と思えるのは、精神的な”溜め”があるということだ。
人間、生きていく上でハングリー精神は必要だと言う人はいるが、武士は食わねど高楊枝とはいかない。日々寝るところも無ければ食い物もない、という状態では「前向きに生きよう!」なんて気持はおきないよ。腹が減っては戦はできないのだ。「貧乏」と「貧困」とは違う、ということを、この本を読んで初めて知った。「貧困スパイラル」は怖ろしい。

■しかし、この本の読み所は前半の状況分析にあるのではなくて、むしろ後半のパートに重きが置かれている。じゃぁ、ぼくらに何ができるのか? どう行動を起こせば「世の中」の構造が変わって風穴が空くのか? そういうことが書かれている。そのことが何よりもすばらしい。活動家として、市民として、もっともっとわれわれは文句を言ってゆかなければならないのだ。諦めないでね。これはいい本でした。オススメの1冊。

■北村薫氏、直木賞受賞! おめでとうございます。直木賞候補になって6回目。取れて本当によかった。

 伊那のパパズ絵本ライブ(その54) 伊那北小学校親子文庫    2009/07/12 

■日曜日11時から、伊那北小学校親子文庫。たくさんの聴衆にビックリ。100人以上はいたな。おとうさんも12〜13人来ていた。よく集めてくれました。伊那北小学校親子文庫のみなさん、伊那北小図書館司書の小松先生、本当にありがとうございました。

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■本日のメニュー■(久々に、メンバー5人勢揃い!)

1)『はじめまして』
2)『うえきばちです』川端誠・作 BL出版 (2007/09)  → 伊東
3)『かあさんになった あーちゃん』 ねじめ正一・作、長野ヒデ子・絵(偕成社)  → 北原
4)『むかしむかし とらとねこは…』大島英太郎文・絵 (福音館書店) → 坂本

5)『うちのおばけ』谷口國博・文、村上康成・絵(世界文化社)
6)『ねこのおいしゃさん』ますだゆうこ・著、あべ弘士・絵(そうえん社)

7)『いいからいいから2』長谷川義史さく(絵本館)→ 宮脇
8)『れいぞうこのなつやすみ』村上しいこ・文、長谷川義史・絵 PHP研究所 (2006/05) → 倉科

9)『ふうせん』
10) 『せかいじゅうのこどもたちが』

 気がつけば、ツール・ド・フランスは今日もう、第9ステージ    2009/07/12 

■この7月19日(日)日比谷野外音楽堂で、山下洋輔トリオ結成40周年記念コンサートが開催される。中村誠一、森山威男、坂田明、小山彰太、武田和命(幽霊で出演)から菊地成孔まで、歴代メンバーが日比谷野音に集結するのだ。これは凄いことだぞ!

その前宣で、先日のテレビ朝日「題名のない音楽会」に、山下洋輔、森山威男、坂田明それに、タモリと、豪華メンバーがテレビ出演した。ぼくは残念ながらリアルタイムで見ることができなかったのだが、便利な世の中で「YouTube」を検索したら、ちゃんとアップしてくれる奇特な日本人がいた。ありがたいことです。森山さんの動く映像が、若かりし頃から40年後の現在まで、このようにちゃんとフォローできるとは思わなかったな。

http://www.youtube.com/watch?v=7Vs12vyo6ts

http://www.youtube.com/watch?v=E0Wjlsd3cTM&NR=1

http://www.youtube.com/watch?v=F9sGj5dwOYs&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=sCN4UOhpFOk&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=NghGx-Vw5zQ&NR=1

http://www.youtube.com/watch?v=CD3Q060KI28&NR=1

http://www.youtube.com/watch?v=mSM6qSVxOqY&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=RO6Ir6wq8iA&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=dav9whKK3tg&feature=related

■なんやかや言って、今年のツール・ド・フランスは面白い! ランス・アームストロングは、確かに「アスタナ」の司令塔・参謀ではあるのだが、チームのエースはやっぱりコンタドールなんだね。だからかどうかは分からないけれど、チーム・アスタナは、すぐにでも取れるのに「マイヨジョーヌ」を取りにはいかない。何故なら、レースはまだあと2/3も残っていて、最終日のシャンゼリゼでアスタナのチームメンバーの誰かが「マイヨジョーヌ」を着れればそれでよいのだ。

だから、アスタナがプロトンを制御しつつも、けっこう簡単に先行逃げ切りグループを容認する。例年に比べて、今年は「逃げ」が成功する確率が高いのではないか? 今日もそうだった。だからかもしれないが、例年に比べて、地元フランス人が頑張ってステージ優勝をかっさらうシーンをよく見るような気がする。今日もそうだった。これは珍しいことなんじゃないだろうか。日本人選手の二人(別府・新城)は、昨日も今日もグルペット(ドンケツ集団)に混じって規定時間内にきっちりゴールした。偉いぞ! 明日は休息日だからしっかり休んで、明後日からのスプリント勝負に絡んできて欲しいものだ。

■ツール・ド・フランスと言えば、自転車乗りで、読書家で、活字中毒者でもある八ヶ岳オーガニックの瀬戸さんのブログをチェックすると、なるほど、ぼくのようなツール・ド・フランス新参者には分からない深い考察が成されていて勉強になるのであった。素人のくせして、勝手に知ったかぶりばかりで、本当にごめんなさい。反省してます。

 気がつけば、ツール・ド・フランスは今日もう、第5ステージ    2009/07/08 

■6月8日(月)から「ためしてガッテン・計るだけダイエット」実践ダイアリー(グラフ)を付け初めて、ちょうど1カ月経った。スタート時の体重は、83.7kg。6月15日(月)には、84.2kg まで増えてしまったが、今朝体重計に乗ったら、81.4kgだった。結構がんばったのではないか。もちろん、ただグラフを付けていただけじゃなくって、私的にバタバタしていたにも関わらず、テルメには16日通って「ブルブル」10分間の後、トレッドミルで6〜7km走った。夜10時過ぎにナイスロードを市役所の先まで走ったり、土日に三峰川沿いを7km走ったのを入れれば、この1カ月で 120km 以上走ったことになる。よく走ったね。今後も続くかな? 80kgを切るのはいつの日か? けっこう厳しいぞ!

■8月末の土日は外来小児科学会が大宮であって伊那を留守するので、ぼくは参加できないのだが、その週末に高遠町で開催される「高遠ブックフェスティバル」のことが気になってしかたがない。つい先日、「詳しい日程」が発表された。何と! 作家さんが2人も高遠に来る。しかも、あの角田光代さんといしいしんじさんではないか! ぼくの大好きな作家さん。飯沢耕太郎、都築響一も来るぞ。あぁ、この日に高遠にいたいなぁ。ダメかな。

■それにしても、今年の「ツール・ド・フランス」は連日目が離せない。じつに面白い! まさか、今日の第5ステージで「逃げ」が決まるとは、思いもよらなかった。しかも連日、日本人選手2人がただ参加してるだけじゃなくて、ちゃんとステージ優勝に絡んでくるのだから凄いね。新城幸也、別府史之、いい選手だな。パリ・シャンゼリゼまで何としても完走して欲しいぞ!

面白かったと言えば、昨日の第4ステージ「チーム・タイムトライアル」は凄かったな。難しいコースで落車が相次いだ。今年は、チームCSCがいないので(これは間違い。チーム・サクソバンクに名前が変わっただけでした。すみません)レースを引っ張るのはやっぱり、コンタドールとランス・アームストロングを擁する「アスタナ」だ。ツール・ド・フランス7連覇を果たして現役を引退し、ソファーに寝そべってポテチ片手にTV観戦を3年間続けていたはずのランス・アームストロングが、肉体の衰えも隠せない37歳にして突如現役復帰したのは大きなニュースだったのだが、アスタナ・メンバーとして参加したジロ・デ・イタリアでは鎖骨骨折の後だったりして結局総合12位と大した結果は残せず、期待したファンはみながっかりしたのもだ。

だから、ツール・ド・フランスでのランス・アームストロングの復活を、案外誰も期待していなかったのではないか? 現実は厳しいのだ。ところがどっこい! ランスはツール・ド・フランスに合わせて体調を整えてベストの仕上がりに持ってきていたんだね。ランス・アームストロング、凄すぎ! ぼくはすっかり、レース4日目にして早くもランス・アームストロングがマイヨジョーヌの黄色ジャージに袖を通すのか! と感慨にふけっていたら、なんとなんと、タイム差ゼロで1位はカンチェラーラーのまま。さぞや、ランスは口惜しかったことだろうな。

ツールはまだまだ序盤選。これからスペイン・バルセロナに入ったあと、ピレネー山脈の山岳コースが始まる。37歳のロートル、ランス・アームストロングはどこまで頑張れるのか? はたして、マイヨジョーヌは着れるのか? 新城、別府はどうか? まだまだ目を離せない日々は続く。うれしいな(^^)

 伊那市子育て支援課主催の伊那のパパズ絵本ライブ(その53) at 伊那図書館視聴覚室  2009/07/04 

■4月の富士見町図書館以来、久々の「伊那のパパズ絵本ライブ」。メンバーの坂本さんは、飯田で小風さちさん(あの松居直氏の娘さんで、なおかつ「わにわに」の作者)の講演会があって欠席。今日は残りの4人でステージをつとめた。小さい子や女の子を連れた親子が60人くらい集まってくれたかな。お父さんもけっこう来てくれていた。うれしいぞ(^^)

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■本日のメニュー■

1)『はじめまして』
2)『まめうしくんと ABC』あきやまただし・作(PHP)  → 伊東
3)『うみじじい』菅瞭三さく(こどものとも 1999年8月号 通巻521号)  → 倉科
4)『かごからとびだした』

5)『かさぶたってどんなぶた』小池昌代・編(あかね書房)より、「お経」と「おならうた」→ 宮脇
6)『うちのおばけ』谷口國博・文、村上康成・絵(世界文化社)
7)『ねこのおいしゃさん』ますだゆうこ・著、あべ弘士・絵(そうえん社)

8)『おべんとう』小西英子・さく(こどものとも年少版・2009年4月号)→ 北原
9)『ふうせん』
10) 『せかいじゅうのこどもたちが』

以上でおしまい。6)、7)は初演。緊張したな。

■次回は、来週の日曜日7月12日、午前11時から、伊那北小学校親子文庫でやります。

 竜東保育園年少組の内科健診         2009/07/03 

■昨日の木曜日は、昼休みに竜東保育園年少組の内科健診。終了後、3時のおやつの時間の前に年少組で絵本を読む。「たのしい絵本と、おいしい絵本と、こわ〜い絵本を持ってきたけど、どれがいい?」って訊いたら、「たのしいの!」「こわい絵本!」と、子供らはてんでに叫ぶので、結局ぜんぶ読んだ。

1)『もけらもけら』山下洋輔・文、元永定正・絵(福音館書店)
2)『たぬきのじどうしゃ』長新太・作(偕成社)
3)『おべんとう』小西英子・さく(こどものとも年少版・2009年4月号)
4)『三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン・絵、瀬田貞二・訳(福音館書店)


 『みのたけの春』志水辰夫(集英社)感想         2009/06/29 

■久々の志水辰夫だった。長編で読了したのは、もしかして『裂けて海峡』以来か? それにしても地味な小説だったな。幕末が舞台なのに有名人が一人も出てこない。京都から北西に40里ほど離れた北但馬(いまの兵庫県香美町あたりか。城崎温泉の西内陸部)の山村で暮らす二十歳の郷士(ごうし:農村で農業を行っていた下級武士。または苗字帯刀を許された百姓)榊原清吉が主人公。彼がこれまたほんとに地味なのだ。時代劇の主役から最もかけ離れているような目立たない人物。

3月に読み始めたのだが、なかなか物語の中に入って行けず、60ページぐらいで止まったままだった。しかし、主人公の親友、諸井民三郎が貞岡陣屋の役人と刀傷沙汰を起こし、逃亡してしまってから急に物語が動きだした。結局この土日で残り300ページ弱を一気に読み終わってしまったのだが、いや、面白かった。北上次郎氏は「志水辰夫のナンバーワン!」とまで言ってはいるが、ぼくはそこまでは思わなかったな。最高作はやっぱり『背いて故郷』でしょ。でも、しみじみと心に深く残るいい小説だった。星四つか。

■この小説はたぶん読者を選ぶに違いない。主人公は二十歳の青年だが、同年代の若者が読んでも面白くないと思う。実際に、年老いた母親がいる50〜60代の男性が読むと一番心に沁みるのではないか。若い頃は「青年よ大志を抱け!」の言葉どおり夢を追いかけたこともあったが、結局は故郷に錦を飾ることもなく、平凡な無名人のままで仕事も現役引退の日は近い。親の介護もしなければならない。でも、人生それでいいんだよ。それでよかったんだよ。そう作者が言ってくれているような気がする。時代小説ではあるが、まさに先の見えない現代を生きるわれわれを照射しているのだ。

 鴨が鳴いた。二羽の鴨が庭を波形に飛んで横切っていった。
 木立の向こうに氷ノ山が見える。ところどころ縦に白く残っているのは雪だ。遠くは薄霞で、近くは萌葱色。色づきはじめた山の木々が、眠気を誘うような色で萌えている。毎年毎年繰り返されている春。それがいままた目の前にある。
 この風景のなかに、自分のすべてがあるといまでは思っている。すぎてみれば、人の一生など、それほど重荷なわけがない。変わりばえのしない日々のなかに、なにもかもがふくまれる。大志ばかりがなんで男子の本懐なものか。(317ページ)

母子、兄弟、夫婦、師弟、親友。人間はけっして一人では生きてゆけない。いろんな人間関係の中で、助け助けられ、支え合って生きているのだ。そんな当たり前のことをしみじみ思った。主人公の親友、諸井民三郎の弟妹たちが兄ちゃん思いで、その健気さに泣かされる。ちょうど、バッターの左門豊作に対して星飛雄馬が投球モーションに入ると、突然、飛雄馬の両腕や足にしがみついて妨害する左門豊作の幼い弟や妹だちのようだ。

 清吉にできることは、時間をかけて揉みほぐしてやることぐらいだった。手であれ、足であれ、肩であれ、背中であれ、布団に手を入れて患部を乾いた布でつよくこすり、すこし血の巡りがよくなってきたら、丹念に揉みほぐしてやるのである。(中略)
 ただその効果がほとんど出ないときもあった。母はそれをなにものにもましてすまながった。
「つらいのう、清吉。生きているのがつろうてならんよ。おまえのためにも、長生きなどしちゃいけんと、いつも考えてるんだ。けどその一方で、いつまでも生きて、こうやって、おまえの世話になっていたいわ。いつまでも手をわずらわせていたい。おまえのそばに、いつまでもいさせてもらいたいんだ。おまえの世話を受けることが、うれしくてうれしくてたまらんのだよ」
 そう言ってぽろぽろ涙をこぼした。(219ページ)
この場面と、それから、酒に酔った恩師から「きみはなぜ行かないんだ」と主人公が問われるシーン(p230〜232)を、たまたま母が眠るベッドサイドで読んだものだからモロにぐさっときた。涙があふれた。(7月3日追記)

 『みのたけの春』志水辰夫(集英社)読了         2009/06/28 

■6月24日(水)〜26日(金)まで、高遠中学校2年生男子生徒の繁野くんが職場体験学習で来ていた。まじめでさわやかな好青年だった。木曜日の昼休みに竜東保育園年中組の内科健診の予定が入っていたので、繁野くんにも1冊絵本を読み聞かせしてもらうよう事前に話しておいたのだが、ぼくの都合で健診が急きょ延期になってしまった。せっかく準備してきてもらったのに申し訳ないことをしてしまった。

そこで、翌26日(金)の昼休みに「いなっせ」7Fちびっ子広場で、4カ月ぶりのおはなし会(テーマは新型インフルエンザ)を僕がさせてもらった後に、繁野くんに絵本を読んでもらった。0歳児、1歳児を連れたおかあさんが対象の会だったので、子供たちへの読み聞かせと言うよりも、母親への読み聞かせになってしまったのだが、繁野くんは落ち着いて堂々と読み、おかあさん方は最後までじっと聴き入っていた。いや感心したな。たいしたもんだ。

1)『あめかな!』U.G.サトー(こどものとも 0.1.2. /2003/7月号) → 北原
2)『ごぶごぶ ごぼごぼ』駒形克己さく(0.1.2. えほん 福音館書店) → 北原
3)『999ひきのきょうだいのおひっこし』木村研・ぶん、村上康成・絵(ひさかたチャイルド  2004/03) → 繁野くん


■『みのたけの春』志水辰夫(集英社)読了

 『怪物が街にやってくる』今野敏(朝日文庫)         2009/06/24 

■警察小説の雄、今野敏氏のデビュー作が、『怪物が街にやってくる』というジャズ小説集だったとは知らなかった。その幻の単行本が、今月、朝日文庫から文庫化されて再登場となったので、早速買ってきて読んでみたら驚いた。いや、心底ぶったまげた。知ってる人、知ってる場所がいっぱい登場する。西荻窪のライブスポット「テイク・ジャム」って、「アケタの店」のことでしょ。ぼくも何度も足を運びましたよ。

そうして、武田巌男カルテット。これは誰がどう見たって森山威男4だ。高橋知己(ts,ss) 板橋文夫(p) 望月英明(b) 森山威男(ds)。小説で新宿のJJハウスとなっているのは、紀伊國屋書店裏の「新宿ピットイン」だね。森山威男カルテットのピットインでのライブ(1977年/3/1 ,2) を収録したのが、このレコード『フラッシュ・アップ』だ。B面1曲目が、例の「朝日のごとくさわやかに」。小説を読んでいたら、頭の中で彼らの音が鳴り出した。森山さんがドラムを叩いている姿が、そのまま目に見えるようなリアルすぎる文章。すごいすごい! 

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彼らの宿命のライバル、上杉京輔トリオは言うまでもなく、森山さんが初代ドラマーとして在籍していた山下洋輔トリオのことだ。さぁ、この二人の怪物の対決に向けて小説が盛り上がって行くのかと思ったら、意外や意外。向井滋春(tb) が少林寺拳法の達人として登場するや、格闘技小説になってしまうのだからたまげる。さらに、第2話、第3話では伝奇小説に、第4話ではSFが展開する。でも、どの短編も紛れもない「ジャズ小説」なのだから凄い。今野敏さんは、本当にジャズが(いや、森山威男さんが)好きなんだね。うれしくなってしまったよ。ぼくが森山威男カルテットをナマで聴き始めたのが1978年で、フロントテナーは小田切一巳に代わっていた。さんざん聴きに行ったなあ。2作目『ハッシャバイ』も、レコードが擦り切れるくらい聴いた。

確かに、山下さんや森山さんのジャズは、ぼくら体験者には「神業」としか思えないもんなぁ。彼らはきっと極秘拳法を伝授された達人であり、特別に選ばれた一族の末裔か何かに違いない。

 今週のいろいろ           2009/06/20 

■井上堯之「青春の蹉跌のテーマ」は、ネット上でも聴くことができる。

「YouTube」(井上堯之自身のギター演奏)
「ニコニコ動画」(大槻ケンヂ「青春の蹉跌のテーマPART3」)


■先週からのいろいろ

6月11日(木)昼休み、竜西保育園の内科健診。終了後に少し時間があったので、園長先生にお願いして年長さんのクラスで絵本を読ませていただく。

1)『もけらもけら』山下洋輔・文、元永定正・絵(福音館書店)
2)『かあさんになった あーちゃん』 ねじめ正一・作、長野ヒデ子・絵(偕成社)
3)『ひみつのカレーライス』 井上荒野・作、田中清代・絵(アリス館)

すっごく反応がいい。きっといつでも絵本を読んでもらってるんだろうな。5歳の女の子「あーちゃん」の話は、どうも同じ5歳児には理解できないようだ。保育園の先生にはどこでもすっごく受けるのだが、子供たちは「あーちゃんに、かあさんが憑依した」ということが分からないみたい。「あーちゃん、ばかみたい」 女の子たちは、けっこう醒めた目でこの絵本を見ている。そういうもんか。ちょっと寂しい。

夜は、パパ's 絵本プロジェクトの田中尚人さんが伊那へ来て、宮脇パパ、伊東パパと伴に伊那北駅前の「昭和軒」で焼き鳥。それにしても、「昭和軒」は夜7時前からほぼ満席状態。でも座敷席に座れてよかった。宮脇さんが帰ったあと、2次会は入舟の「亀」へ。楽しい夜でした。

6月16日(火)昼休み、長谷で3歳児健診。
6月17日(水)午後2時から高遠第一保育園の内科健診。園長先生から請われて絵本を読ませていただく。

【年長+年中組】
1)『ねこガム』きむらよしお作(こどものとも年少版・2005年1月号)
2)『もけらもけら』山下洋輔・文、元永定正・絵(福音館書店)
3)『ふってきました』もとしたいずみ・文、石井聖岳・絵(講談社)
4)『たぬきのじどうしゃ』長新太・作(偕成社)
5)『どんどこどん』和歌山静子・作(こどものとも年少版・2008年10月号)
6)『三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン・絵、瀬田貞二・訳(福音館書店)


【年少組】
1)『ねこガム』きむらよしお作(こどものとも年少版・2005年1月号)
2)『おべんとう』小西英子・さく(こどものとも年少版・2009年4月号)
3)『わにわにのおふろ』小風さち・作、山口マオ・絵(こどものとも年少版・2000年6月号)
4)『三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン・絵、瀬田貞二・訳(福音館書店)


6月18日(木)午後1時25分から50分間、長谷中学校で全校生徒対象に授業。「メディアは君たちの脳とカラダを蝕んでいる!」というタイトルだった。給食終了後のひとときだったから、血糖値が上がって朝練でシゴかれた男子生徒が3人ほど爆睡状態だったが、あとの生徒はみな真剣にぼくの話に耳を傾けてくれた。うれしかった。1年生から3年生まで全生徒数45人の小さな中学校。みないい子ばかりだね。保護者の方々も20人近く聴きにきてくださった。ありがとうございました。それにしても、50分ぴったしで授業を終了できたことは誇れるかな(^^;)

同日夜は、プリエで上伊那医師会学術講演会。所沢ハートセンター所長の桜田先生のご講演は、ぼくのような素人にもすっごく分かりやすくて、プレゼンの極意を見た気がした。そうか、これからは「動画」なんだ。座長の長田和裕先生、先月に引き続きありがとうございました。


6月19日(金)午後4時から、伊那市役所5階会議室で今年度初の伊那市就学指導委員会。本年度は、2月末までに13回会議を開いても対象児童の審議が終わらないかもしれないという。あと2〜3回会議が増えそうな雰囲気。たいへんだ。

6月20日(土)5月のGW以後、4週続けて日曜日が全て出張だったので、家族で外食の機会がなかった。そこで今日は久々に外食。それぞれに行きたい店のアンケートを取る。焼肉好きの次男は「宝船」。寿司好きの妻は「ちむら寿司」。辛いもの好きの長男と僕が「美華」。というワケで、今日は美華へ行った。有頭海老の黒胡椒炒め、麻婆豆腐、カシューナッツと鶏肉の唐辛子炒め、ワタリガニのチリソース炒め。子供らは、次男がラーメン、長男はタンタン麺。なんだか辛いものばかりだね(^^;; 美味しかったな。満足満足。「美華」は、やっぱり伊那でピカイチの中華料理店だ。

 映画『青春の蹉跌』の ショーケンは、やっぱりいいなぁ         2009/06/18 

■神代辰巳監督の傑作映画『青春の蹉跌』が、いまさっきからCSの日本映画専門チャンネルで始まった。この映画を見るのは何十年ぶりだろうか? 初めて見たのは高校2年生の8月(1975年)だった。入笠山での夏休みクラスキャンプの前日。ぼくは肉屋でしこたま買い込んだカレー用豚コマ肉の袋を胸に抱えたまま、伊那映劇の暗闇の中で一人、スクリーンに映し出された桃井かおりの豊満な姿態や、スレンダーな壇ふみの白いビキニ姿を網膜に焼き付けていたように思う。

自信はあった。でもいま、33年ぶりに「この映画」を見てみると、そのほとんどのシーンを忘れてしまっていたことに気づいて、ちょっとショックだったりする。河原崎建三や、まだ若い森本レオ。それに渋いところでは『まる秘色情めす市場』の芹明香とかがそう言えば出ていたんだね。壇ふみは、なんと赤い水着を着ていた。あれほど好きな映画だったのに。すっかり忘れてしまっていたのだ。そんなもんか。

それでも、見れば思い出す。ショーケンはいいなあ。独り言のように「エンヤートット、エンヤートット」って、頭の中で呟いている。それで気がづいた。あっ、ジャズ集団「渋さ知らズ」のMCが「エンヤートット、エンヤートット」と客席を煽るのは、じつは「この映画」がオリジナルだったのだ。主人公がアメフトやっているのは、脚本が長谷川和彦だからか。『青春の殺人者』『太陽を盗んだ男』も映画館で見たなあ。元気にしてるのだろうか? ゴジさん。

視覚から入る情報よりも耳から入る音の情報の方が、どうも記憶の再現性はいいみたいだ。『青春の蹉跌』と言えば、井上堯之の映画音楽が絶対に忘れられない。TBSラジオの深夜放送「林美雄のパックイン・ミュージック」のエンディング・テーマとしても、さんざん聴いてきたからね。いま聴いてもしみじみ名曲だ。確か伊那映劇で「この映画」を見たあと、通り町の小林書店で『青春の蹉跌』石川達三(新潮文庫)を買って読んでみた。でも、原作はつまらなかった。主人公の青年が、いかにも頭でっかちのエリート秀才で嫌らしく、ちっとも感情移入できなかったからだ。

そこいくと、映画はいい。ショーケンが主人公だからいい。桃井かおりだからいい。そして監督が神代辰巳だからいいのだ。ただ、個人的には「神代&ショーケン」コンビの映画の中で一番の傑作は『アフリカの光』だと思っている。しかし、このテーマ曲を聴いていると、いろんなことが走馬燈のように思い出されて、何だか知らずに涙が流れ出てくるね。恥ずかしいけれど。

 何と、飯田で新型インフルエンザ         2009/06/16 

■長野県内で初めて、飯田市で新型インフルエンザの患者さんが確認された。しかも、続けて2人。この2人は無関係で、感染経路は別。さらに厄介なことに、2例目の男性(42歳)は、6月13日の午後に飯田文化会館で開催されたファミリー・コンサートに親子で参加していた。当日は1200人近くの親子連れがつめかけ、会場は超満員だったという。全国にファンが多いこの人気グループのコンサートは2時間に及んだ。上伊那からも観に行った親子、保育士さんがいたのではないかな。

このため飯田市は、県からの指示を受けて市内全保育園、幼稚園(計43園)を今週いっぱい(20日まで)休園処置にした。いきなり神戸市や大阪府なみの1週間休園処置とは、親御さんの中には納得のいかない方もいるかもしれないが、感染拡大を防ぐためには致し方ない対応だと僕は思う。飯田市では、両親とも医療従事者とか教員などで、保護者がどうしても仕事を休めない場合に対応するため、明日から松尾東保育園で緊急保育を始めるそうだ。これまた迅速な対応で感心した。

ただ問題は、小児科を中心に飯田市内の医療機関はどう対応するのか? ということだ。神戸市のように患者さんが次々と発症したら、発熱外来は早晩パンクしてしまい機能しなくなる。何とか感染が拡大せず、このまま沈静化することを願ってやまないが、新型インフルエンザが伊那へ北上してくるのはもはや時間の問題だな。

 BS20周年ベストセレクション「詩のボクシング 谷川俊太郎 vs ねじめ正一」  2009/06/14 

■昨日の訂正。桂枝雀さんは「B型」でした。それにしても多いな、B型の落語家さん。しかも、実力派がそろっている。お笑い芸人で調べてみると、これまた面白いことに「B型のボケ」と「A型のツッコミ」が多いことに気づく。ダウンタウンの松本・浜田、ナイナイの岡本・矢部、雨上がり決死隊、よゐこ、タカアンドトシ、中川家、おぎやはぎ など。ぼくの好きな「ラーメンズ」は、小林賢太郎がA型で、片桐仁がB型。詳しくは「ココ」を参照。

■6月13日(土)夜にBS2で再放送された「詩のボクシング 谷川俊太郎 vs ねじめ正一」を見た。これは面白かった。「かあさんになったあーちゃん」の「あーちゃん」は実在の人物で、ねじめ正一氏の娘さんだった。テレビにも登場した。大きくなったんだね、あーちゃん。ジャッジには、コンセルトヘボウの平田俊子さん、ギャラリーには「行列」の佐々木幹郎氏がいた。屋台でくだ巻く、単なる酔っぱらいのオジサンみたいで、いい味出してたな。

10ラウンドまで、お互いに死力を尽くした熱戦で、じつに見応えがあった。ぼくが知ってる詩もいっぱい登場した。谷川さんの「夕暮れ」とか「おならうた」とか。しかし、ねじめ正一さんは「詩の朗読」を一つの芸能の域に引き上げた人だったんだね。朗読のプロだ。小技もいっぱい持っている。声もいい。真似できないな。

 落語家の「血液型」に関する研究           2009/06/13 

■この春、待望の「東京かわら版増刊 寄席演芸年鑑2009年版」が発売されたので、今度上京した際に買って帰ろうと思っていたのだ。でも、でもでも、3回も東京へ行ってきたというのに「この本」は買われることはなかった。何故か? じつは、『2009東京落語家名鑑』瀧口雅仁・編著(小学館)という本を、GW明けの TSUTAYAで見つけてしまったからだ。発見したその日は、我慢して買わずに帰ったのだのだが、3日考えて結局は買ってしまった。今から考えると大失敗だったな。何故なら、上京して銀座教文館で「東京かわら版増刊 寄席演芸年鑑2009年版」を見たら、落語家の写真が違っていたのだ。こっちの方が新しくて大きい。それから「色もの」さんも講談師も全員写真入りでちゃんと載せてある。えらいじゃないか! 『2009東京落語家名鑑』には、色ものさんは載ってない。しかも、立川流の噺家さんたちは、写真でなくて何と!似顔絵でお茶を濁すという体たらく。

よくよく考えたら、ぼくには「色ものさん名鑑」も必要だったのだ。そう気が付いたら、何だかものすごく損したような気分になって落ち込んでしまった。

■さて、ぼくの手元には「この本」が1冊残った。後悔しながらぺらぺらと捲っていったら、面白いことを発見した。落語家さんにはB型の人が意外と多いのだ。

【B型】
三遊亭圓歌、三笑亭笑三、橘家圓蔵、柳家小三治、三遊亭圓窓、桂文楽(九代目)、柳家さん八、古今亭志ん五、柳家小さん(六代目)、五街道雲助、三遊亭好楽、むかし家今松、古今亭八朝、柳家〆治、柳亭市馬、桂平治、林家たい平、柳家喬太郎、柳家禽太夫、入船亭扇治、古今亭駿菊、柳家三三、柳家甚語楼、隅田川馬石、川柳つくし、柳家喬之進、三遊亭金翔。

【O型】
桂米朝、桂米丸、古今亭志ん朝(?)、入船亭扇橋、柳家さん喬、春風亭小朝、古今亭志ん輔、桂才賀、三遊亭歌之介、三遊亭歌武蔵、春風亭昇太、笑福亭鶴光、笑福亭鶴瓶、三遊亭白鳥、橘家文左衛門ほか。

【A型】
三遊亭金馬、桂歌丸、林家こん平、林家木久扇、古今亭志ん駒、三遊亭圓丈、柳家権太楼、三遊亭小遊三、古今亭寿輔、瀧川鯉昇、林家正蔵、柳家喜多八、柳家花録、橘家圓太郎、立川志の輔、三遊亭遊雀、林家三平(二代目)、桃月庵白酒、林家木久蔵 ほか

【AB型】
立川談志、鈴々舎馬風、春風亭小柳枝、春風亭一朝、三升家小勝、春風亭百栄、ほか。

■面白いな、と思ったのは「意外な A型」の噺家さんだ。三遊亭圓丈さんは、定期的に圓丈師のサイトを読んでいて「この人は A型に違いない!」そう思っていた。こういうふうに「うじうじ」と未練がましくいつまでも悩んでいる人は A型さ。間違いない。だって、ぼくもそうだから。それにしても、寄席の爆笑王、柳家権太楼師が A型だったとは驚いた。かつての師弟である三遊亭遊雀さんも A型。似すぎちゃったのかな。それから、立川志の輔さんも A型とはな。意外だった。亡くなった桂枝雀師も、もしかしたら A型だったのかもしれないな。わからないけど。

 秋までに4キロやせるのだ!(無理か…?)           2009/06/09 

■日曜日の小児科学会長野地方会で久々にお会いした先生方のうち数人から「先生、新聞見たよ!」と言われた。4月27日(月)の信濃毎日新聞朝刊・中南信版欄に、伊那のパパズの富士見町図書館での絵本ライブの模様がカラー写真入りで載っていて、記事の中で「メタボが気になる小児科医です」とぼくが歌いながら自己紹介したことが取り上げられていたからだ。だから、「新聞見たよ」の後に見せた(くすっ)という微妙な表情には、「なるほど、メタボの小児科医だねぇ」という実感が表れていたに違いない。

これではいけない。絶対に。

じつは先だって、例の岡田斗司夫「レコーディング・ダイエット」を実践しようと「ほぼ日手帳」4月開始版を購入し記録し始めたばかりなのだ。さらには、「ためしてガッテン 計るだけダイエット記録用紙」をプリントアウトして、今週月曜日から朝晩2回、血圧と体重を記録しだしたのだ。しばらくずっとサボっていた「テルメ」も、久々に通いだした。昨日は「ブルブル」10分間の後、ステアマスターを45分、腹筋20回。今日はトレッドミルで4キロ走った。よーし、明日も行くぞ!

『17歳のための世界と日本の見方』松岡正剛(その2)           2009/06/07 

■6月4日(木)よる 伊那市医師会総会
 6月5日(金)よる 伊那市要保護児童対策地域協議会代表者会議
 6月7日(日)   日本小児科学会長野地方会(松本)

という訳で、4週続けて日曜日は朝から出張。でも今日は松本だから9時半に自宅を出ても間に合うのがありがたい。今日の学会会場は、この5月にオープンしたばかりの信州大学付属病院・新外来棟4F会議室。新しくて気持いいねぇ。今日のお目当ては、この3月まで京都大学小児科教授で、現在は、京都大学 iPS細胞研究センター副センター長である、中畑龍俊先生の特別講演だった。「 iPS細胞などの幹細胞を用いたこれからの小児医療の可能性」と題されたその講演は、予想をはるかに超える素晴らしいもので、ぼくは感動してしまった。すごいなあ。画期的な最先端の医療研究が、世界各地のトップレベルの研究所を差し置いて、この日本で行われていて、それを僕らがよく知る中畑先生が統括しているのだ。つくづくスゴイ先生だなあ。

ES細胞とか iPS細胞というと、思い浮かぶのは「再生医療」という言葉だが、実際には、もっともっと深い意味合いがあることを、今日初めて知ることができたのが何よりもの収穫だ。すなわち、現代の医療では治すことのできない難病をかかえる患者さん自身から iPS細胞を作り出せば、その細胞を使って実験室レベルで病態や病因の解析、新たな治療薬の開発が可能なのだ。これは、誰も想像だにしなかった全く新しい医学研究の扉が開かれたことになるのだ。しかも、その研究は世界中で既にしのぎを削って行われており、次々と成果が報告されているという。ぼくはちっとも知らなかった。

今日ののように、何にも知らないことを分かりやすく噛み砕いて解説してもらうと、知的興奮を味わえると同時に、ものすごく得した気分になる。こういう経験は久しぶりだ。今日は松本まで来て本当によかった。中畑先生、ありがとうございました。


■さて、正剛センセイの「この本」も、知的興奮にあふれ、読んですっごく得した気分になれる希有な本だ。世界史と日本史を、博覧強記の正剛センセイが「たった1冊」で語り切るという無謀な試みがなされているのだが、歴史の切り口(ちょうど映画のフイルムを切ってつなげる作業。正剛センセイはそれを「編集」という)次第で、今まで見えなかったものがクリアカットに見えてくるのだ。そのことを実感できたことがうれしい。

よく分からなかった「キリスト教」の成り立ちを、初めて理解できた。それから、意外な関係性の面白さ。平清盛と西行が同い年で、しかも同じ「北面の武士」出身とは知らなかったし、エリザベス1世と織田信長が1歳違いだったとは知らなかったな。それから、物語を語るために「言葉」が生まれたという逆転の発想がスゴイね。「行きて帰りし物語」という構造が、人間が最も好む物語構造であるという指摘も、なるほど!と思った。絶対的な善を設定したがために悪というものが必要になったとか、砂漠の宗教としての西洋の「一神教」と、森の宗教である東洋の「多神教」という分析にも感心した。

漂白の民と文化・ネットワークの発達。人が集まるサロン、会所と悪場所(遊郭・芝居小屋)という考え方。ゆがみ・ひずみという2つの焦点を持った楕円形のバロックという文化と織部とパスカルの関係。ルネッサンスのダビンチと利休の関係。などなど、ドキドキしながら読んだ。でも、読む端から忘れていってしまうので、また最初から「この本」を読む必要があるな、たぶん。

『17歳のための世界と日本の見方』松岡正剛(春秋社)           2009/06/05 

■今日の昼休みは、竜東保育園年長さんの内科健診。健診後に2クラス集まってもらって絵本を読む。今日のお昼はカレーライスだったんだって(^^;;

1)『もけらもけら』山下洋輔・文、元永定正・絵(福音館書店)
2)『かあさんになった あーちゃん』 ねじめ正一・作、長野ヒデ子・絵(偕成社)
3)『できるかな? あたまからつまさきまで』 エリック・カール・作、工藤直子・訳(偕成社)
4)『ひみつのカレーライス』 井上荒野・作、田中清代・絵(アリス館)

■『東大アイラー』が面白かったので、同様に学生への講義を本にまとめた『憂鬱と官能を教えた学校』菊地成孔+大谷能生(河出書房新社)と『カムイ伝講義』田中優子(小学館)を図書館で見つけて借りてきたのだが、これはなかなかに手強そうだ。そこで、1年以上前に買って積ん読状態だった『17歳のための世界と日本の見方』松岡正剛(春秋社)を取りだして読み始めたら、これが大当たり! あのセイゴオ先生が帝塚山学院大学・人間文化学部で行った5コマの講義を本にしたものだが、『東大アイラー』と同じくらい衝撃的な「目ウロコ本」であった。やっぱ凄いな、正剛センセイは。(つづくかも?)

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 最近買ったCDの覚え書き           2009/06/03 

■最近、中古盤でCDの大人買いをしてしまった。一度に買っても一度には聴けないので、暫くすると、何を買ったのか忘れてしまう。というワケで、購入したCDの写真を記録しておくことにしたのだ。写真に写った16枚のうち、新品で買ったCDも4枚ある。B1、B4、C1、C4だ。あとは中古盤。中でもお気に入りは<C4>の「ABDU SALIM SEXTET」。5月17日に、銀座山野楽器3Fジャズ・フロアで流れているのを聴いて「おっ!?」と思い、レジカウンターで「ただ今演奏中」のCDジャケットを確認した。その日は買うのをガマンして帰ったのだが、翌週、新宿ディスクユニオン・ジャズ館1Fで見つけて購入。

ABDU SALIM って、ぜんぜん知らない人だが、エリック・ドルフィーみたいなマルチ・リード奏者。ドルフィーと似たような楽曲もある。共演者はみなフランスの若手ジャズメン。音もピチピチ生きが良くって、聴いていて実に気持ちいい。中でもピアノの人が、ジョン・ヒックスみたいなタッチで意外とよい。80年代には、ダスコ・ゴイコビッチ(tp)とか、アルビン・クイーン(drs)とか、テレサ・レーベルのファラオ・サンダース(ts)とか、元気のいい現代版ハード・バップがあったのだが、最近では珍しいんじゃないかな。ぼくはこういうのが好きさ。

それから、最近注目している菊地成孔氏の2枚も良かった。菊地氏も、ジャズピアニストの南博氏も、今では文筆家としての方が有名だが、この2人がネット上で発見されたのが、1999年〜2000年であることはある意味象徴的だ。いまをときめく内田樹先生も同じ頃に発見された。当時はネット上にまだまだこうした才能がごろごろしてたんだねぇ。

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